男「あ~あ、最近全然モテないなぁ」
1 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[sage]:2008/12/09(火) 04:44:08.40
ID:R0LSdmTH0 男「なんかいい話転がってないかねぇ」
俺の名前は田中中太(たなかなかた)。大学3年生。
今時のイケイケ大学生・・・って程じゃないけど、それなりには容姿が良い。
高校生の頃はそのルックスのお陰で女には困ってなかったんだけど・・・。
最近は全然彼女ができない。
せめて誰か一人だけでもいから付き合いたいと思いつつも、中々女性は振り向いてくれない。
そんなある日─
僕は合コンの帰りに謎のお婆さんと出合ったのだった。
田中「ん?こんなところで何やってんだ、婆さん?」
老婆「・・・・・」
田中「『いけるサングラス売ります』・・・!?」
男「あ~あ、最近全然モテないなぁ」
5 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[sage]:2008/12/09(火) 04:47:48.59
ID:R0LSdmTH0 田中「なあ婆さん、なんだこの『いけるサングラス』っていうのは?」
老婆「『いける』という意味でございます。」
田中「まあ確かにイケてないこともないけど・・・。大した自信だな。」
老婆「・・・・・」
田中「まあちょうどサングラスが欲しいと思ってたところだし、買ってみるか。で、お婆さん、これいくら?」
老婆「100円でございます」
田中「はい100円」
老婆「お買い上げありがとうございます。」
10 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[sage]:2008/12/09(火) 04:59:01.09
ID:R0LSdmTH0 田中「『いけるサングラス』ね・・・。確かに100円にしてはイケてる方だな。」
田中「来週の合コンで試しに使ってみるか。」
─そして、一週間経って合コンの日がやってきた
田中「よし、今日こそかわいい女の子ゲットするぞ!このサングラスをかけて・・・と。」
今回の合コンの舞台はダンスパーティ。
俺の素晴らしいダンスでみんなを魅了してやるぜ!!
田中「よっす!遅れてごめん!」
中田「遅いぞ~。ん?サングラスかけてくるなんて珍しいじゃん!」
田中「まあたまにはなw」
僕はそこで『いけるサングラス』の本当の力を思い知るのであった
※ダンスパーティって社交ダンス限定だっけ?
こういうの詳しくないから適当に脳内補完して。
11 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[sage]:2008/12/09(火) 05:05:47.25
ID:R0LSdmTH0 田中「よし、着いたぞ・・・。」
僕たちは会場に到着した。そこには、今回の合コンの相手の女性達が待っていた。
中田「おい、田中、結構かわいい子多いな。」
田中「ああ、想像以上だな。」
田中(ようし、必ずこの中から彼女を作ってやる!)
女A「田中さんってダンスうまいんですか?」
田中「ああ、まあね。」
女B「そのサングラス、似合ってますね。」
田中「そう?最近買ったんだけど似合っててよかったよ。」
よし、まずつかみは上々だ。
後は僕のダンスの実力を見せてやれば・・・!
12 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[sage]:2008/12/09(火) 05:10:36.95
ID:R0LSdmTH0 中田「じゃあ皆さんそろそろいきますかー!」
今回の合コンの主催者である中田が指揮をとり、僕たちは会場の中に入った。
そして、パーティが始まった。
田中(見よ!僕のこの華麗なダンスを!!)
サングラス(キュイイン)
田中(女たちはみんなきっと僕に見とれてるはず・・・)
サングラス(キュイイン)
女A「すごい!すごすぎるわ!!」
女B「あんな素晴らしいダンス見たことない!!」
田中(ようし、なかなかの好反応だぞ。)
13 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[sage]:2008/12/09(火) 05:15:40.68
ID:R0LSdmTH0 女A「あのお婆さんのダンスすごすぎるわ!!!」
田中(え?お婆さん・・・!?)
僕が思わず振り向くと、あの寡黙だったお婆さんが後ろで踊っていた。
しかも、くやしいことに僕とは比べ物にならないくらいうまい。
まさかあのお婆さんがこれほどまでの凄腕ダンサーだったとは・・・!
老婆「ヘーイ!みんなもっと楽しく踊りましょ!!」
今更寡黙のかけらもないじゃないか。
中田「おい田中、あの婆さんすげぇな・・・」
田中「ああ、僕じゃとてもかなわない」
中田「かなり『イケてる』よな」
田中「!!!」
14 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[sage]:2008/12/09(火) 05:21:08.48
ID:R0LSdmTH0 田中「『イケてる』・・?」
中田「ああ、かなりイケてるじゃないか、あの婆さん。いったいいくつなんだろうな。」
僕はまさかと思ってサングラスを外してみた。
すると・・・。
女A「あれ?あのお婆さん動きが鈍くなってきてない?」
女B「なんか急に年相応になったような・・・。」
そのまさかだった。
この『いけるサングラス』は、デザインが『イケる』のではなく、ダンスが『イケる』のだった。
対象が僕ではなくて婆さんなのだが・・・。
15 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 05:26:43.67
ID:R0LSdmTH0 田中「あ~あ、この間は酷い目にあったな。」
結局あの日はお婆さんの話題ばっかりになってしまって合コンどころではなくなってしまったのだった。
田中「あのお婆さんにあったら絶対文句言ってやる・・・ってあれは!」
田中「おいお婆さん!この間は何てことしてくれたんだ!」
老婆「・・・。」
田中「おかげで合コンが台無しに・・って何だこれ?」
田中「『いける花瓶売ります』・・・?今度は何だよ!?」
老婆「それはお買いになった方だけが分かるのでございます。」
田中「もうそんなインチキグッズは買わねーぞ!。」
16 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 05:29:56.74
ID:R0LSdmTH0 とは言ってみたものも、やはり気にはなるのが人間の性だ。
田中「ちなみにお婆さん、これ、いくらなの?」
老婆「1000円でございます。」
田中「1000円!?この花瓶が?高くないか?」
老婆「高いか安いかはお客様次第でございます。」
田中「ん・・・。分かった、今度までだぞ。1000円だな。買ってやるよ!」
老婆「お買い上げ、ありがとうございます。」
17 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 05:34:37.13
ID:R0LSdmTH0 家に帰宅して─
田中「勢いで買ってはみたはいいが・・・。」
田中「別に生け花に興味があるわけじゃないしなぁ。」
田中「とりあえずその辺に置いとこ。」
花瓶(キュイイン)
そして、『いける花瓶』を買ってから三日ほどたったある日、僕は合コン仲間の中田を家に招待した。
18 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 05:39:35.67
ID:R0LSdmTH0 中田「いや~この間はちゃんと合コン進行させられなくて悪かったな~。」
田中「いや、いいよ。あんなすごいお婆さんがいたら誰だってそれどころじゃなくなるからな。」
中田「確かにそうだな。まあとにかくお邪魔するぜ。」
田中「ああ、入ってくれ。なんか飲み物持ってくるからその辺に座っていてくれ。」
中田「おう。分かった。」
そうして、中田は僕の家の部屋に入って行った。
そう、あの花瓶のある部屋に・・・。
19 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 05:43:29.37
ID:R0LSdmTH0 中田「うわあああああ!!!」
部屋の方から中田の叫び声が聞こえた。
田中「おい、どうした!?大丈夫か?」
僕は、ただ事ではないと雰囲気で感じ取り、急いで中田のもとへ向かった。
田中「おい!何があった!?」
中田「何って・・・、お前花瓶見ろよ、花瓶。」
田中「花瓶・・・?」
僕が無造作に花瓶の方に目を向けると、そこには信じがたい光景があった。
20 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 05:50:20.66
ID:R0LSdmTH0 なんと、あのお婆さんが花瓶の中にすっぽり刺さっていたのだ。
小さい花瓶ではなかったので、両足がなんとか入ったようだった。
そして、平然とした顔つきでこちらを見てくる。
正直、何と言っていいのか分からなかった。
中田「なんだよこの婆さん!」
中田はショックのあまりこの間のダンスのお婆さんと同一人物ということに気付いていないようだった。
中田「なんで花瓶に花じゃなくて婆さん『生けてる』んだって聞いてるんだよ!!」
田中(まさか!)
21 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 05:57:16.14
ID:R0LSdmTH0 そう、『いける花瓶』とは、花を生ける為の花瓶ではなく、あのお婆さんを生けるための花瓶だったのだ。
中田「・・・もういい。帰るな。」
田中「おい!待てよ!!」
中田はあまりに気を悪くしたのか、返事をせずに帰ってしまった。
田中「ああ・・・。なんということだ・・・。」
合コンが中止になったのも、中田の機嫌を損ねたのも、全てはこのお婆さんが元凶である。
僕は、この気持を抑えられずにお婆さんに怒鳴りつけた。
田中「おい!!どうしてくれるんだよ!!!」
その時、花瓶の横のあるものが視界に入った。
24 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 06:00:24.79
ID:R0LSdmTH0 田中「『いけるバイアグラ』売ります・・・?」
田中「おい、お婆さん。この『いける』っていうのはもしかして・・・。」
老婆「それはお買いになった方だけが」
田中「もういい!買ってやるよ!!いくらだ?」
老婆「一万円でございます。」
田中「分かった。一万円だ。」
老婆「お買い上げ、ありがとうございます。」
25 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 06:05:03.66
ID:R0LSdmTH0 僕は確信していた。
この『いけるバイアグラ』・・・
ただ単に性行為をして「イケる」だけじゃ一万円はしないだろう。
これはすなわち『理想の女性とイケるバイアグラ』なのだ。
それなら一万円だって安いもんだ。
今までの駄目な商品は全部カムフラージュであり、買わないとふんでこの商品を売りにきたに違いない。
裏の裏を読んだ僕の勝ちだ!
これでついに理想の彼女を手に入れられるんだ!!
26 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 06:09:25.16
ID:R0LSdmTH0 田中「おいお婆さん、花瓶と一緒に帰っていいぞ。」
老婆「何を言っておられるのですか。」
田中「何をって何だ。ここは僕の家だぞ。」
老婆「そういうことを言っているのではございません。」
田中「ハッキリしろよ。そうか、分かったぞ。さてはこのバイアグラが惜しくなったんだな?」
老婆「・・・。」
田中「そうは言ったって仕方がない。僕はお婆さんに言われた金額を払って買ったんだ。」
老婆「・・・。」
田中「僕にはこのバイアグラをあなたに返すつもりはない。さあ、帰るんだ。」
27 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 06:17:32.56
ID:R0LSdmTH0 老婆「その『いけるバイアグラ』を使用する気があると考えてよろしいですか?」
田中「そうだ。もちろん、今では無いがね。」
老婆「いいえ、今飲んでもらいます。」
田中「おいおい、何を言ってるんだ。お婆さんにバイアグラを使えと指示される謂れはないぜ。」
老婆「お客様は何か勘違いをしておられますな。」
田中「いったい何を勘違いしてるって言うんだ?」
老婆「このバイアグラは理想の女性と性行為できるものなのです。」
田中「やっぱりか。あいにく、勘違いはしてないぜ。僕の読み通りだ。」
28 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 06:23:52.21
ID:R0LSdmTH0 老婆「何を仰いますかお客様。」
田中「何だ?勘違いはしてないぞ?」
老婆「理想の女性は目の前にいるではありませんか。」
田中「・・・やっぱり自分の気持ちにはウソをつけないな。」
その夜、僕はお婆さんと一夜を過ごした。
『いけるバイアグラ』のおかげでばっちりイクことができた。
仲間には笑われるかもしれないが僕は後悔してない。
なぜなら、待ちに待った彼女ができたのだから─
「いけるサングラス」終わり
29 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[sage]:2008/12/09(火) 06:25:31.48 ID:dtrWJZCk0
いいはなしだなー(AA略
30 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[]:2008/12/09(火) 07:12:14.78 ID:AoqHchj8O
マジカル頭脳パワーの後任されたんだよなこの番組…
31 :
愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[sage]:2008/12/09(火) 07:33:52.37 ID:N8oDCGC5O
この感じどこかで…
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