1 名前: ◆I8Tk4YYar2 [] 投稿日:2008/12/09(火) 20:51:07.60 ID:u/owxIylO
前回のお話
吉良(幽霊)と雪華綺晶が杜王町にやってきた
双子は億泰 金糸雀は承太郎と同行
今 真紅と水銀燈がNのフィールドで一触即発
吉良吉影と雪華綺晶
http://newsvipblog.blog57.fc2.com/blog-entry-1104.html
吉良吉影と雪華綺晶 戦闘潮流
http://newsvipblog.blog57.fc2.com/blog-entry-1105.html
吉良吉影と雪華綺晶 戦闘潮流 The Tide is Turning
http://newsvipblog.blog57.fc2.com/blog-entry-1106.html
吉良吉影と雪華綺晶 メイド・イン・ヘブン
http://newsvipblog.blog57.fc2.com/blog-entry-1132.html
13 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 21:09:01.28 ID:u/owxIylO
水銀「くらいなさいッ!! 真紅ッ!」
真紅「!!」
水銀「ちぃ!ちょこまかとッ!!」
真紅(相変わらずの羽根飛ばし…だけど ほとんどは派手な目くらまし
実際に私を狙って撃っているのは一~二割…なら!)
水銀「あら!いきなり背を向けて どこ行くつもり!?」
真紅「…どこだっていいじゃない」
真紅(私が振り向くと同時に背後に回られた つまり水銀燈は私の行動を読んでいた)
16 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 21:12:51.54 ID:u/owxIylO
水銀「あなた さっきあれほど私を挑発したけど…
本当は戦う気なんて無いんでしょ?」
真紅「……」
水銀「仲間思いのあなただもの 私を怒らせて 大雑把な攻撃をさせて
その隙に杜王町へ逃げよう そう考えていた? 違ぁう?」
真紅「……」
水銀「思慮が浅いわねぇ ついでに言うと情けないわねぇ!!
そんな目論見に私がはまると思った!?心外だわ!!
堕ちなさい!!真紅ゥ!!」
真紅「くッ!」
20 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 21:17:24.48 ID:u/owxIylO
水銀「ほらほら 避けてばっかりじゃなくて少しは反撃なさい つまらないわよぉ!!」
真紅(飛ばす羽根の量を増やして 今度は私を面で捉える攻撃を始めた
相手を逃がさないための攻撃… これでいい!!)
水銀「いい加減… 当たれーッ!!」
真紅(当たらない!水銀燈は私が翠星石達を助けるために逃げ出すと読んだ
でも私は逃げない 既に金糸雀が彼女達の元へ到着しているはず)
水銀「当たれ!当たれ!当たれェッ!!」
真紅(だから私は水銀燈との戦いだけに専念できる!)
23 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 21:20:15.83 ID:u/owxIylO
『あなただけ先行する!?金糸雀 そんなことに意味は無いのだわ
何故 今になって作戦を変えるの?』
『事態が変わったのよ真紅 意味が無ければ それに越したことは無いのかしら
でもピチカートとスィドリームの会話はメイメイとレンピカに傍受された』
『水銀燈が動くと?』
『仮にピチカートが傍受された時点 その場所に水銀燈がいて
すぐに移動を始めていたとしても 今から私が 帰り道の固定を無視して
強行すれば 水銀燈と遭遇することはありえない』
『いつものようにNのフィールドの出入り口を確保しながらの移動では
水銀燈に先を越される?』
『もしくは途中で鉢合わせすることも考えられるのかしら』
25 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 21:23:10.14 ID:u/owxIylO
『……』
『水銀燈の怖さの一つは 一対多の戦闘に長けていることかしら
私と真紅が一緒に行動して水銀燈に遭遇すること
それだけは避けなくてはいけない 二人とも足止めを食う』
『でも単独行動にも危険がないとは言い切れないのだわ』
『だから私が先行するのかしら 水銀燈に私だけ見つかったら
なすすべは無いから 悪いけど危険なのは真紅 でも』
『私なら雛苺のローザミスティカもあるから水銀燈とも少しは渡り合える』
『きっと真紅なら水銀燈にも負けないと思うのかしら
あなたが彼女を恐れず前へ前へと攻め続けられるのなら』
『前へ?』
『薔薇乙女たるもの いついかなる時でも全速前進 倒れる時も前のめり!
そういうわけでカナはもう先に行かせてもらうかしら!!』
28 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 21:26:22.43 ID:u/owxIylO
水銀「ハァッ…ハァッ…」
真紅「フゥ…お互い…息が切れてきたようね
あなたは私を捕まえるために全力で攻撃し続け
私はあなたから逃れるために全力で避け続けた」
水銀「そうよ!それに私はローザミスティカ二つ あなたは一つ
辛いのは そっちの方のはずよねぇ!」
真紅(やはり まだ水銀燈は私が雛苺のローザミスティカを
受け継いでいることの確証を得ていない
ここで こっちも疲労しているように見せても損は無いのだわ)
30 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 21:28:45.44 ID:u/owxIylO
水銀(焦れてくるわね… こっちの方が有利 それは間違いない
なのに なのに真紅に余裕があるように見えるのはどうして?)
真紅「ねぇ水銀燈 さっき私はこの出会いを偶然と言ったけど
もし偶然ではなかったとしたら…」
水銀「…そうね お父様のお導きってとこかしらぁ
だってアリスゲームは私達の宿命なのだもの!!」
真紅「フフ そういう意味じゃあないのだわ」
水銀「ッ!? …その笑み!その口調!自分は何でもお見通し!
そういう態度が…サイッコーに!ムカつくのよォッ!!」
真紅「あら怖い」
真紅(この偶然も あなたのその性格も 金糸雀の想定の範囲内だった
本当に全てお見通しなのは誰なのかしらね
さて ここからは 私が自分の頭を使って戦わないと!)
33 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 21:32:03.29 ID:u/owxIylO
金糸「zzZ…」
翠星「zzZ…」
億泰「zzZ…」
仗助「腹が膨れた三馬鹿は寝ちまったし」
トニ「康一サンは由花子サンに連れて行かれマシた
お代イタダイテませんがSPW財団宛でよろしいのデスか?」
承太「…ああ」
蒼星「トニオさん 次のボトル開けてください」
トニ「蒼星石サン もうヤメタほうが 左目が真っ赤デスよ」
蒼星「これは最初からです」
承太「……」
仗助「まぁ 静かな内に 俺達は俺達で ぶっちゃけた話でもしましょうや」
42 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 21:42:36.86 ID:u/owxIylO
トラサルディー店内・席順
1 5
2□4 6□8
3 7
1トニオ・トラサルディー
2蒼星石
3空条承太郎
4東方仗助
5金糸雀
6翠星石
7虹村億泰
8
51 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 21:57:48.60 ID:u/owxIylO
仗助「ぶっちゃけた話…吉良を追い出せますか?承太郎さん?」
蒼星「……」
承太「吉良と…雪華綺晶を見てみないことには何とも
だが一筋縄ではいかないだろうな ちょっとこれを見てくれ」
トニ「写真が三枚?コノお三方は確か…」
仗助「今朝のニュースのッ!!承太郎さん!?」
承太「ホテルの新聞で知ってな 至急SPW財団に調査させた
それでついさっきメールで情報が届いた」
蒼星「食事中 携帯いじってたのはそれだったんですね
なんか行儀悪いから注意しようかと思ってましたよ」
承太「…すまない」
仗助(そ 蒼星石…こいつッ!怖いもの知らずなのか?それとも酔ってんのか?)
56 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 22:05:18.19 ID:u/owxIylO
承太「明日には警察も発表するだろうが… この男性は強盗殺人犯だ
ただし時効が成立している こっちの女性は放火・殺人未遂容疑
死者は出していないが 被害者は今だ後遺症に苦しんでいる」
仗助「二人とも…野放しの重犯罪者だったってことスか?」
承太「そして残るこの男性は… 元・住宅販売会社役員」
トニ「犯罪者ではないのデスか?」
承太「いや この住宅販売会社は違法建築で荒稼ぎしていた 会社自体は
既にないが 違法物件は多く残っている 勿論 この杜王町にもな」
仗助「おいおい それってつまり…」
60 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 22:11:03.83 ID:u/owxIylO
承太「吉良の言った目的が真実なのだとしたら
奴は杜王町にいる犯罪者を殺していくつもりだ
特に殺人などの重度なものや 街に対する犯罪者をな」
仗助「あの野郎~ 神様でも気取って…いや守護精霊か くそっ
『善良な住民は殺さない』ってこたぁ
『そうではない住民は全て殺す』つもりか!!」
蒼星「そうか だから玉美っていう人の仕事対象にも この『三人』が!
依頼者はきっと被害者や…その遺族 けど 吉良は独自の判断で…
そんなことを考え 実行する人間と 雪華綺晶は仮契約を!?」
65 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 22:18:56.26 ID:u/owxIylO
トニ「私の故郷では守護聖人 つまり偉い人の霊が 街を
国を守ってイルという考え方は割と浸透していマス しかし
犯罪者を殺す守護聖人ナド… 私が知ラナイだけかもしれマセんが」
蒼星「……」
承太「SPW財団の追加報告によると 吉良が死んだ以降も
この杜王町の行方不明者数は減少していない」
仗助「ッ!?」
承太「全てとは言わないが彼らが加害者にしろ被害者にしろ
凶悪犯罪と関係あるのだとしたら…」
蒼星「この街は吉良にとって とても働き甲斐のある職場…だと」
仗助「野郎~ そう思うのならさっさと自分から死んで…
いや!もう奴は死んでる!あァッ!どうしたらいいんだよ畜生ッ!!」
66 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 22:23:22.37 ID:u/owxIylO
承太「俺達が吉良を裁く それもできるだけ早く!奴は幽霊だ 人権は無視する
これからも杜王町で犯罪者が殺され続け そして報道され続けてみろ」
トニ「吉良が いや誰か犯罪者を殺シテいる者が
杜王町に潜んでいると知らレルでしょうね」
承太「それだけならまだいい これを崇める奴まで出てくるぞ」
仗助「馬鹿な…」
72 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 22:29:34.85 ID:u/owxIylO
蒼星「仗助君… 人は弱い心を持っているんだ
憎くて 憎くて だけど自分ではどうしようもない相手がいる
もし誰かがその相手を殺してくれる その時 人は……」
仗助「その人殺しに 吉良に感謝するって言うのかよ!!」
蒼星「例え本当に悪いのは 相手を憎悪する自分だと分かっていたとしても
憎しみは人の判断を狂わせる いとも容易く間違いを犯させる」
仗助「なんで人形のオメェーに そんなことが分かる!!」
蒼星「ッ!!」
仗助「…あ」
トニ「仗助サン!」
仗助「ち 違うんだ 蒼星石 俺は…そんなつもりじゃ」
75 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 22:34:28.29 ID:u/owxIylO
蒼星「おか…しいかな? 人形の僕が人間のことを語るなんて
やっぱり おかしいこと…なのかな」
承太「…昔」
蒼星「?」
仗助「承太郎さん?」
承太「DIOを倒すためにエジプトに行った時
一人のスタンド使い いやスタンドと戦った」
82 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 22:42:24.77 ID:u/owxIylO
承太「そいつは刀だった 大昔に作られた刀 スタンド使いは その刀匠
だが刀匠の死後も 刀だけがスタンドとして五百年以上生きていた」
蒼星「刀匠が死んでも 刀だけが?」
承太「その刀は果たして人間の心を持っていたのか?それは分からない
だがそいつは強かった それまでに現れたどんな敵よりも強く
また 正面から堂々と挑んできた敵でもあった」
仗助「……」
91 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 22:46:53.75 ID:u/owxIylO
承太「それまで俺達の相手は 闇討ち騙まし討ちの連続だった
別にそれを卑怯と罵るつもりはない 当然の作戦だ だが
そこに人間らしさはあるのかというと これもまた俺には分からない」
蒼星「……」
承太「そんなものだ 人間らしさなんて 誰にも分からない」
仗助「蒼星石…すまねぇ このとおりだ」
蒼星「ありがとう仗助君 ほら もう頭を上げて 格好いい髪型が崩れるよ」
仗助「おっと こりゃいけねぇ」
100 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 22:51:41.79 ID:u/owxIylO
蒼星「ねぇ承太郎さん 今の刀の話 もう少し聞いてもいいかな」
承太「…ああ」
蒼星「その刀は 何のために承太郎さんと戦ったの?」
承太「…すまんが分からない 刀の話にしても
全てを直接聞いた訳じゃあないからな DIOのノートの走り書きだ
大方 DIOに殺されたくないからってところだろうな」
蒼星「そっか…」
104 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 22:58:45.56 ID:u/owxIylO
承太「悪いな」
蒼星「うぅん 刀匠が…生みの親がいなくなってから五百年
何を考えて生きていたのか知りたかったけど そうか
五百年生きても 刀でも 殺されたくないとか思うのかな」
仗助「……」
トニ「そうデスよ 『殺されたくない』『死にたくない』と思う
それが人間らしさじゃナイでしょうか 私はそう思いマス!」
仗助「そうっスね そうかも…しれないっスね」
107 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 23:05:33.05 ID:u/owxIylO
承太「そういう意味では例え犯罪者であろうと『人間』だ
吉良を…見過ごすわけにはいかない
奴は杜王町を浄化するつもりだろうが 逆だ」
蒼星「逆?」
承太「この街の住人には『黄金の精神』が宿っている
それは困難に立ち向かおうとする魂の力だ 人間の誇りだ
だが 吉良がこのまま凶行を続ければ」
仗助「人は吉良に頼るようになる?」
承太「そうだ たとえ吉良が姿を見せることが無くとも
この街のすべてを奴に任せようと考え始める者も出るだろう」
110 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 23:11:34.71 ID:u/owxIylO
仗助「…!!それだけはさせちゃいけねぇ スタンド使いとして!!」
承太「そうだ だがスタンド使いとしてだけではない
スタンド使いではないものの力こそ必要とするかもしれない」
蒼星「スタンド使いではないものの力?」
承太「かつて じじい(ジョセフ)はスタンドを『傍に立つもの』から
名付けたと言ったが 必ずしもそうではないスタンドも沢山いた
さっきの刀にしてもそうだし スタンド像すら無い奴もいた」
仗助「承太郎さん?」
114 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 23:16:29.38 ID:u/owxIylO
承太「だから俺は最近 こうも思い始めたんだ
スタンドとは…『立ち向かうもの』ではないかと」
トニ「『立ち向かうもの』で『スタンド』ですか ナルホド」
承太「黄金の精神 例え 特殊な能力が無かろうと
立ち向かう意思があれば その者はスタンドだ!」
蒼星「意思さえあれば…」
承太「そう俺達はスタンド使いではない…俺達は 俺達がスタンドだ!」
翠星「ブフゥーーーーッ!!」
123 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 23:25:55.91 ID:u/owxIylO
翠星「プーックククッ!!お…俺達がッ…
俺達がスッ ススス スタンド!! 俺達がスタンドだ!!
ま…真顔で… 俺達がスタンドって…」
蒼星「まだ笑っているのかい翠星石?しょうがないな
あの後 帰る間際まで承太郎さん完全に沈黙を貫いたよ」
億泰「ちぇっ 承太郎さんがそんな面白いこと言ったんなら
俺も起きときゃよかったぜ」
蒼星「いや 寝ていたほうがよかった あの後 承太郎さんの全盛期を
遥かに越えた長時間 時が止まったからね 翠星石以外の」
翠星「ヒーヒッヒヒッヒヒ!ヒヒ! 駄目です 腹のそこから
笑いが出てしょーがねーです! ひ ひきつけ起こすですぅ!」
蒼星「俺達がスタンドだ…て結構良いこと言ってると思うんだけどな
ま 翠星石の笑いのツボは僕とは違うし… で いつから起きてたの?」
翠星「仗助が吉良は死んでいるのにどうしたらいいんだ!って
叫んだ時からです あの花丸ハンバーグ人間は 声がでかいんですよ」
蒼星「本人の前では二度と言わないでよ
初めて会った時 それで殺されかけたんだから」
翠星「大丈夫 仗助がいないとこでしか言わないですぅ」
130 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 23:33:59.65 ID:u/owxIylO
億泰「ふぁ~あ それじゃ 俺はもう寝るわ お前らもちゃんと鞄で寝とけよ」
蒼星「ああ 億泰 おやすみ」
翠星「おやすみです」
蒼星「……」
翠星「……」
蒼星「……」
翠星「もう寝たですか?蒼星石?」
蒼星「いや まだ三十秒ぐらいしか経ってないんだけど…」
136 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 23:39:59.56 ID:u/owxIylO
翠星「あのですね 蒼星石が仗助に話した 人間は弱いって話…」
蒼星「ああ そうか あれも聞こえてたんだね」
翠星「あれって蒼星石の…」
蒼星「翠星石…」
翠星「なんです?」
蒼星「おやすみ」
翠星「! …おやすみです蒼星石 きっと明日には真紅が来るですよ」
蒼星「そうだね じゃあ尚更 ちゃんと寝ておかないと」
139 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 23:46:31.21 ID:u/owxIylO
水銀「伊達に羽根を撃ってた訳じゃないわよ!くらいなさァい!
上下前後左右完全包囲!半径二十メートル!黒い羽根の津波をッ!!」
真紅「目くらましの羽根を空中に伏せたままにしておいた!?
水銀燈がここまでやれるようになっていたなんて!!」
水銀「ぶッ潰れなさい!!真紅!」
真紅「薔薇の尾(ローズテイル)!!」
水銀「今更そんなの無駄よ!!おとなしく!潰れろォ!!」
146 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/09(火) 23:54:06.00 ID:u/owxIylO
真紅「これしきの…こと!」
水銀「潰れてないッ!!確かに羽根で包んだのに それどころか包みを破って
こっちに突撃!?どこにそんなパワーが!スピードが!!」
真紅「あなたはいつも遠くから人を見下して!
追い詰めて勝とうとする!だからッ!だからあなたは!!」
水銀「拳…!強…!速…!避…無理!!受け止める!?無事で!?
出来る!?可!出来る!!私なら!出来る!私は!水銀燈!!」
真紅「だからあなたは打たれ弱いのよッ!!」
水銀「真紅ゥーーーッ!!」
158 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:01:39.64 ID:uqAYLE/LO
真紅「ぐ…くく…う… 手応え…あり なのだわ」
水銀「ゲフッ!!グッ!し…真紅ゥ!ウオェェッ!
ア…アンタッ…バアッ…思いっきり……グッ」
真紅「流石に四枚の翼で身を守られたけど その大防御ごしでも…この威力!」
水銀「私の…私の圧迫攻撃を利用したわね!!
上下前後左右のうち前方に突進…この時点であなたにとって
私の全包囲攻撃は ただの前方からの攻撃になった
そして薔薇の尾!前方からの攻撃を相殺!とはいかなくとも…」
真紅「まぁエアバッグ代わりにはなったわね」
水銀「そして真紅が前方に移動したことで
それまで真紅がいた位置に殺到した上下後方左右の羽根は
羽根同士でぶつかり炸裂 その瞬発力を…全て あなたは拳に!!」
真紅「反吐を吐きながらの長々の解説 ご苦労様なのだわ
もしかして結構 余裕残ってるのかしら なら まだやる?」
水銀「…!!メイメイ!レンピカ!」
164 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:05:24.18 ID:uqAYLE/LO
真紅「逃げた… か 勝ったのだわ!!私が!水銀燈に!あの水銀燈に!!
私が!!この私が!見たジュン!?雛苺!私…水銀燈に!!」
ホー「チカッ!チカッ」
ベリ「ポワッ!ポワッ」
真紅「ホーリエ… ベリーベル うん 大丈夫 心配しないで
ちょっと…興奮して ここにいない人の名前を…呼んでしまっただけ」
ホー「チカッ!カッ」
真紅「お願いする…わ 特に背中…衝撃波をもろに受けて
この傷 水銀燈に…見られていたら…きっと」
ベリ「ポワワッ」
真紅「そうね…できれば蒼星石のローザミスティカを…取り返したかった」
でも結局…最後まで 金糸雀の言うとおり…
…薔薇乙女たるもの…倒れる時…も…前の……」
166 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:10:54.33 ID:uqAYLE/LO
水銀「負けたッ!負けた!勝てなかった!あの真紅に!!
この私が!水銀燈が!!真正面から!一対一で!」
メイ「…!」
水銀「慰めないでッ!!翼が四枚ともイかれたのよ
反吐まで!あの真紅の前で吐かされてッ!!」
レン「…ッ」
水銀「いる…!力が!ローザミスティカが!
めぐの為だけじゃない!私の!薔薇乙女の誇りの為に!!」
169 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:13:21.82 ID:uqAYLE/LO
金糸「って それじゃ奈良漬やないかーい!」
承太「……起きたのか」
金糸「あれ?承太郎さん?カナは…確か…トラサルディーで…
蒼星石とワイン飲みながら髭男爵ごっこしてて
いたた…頭が… うーん それ以降の記憶が無いのかしら」
承太「もう昼だ ここは杜王グランドホテルの俺の部屋」
金糸「え!もうお昼!?じゃあ もしかして真紅が…」
承太「いや 真紅という子が到着した様子は無い」
金糸「そう そろそろ到着してもいい頃なのに」
金糸(もしかして水銀燈に…ううん きっと真紅なら…
ていうか酔いつぶれて寝ちゃったからカナが先行した意味ないのかしら)
175 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:18:46.79 ID:uqAYLE/LO
承太「……」
金糸「さっきからパソコンで何を調べてるのかしら承太郎さん」
承太「昨日の三人に続き 今日も杜王町で一人
自宅で殺されているのが発見された 死因はナイフで心臓を一突き
ナイフは被害者宅のもの 死体と凶器以外の証拠は一切無し…吉良だ」
金糸「……」
承太「警察は既に昨日の三人の身元 犯罪(容疑)については公表した
今日の一人はまだ調査中だが この被害者もおそらくは…
県警は警視庁と合同捜査本部を設置した」
176 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:24:26.00 ID:uqAYLE/LO
猫草「フギャッ ニャニャ!」
翠星「ほ~れほ~れ 餌が欲しけりゃワンと言ってみろですぅ」
猫草「ニャンッ!」
蒼星「……」
翠星「…つまらないですか?蒼星石 やっぱりトーテム人間を
学校に行かせず 翠星石達の相手をさせといた方が…」
蒼星「いや ちょっと考え事を… それに億泰は僕達のために
学校を休むと言ってくれたけど 学生は学生らしくしないと」
翠星「そんなもんですかね」
蒼星(よし 肉の芽と白茨は完全に平衡状態になった
上手くやれば以前の僕と同じか それ以上の力を…
億泰がいなくても 不意の事態に対応できる)
177 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:27:49.14 ID:uqAYLE/LO
億泰「ふぁああ!やっと帰れるぜ
こんな時にオチオチ授業なんか聞いてられるかよ」
仗助「おめぇは普段も聞いてねーだろ」
康一「でも やっぱり心配だよ 今 家にはオヤジさんと双子だけなんだろ?」
億泰「蒼星石は何かあれば すぐ承太郎さんと金糸雀を呼ぶから平気と言ったが
康一の言うとおりだ 早く帰ってやらなきゃあな」
179 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:30:15.83 ID:uqAYLE/LO
仗助「クラスの皆も 連続殺人の話題で持ちきりだったが
まだ承太郎さんの心配していた事態にはなってねぇ
事件に 犯人に対する恐怖の方が勝っている…今のところはな」
康一「でも これがいつまで続くか 今日も一件 報道された」
山岸「ニュースはもはや全国区 ワイドショーの華」
仗助「マスコミもこぞって取材にやって来る…か」
康一「人が増えれば吉良は動きづらくなるかな」
仗助「どうだろうな…」
『お~い!仗助さん!!億泰さーん!!』
康一「ん?校門のところで誰か呼んでるよ」
億泰「あれ?あいつは… 何でこんなところに?」
185 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:34:21.03 ID:uqAYLE/LO
仗助「お前…『鉄塔の男』鋼田一豊大!?
どうしてここに!?っつーか鉄塔の外に!?」
豊大「追い出されました」
億泰「追い出されただとォ!?誰にだ!!」
豊大「黒い翼の人形です 康一さんから教えてもらった
ローゼンメイデンの水銀燈だと思います」
億泰「水銀燈!!蒼星石のローザミスティカを奪った もう一人の敵!!」
193 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:38:33.13 ID:uqAYLE/LO
仗助「鉄塔へ行くぞ!あんたは道すがら詳しいことを説明してくれ」
豊大「はい」
仗助「康一は…!」
康一「今 承太郎さんの携帯にコールしてる!」
仗助「さすが康一!その次は億泰ん家の双子にも頼む!」
豊大「それじゃあ話させていただきます 二時間位前でしょうか
鉄塔の上に止まろうとしたんでしょうね
私の野鳥取りの罠に掛かったんですよ」
仗助「野鳥取りの罠に…その…水銀燈が?
なんか聞いてたより どんくさそうな奴だな」
199 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:43:42.34 ID:uqAYLE/LO
豊大「いえ 怪我をしていました それもかなり酷い…
最初はカラスが捕れたと思いました あれで美味しいんですよカラス」
山岸「例え料理の鉄人に美味しいと言われたって 私はカラスなんて食べないわよ」
豊大「それでそのカラスを罠から外そうと近づいたら
実は黒い人形でして いきなり攻撃されたんです
罠も自力で外した上 私も外に追いやられました」
億泰「『スーパーフライ』の…鉄塔の能力は話したのか」
豊大「すいません 話してしまいました 私にとっては大切な家ですから
説明すれば大人しく出て行ってくれるかと思ったのですが」
仗助「そうか でも逆に考えれば水銀燈を捕まえたも同然…
鋼田一豊大 アンタもしかしたら大手柄ッスよ」
豊大「そうなのですか?私はただ 早く鉄塔の中に戻りたいだけです」
202 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:47:01.98 ID:uqAYLE/LO
水銀「……」
億泰「確かに…鉄塔の中に黒い人形がいやがる
蒼星石達が言っていた特長とも一致する 間違いない水銀燈だ」
仗助「でも地面に突っ立ったまんま目を閉じてるぞ?寝てるのか?」
豊大「傷を癒しているのです 鉄塔の外にいる限り どれだけ近づいても
何も反応は見せませんが 鉄塔に入ろうとすると攻撃してきます」
水銀「……」
康一「自分の縄張りに入る者は許さないけど
そうじゃない者は眼中に無いってワケなのかな
僕達がやって来ても ピクリとも動かなかった」
山岸「気に食わない 何様のつもりよ
要するに鉄塔に入らずにあいつを捕まえればいいわけね」
205 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:51:15.10 ID:uqAYLE/LO
山岸「ラブデラックス!」
億泰「そうか由花子の髪なら鉄塔の外から一方的に攻撃できる」
水銀「ッ!?」
仗助「奴が目を開いたぞ!」
康一「捕まえるだけだよ由花子さん!外に引きずり出しちゃ駄目だからね」
山岸「分かってる!でも腕の一本や二本は覚悟してもらうわ!!」
水銀「…ッ!!」
豊大「上へ飛んで逃げましたよ由花子さん!」
山岸「わざと逃がしたのよ!鉄塔内は上のほうが狭い!これで!!」
水銀「!!」
康一「羽根を撃ってきた!!」
山岸「私の髪の毛にそんなの効くかよ!!しゃらくせぇっ!!」
仗助「うおッ!キレるの早すぎるだろ由花子」
212 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:56:02.45 ID:uqAYLE/LO
山岸「さあ これでトドメ!!」
仗助「由花子!ちょっと待て!この音!」
『カン』『カン』『カン』『カン』
康一「音?」
億泰「この音は…まさか…」
『カン』『カン』『カン』『カン』
豊大「鉄塔の反射音です!!皆さん逃げて! さっきの羽根の狙いは髪の毛じゃあない!
鉄塔の外の私達を狙った『跳弾』ですッ!!」
康一「由花子さん!髪の毛を防御に回して!!」
山岸「いや その前にあの人形をぶちのめす!!」
億泰「来た来た!羽根が!上から!前から!飛んできたぞォ!!」
仗助「叩き落とせ!クレイジーダイヤモンド!!」
214 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 00:59:27.29 ID:uqAYLE/LO
仗助「おい 大丈夫か!?」
豊大「あ ありがとうございます!」
仗助「億泰ッ!?」
億泰「無事だ!!」
山岸「康一君ッ!?」
仗助「康一!?」
康一「う…」
山岸「康一君がッ!!あああ あたしのせいでッ!康一君が!!
あた…あたしが自分の防御をしなかったから!!
康一君だけならACT3で充分防げたのに…あたしを助けるために!!」
仗助「どけ!!由花子!その程度の傷!すぐ直す!!」
水銀「…!?(直す?)」
222 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:03:27.25 ID:uqAYLE/LO
仗助「クレイジーダイヤモンド!!」
康一「…はっ」
山岸「康一君!よ 良かった!!康一君ッ!!」
康一「由花子さんこそ 怪我は無かったんだね…良かった」」
水銀「……」
億泰「それにしても…あのヤロ~ なめやがって
今度は鉄塔中段のソファの上で…休み始めたぜ」
豊大「私が鉄塔の中で何年も生活して見極めた反射エネルギーの角度を
あの人形は…私が仗助さん達を呼びに行っている僅か一時間程度で…」
水銀「……」
227 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:09:06.26 ID:uqAYLE/LO
仗助「どんくさいどころじゃねぇ あいつ とんでもなく切れるぞ」
億泰「どうする?こうなったら俺達全員で同時に…」
『待って!!』
仗助「!?」
230 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:14:05.22 ID:uqAYLE/LO
蒼星「ま 間に合った!!」
翠星「水銀燈がいると聞いて飛んで来たですよ」
承太「……」
金糸「あ 見て三人とも あそこ ソファの上なのかしら!
というよりも何で この鉄塔 家具一式揃ってるのかしら?」
仗助「承太郎さん 金糸雀 翠星石 蒼星石」
水銀「…蒼星石?」
康一「水銀燈が自分から降りて来る?」
山岸「チャンス!今度こそ!」
蒼星「待って!僕達…ドールズだけで話させて欲しい 皆は…」
水銀「人間どもを下がらせる必要はないわぁ こんな有象無象
何百人 並べたところで私の敵じゃない…」
翠星「相変わらずのビッグマウスですぅ!!」
水銀「あら 本当のことよ ねぇ?コーイチ君?」
康一「……」
山岸「ちッ!!」
232 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:17:55.01 ID:uqAYLE/LO
蒼星「強がってる割には 随分と傷ついているみたいだけど?」
水銀「人間にやられたわけじゃないわぁ」
金糸「そうか!水銀燈!あなた真紅と戦ったんでしょ!真紅はどこなのかしら!」
水銀「…ここよ」
翠星「どこです?」
水銀「だから ここ わ・た・し・の中」
仗助「何ィーッ!?」
水銀「そう バラバラにしてやってローザミスティカを頂いたわ」
237 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:20:38.84 ID:uqAYLE/LO
翠星「真紅が…やられた?」
蒼星「ブラフだよ 水銀燈は嘘をついている」
水銀「……」
金糸「真紅のローザミスティカを奪ったのなら
それほどの傷が残ったままにはならない ある程度回復するはず
ほんとの所は 良くて引き分け もしかして負けた…」
水銀「ッ!!」
金糸「…のかしら?」
241 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:24:44.98 ID:uqAYLE/LO
水銀「私の嘘は この傷の方だとしたら?」
蒼星「……」
翠星「どういうことです!?」
水銀「だからぁ 弱ったフリをして…あなた達を騙そう…としてるのかも」
億泰「本当は…元気だとォ~!?」
承太「……」
金糸「いや それはないのかしら」
水銀「金糸雀!?」
蒼星「そう 君の性格からして ドールズ間ならまだしも
これだけ大勢の見知らぬ人間の前で 演技でも醜態を晒すはずがない」
250 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:29:41.74 ID:uqAYLE/LO
水銀「…ご名答 じゃあ どうする? 全員で掛かってくる!?
私はいいわよぉ!でも覚悟することね!
この鉄塔の中で!あんた達の半分は道連れにしてやるから!!」
翠星「蒼星石のローザミスティカを返してくれれば見逃すです!駄目ですか?」
水銀「交換条件になってないわぁ 今ローザミスティカを返せば
それこそ あんた達の思うツボ!そのまま私を襲うに決まってる!」
蒼星「お父様に誓う…と言っても?」
水銀「無駄無駄ァ… 口だけでは何とでも言えるわ」
翠星「……」
257 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:32:25.42 ID:uqAYLE/LO
金糸(あれだけお父様に執着していた水銀燈なら
この言葉の重みは理解できるはず なのに…
彼女の中でお父様に対する感情に変化が起きたのかしら?)
億泰(承太郎さん!なんでスタープラチナやらないんスか
承太郎さんなら あんな奴 簡単に…!)
承太(億泰 お前はそれで蒼星石が喜ぶと思うか?)
億泰(……)
水銀「さぁ どうしたの来るの!?来ないの!?それともこんな手負いの獣 一匹…」
265 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:37:25.25 ID:uqAYLE/LO
水銀「グフッ!?」
蒼星「ごめん でも 峰打ちだから」
億泰「蒼星が鉄塔の中に!?いつの間に!!」
翠星「え?え!いやだって今まで翠星石の隣に!!」
仗助「み…見えましたか?承太郎さん!?」
承太「…ああ(スタープラチナの動体視力でなんとか…な)」
水銀(どこに…こんな…力を)
蒼星(あんまり喋らない方がいいよ ローザミスティカまで衝撃は通してある
あと五秒で君の意識は無くなる)
水銀(なるほど 体の中に随分と面白いものを… そんな無茶をして
いつまで まともでいられるという贅沢が楽しめるかしらね……)
『ドサッ…』
272 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:41:48.47 ID:uqAYLE/LO
康一「蒼星石が…」
山岸「水銀燈を倒した…一撃で」
金糸「凄いのかしら!格好いいのかしら!蒼星石!!
あぁもう!蒼星石になら抱かれてもいいのかしら!!」
翠星「さっさと自分のローザミスティカを取り返すですよ蒼星石!」
蒼星「…仗助君 ちょっと鉄塔の中に入って来てくれる」
仗助「へ?」
蒼星「水銀燈を直してあげて」
億泰「蒼星石!?お前何言ってんだよ そいつは…」
翠星「そうです!水銀燈は蒼星石のローザミスティカを横取りした…」
274 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:48:32.09 ID:uqAYLE/LO
蒼星「こんな小突いた程度で倒れる相手から奪うのは僕のやり方じゃない
やるならお互い全力で正々堂々 それが僕のアリスゲームのやり方だ」
金糸「だったら尚更! 自分のローザミスティカだけは
取り戻しておくべきじゃないのかしら! 蒼星石!」
蒼星「このままでいい ほら仗助君 早くしないと水銀燈が死んじゃうかも」
仗助「本当に…いいんだな」
蒼星「うん でも直したら すぐに仗助君は鉄塔の外に出て 僕も鉄塔からもう出るから」
豊大「え… それってつまり?」
蒼星「彼女はここに閉じ込めておく ローザミスティカはいずれ取り返す」
279 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:54:31.24 ID:uqAYLE/LO
金糸「いずれっていつなのかしら!動けない相手に手を掛けるのが嫌なら
私が水銀燈からローザミスティカを取ってあげる!それを蒼星石に…」
蒼星「ありがとう金糸雀 でも僕の目の前で それは許さない
もし どうしてもそうしたいというのなら…
次の瞬間 君が見るのは 首が離れた自分の胴体だ」
金糸「…!」
翠星「蒼星石……」
281 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 01:59:55.06 ID:uqAYLE/LO
蒼星「それに水銀燈は真紅のことで嘘をついていたことを認めた
つまり真紅のことについて何か本当の情報を持っている可能性がある」
金糸「…確かに 真紅がまだ到着していないのは心配なのかしら」
山岸「喋るのかしら?プライドが服着て歩いているようなものじゃない この子」
康一(由花子さんもね)
蒼星(そのプライドの高さを利用する… 水銀燈とて恩義は知っている
自分が生かされたことを思えば 真紅の情報ぐらい その内喋るだろう)
億泰「蒼星石?」
蒼星「え!何?」
億泰「いや 何か思いつめたような顔してから」
蒼星「ああ 大丈夫 水銀燈を目の前にして…ずっと緊張してたから」
蒼星(水銀燈に恩を押し売ってプライドを利用?今 僕はそう考えたのか?
僕はそんなことを考えるような奴だったのか?)
283 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 02:03:31.87 ID:uqAYLE/LO
仗助「こりゃ目が醒めるまでには しばらく時間が掛かりそうだぜ」
蒼星「…じゃあ水銀燈が目覚めないうちに今日は帰りましょう 皆さん」
承太「後悔はしないな?」
蒼星「勿論です いくら相手が悪党でも…僕は僕が正しいと信じる方法で戦います
相手が悪だから 自らも悪に手を染める それじゃあ今の吉良と同じでしょう
違いますか?承太郎さん?」
承太「……」
豊大「あの…私は…どうすれば?」
億泰「とりあえず俺ん家でよければ…」
豊大「億泰さんの家…て あの蒼い子もいるんでしょ 正直なんだか怖いです」
億泰「いや普段はあんな奴じゃあないんだが…」
285 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 02:10:05.95 ID:uqAYLE/LO
肉芽(気持ちよかったろう?かつての強敵を一撃で倒した快感は)
白茨(気持ちよかったでしょう?憎い敵に情けをかけた優越感は)
蒼星(違う!僕は僕のやり方でアリスゲームをやるために!!)
肉芽(いつからそんな騎士道精神を振りかざすようになった)
白茨(おためごかしは やめなさい)
蒼星(違う!僕は薔薇乙女としての誇りを!お父様の為に!)
肉芽(その誇りを与えたのがローゼンなら)
白茨(その誇りを奪ったのもローゼンだと)
蒼星(違う!違う!)
287 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 02:14:49.27 ID:uqAYLE/LO
肉芽(正直に言ってしまえよ ローザミスティカを自分に戻すのが怖かったと)
白茨(私達のツインドライヴには成功したけれど トリプルの難易度はその比ではない)
蒼星(そんなこと…)
肉芽(正直に言ってしまえよ ローザミスティカなど もう自分には要らないと)
白茨(だってあなたは前よりずっとずっと強いもの 私達がもっと力を貸してあげる)
蒼星(僕にはローザミスティカが必要ない?)
肉芽(そうだローゼンメイデンには限界がある)
白茨(ローゼンメイデンなんて辞めてしまいましょう)
蒼星(辞める?僕が?ローゼンメイデンを?)
肉芽(怖がることはない蒼星石 私と友達になろう)
白茨(怯える必要もない蒼星石 私と恋人になりましょう)
蒼星(黙れ!僕を!僕を惑わすな!)
289 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 02:17:52.09 ID:uqAYLE/LO
『だがそいつは強かった それまでに現れたどんな敵よりも強く
また 正面から堂々と挑んできた敵でもあった』
『なるほど 体の中に随分と面白いものを そんな無茶をして
いつまで まともでいられるという贅沢が楽しめるかしらね』
蒼星「僕は…僕は…」
翠星「蒼星石?家に帰ってから ずっと何ぶつぶつと言ってるのですか
今晩は あの鉄塔の新入りが夕飯を作るそうですよ
トーテム人間よりマシな腕なら有り難いのですが」
蒼星「いや…僕は 自分は一体何者だろうか…て」
翠星「哲学ですか?」
蒼星「そんな大層なものじゃ…」
291 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 02:19:41.95 ID:uqAYLE/LO
翠星「なら答えは簡単です!!」
蒼星「?」
翠星「蒼星石は この美しくて賢い翠星石に負けないくらい可愛い可愛い妹です」
蒼星「君の妹か…それはいい」
翠星「あ~ 馬鹿にしてるですねぇ!」
蒼星「いや感心してるんだよ 姉さんはいつも明快な答えを出してくれる」
翠星「ほへぇ~」
293 名前:愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票[] 投稿日:2008/12/10(水) 02:25:22.06 ID:uqAYLE/LO
吉良吉影と雪華綺晶 戦闘潮流 完
次回はおそらく今週 金曜か土曜
タイトルは
吉良吉影と雪華綺晶 戦闘潮流2
吉良吉影と雪華綺晶 DEATH HOME
吉良吉影と雪華綺晶 俺達がスタンドだ
吉良吉影と雪華綺晶 リバースクルセイダー
のどれか もしくは思いつきでサブタイ変えるかも
今回 吉良雪華出てないってのは禁句な
294 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票 :2008/12/10(水) 02:26:36.59 ID:PiuNv9AT0
乙ッ!
295 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/10(水) 02:26:55.69 ID:Br5Q7blPO
乙です
さて風呂入って皿洗いするか…
296 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/10(水) 02:27:26.48 ID:d9nQH9HA0
乙乙~
297 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/10(水) 02:27:57.06 ID:W95gyR9x0
俺は人形をやめるぞッー!
ジョ・・・翠星石ッー!
298 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票 :2008/12/10(水) 02:28:38.38 ID:Dq0ngQ5mO
乙だぜ
299 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票 :2008/12/10(水) 02:29:27.62 ID:bYEbi15X0
あえて言わせて貰おう!乙ッ!と!!
吉良吉影と雪華綺晶 戦闘潮流 The Tide is Turning
http://newsvipblog.blog57.fc2.com/blog-entry-1106.html
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