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ジャンヌ速報 出木杉「みんな、友達だよね?」1

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出木杉「みんな、友達だよね?」1 




1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] :2008/12/21(日) 15:49:51.99 ID:V4UZxIJB0
真っ青な空。心地良く吹く風が木々を揺らし、ざわざわと音を鳴らす。

時折聞こえてくる子供達の声。夏の日差しがジリジリとアスファルトを焦がす。

のび太「…」
ジャイアン「…」
スネ夫「…」
しずか「…」

出木杉「さぁ、遊ぼう。みんなで」




出木杉「みんな、友達だよね?」2
http://newsvipblog.blog57.fc2.com/blog-entry-1193.html
出木杉「みんな、友達だよね?」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 15:58:17.82 ID:tzwbRpoCO
二週間前


のび太「うわぁ~、また遅刻しちゃうよぉ!」
ドラえもん「まったくもう…」
のび太「なんで起こしてくれないんだよ!」
のび太は慌ただしく寝巻からいつもの黄色のシャツ、紺色の半ズボンに着替えた。

のびママ「朝ごはんは!?」
のび太「いらないよ!」




8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 16:01:55.61 ID:tzwbRpoCO
のび太は毎回遅刻しては後悔をするという一連のサイクルにうんざりしながらも、そこから抜け出せない自分の愚かさを憂いた。


…わけもなく、学校へ駆け足で向かった。


のび太の目の前に見覚えのある姿が二つあった。




10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 16:07:19.69 ID:tzwbRpoCO
ジャイアン「お、のび太!」
スネ夫「はあはあはあ」
ジャイアン「お前も寝坊か」
のび太「うん」

ジャイアンにスネ夫。
二人ものび太と同じく、寝坊し、学校に遅刻しそうで、息を切らし走っていた。

スネ夫「ジャイアン、のび太と無駄話している暇あったら急ごうよ」
ジャイアン「そうだな」

スネ夫の刺のある一言に、ジャイアンはスネ夫と共に去っていった。




11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 16:14:43.88 ID:tzwbRpoCO
~学校~


キーンコーンカーンコーン


ざわ…ざわ…


先生「えー…剛田!!…いないのか?骨川!」

ガラッ

ジャイアン「はいはーい!!」
スネ夫「いますよー!!」

先生「遅刻だぞ」

ガラッ

のび太「ひい~」
先生「野比!!君も遅刻だぞ!!」

のび太「すいませーん……なんだ結局ジャイアン達も遅刻したのか」
ジャイアン「るせーぞ」




16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 16:20:16.77 ID:tzwbRpoCO
しずか「もう…みんなったら…」
しずかは先生に怒られているのび太達を母親のような眼差しで見つめながら呟いた。


「うらやましいよ」


しずかの耳に、不意に声が聞こえてきた。
透き通った、それでいて甘く、心の海に波紋を呼ぶ声。


しずか「出木杉さん」

出木杉「空が蒼いな…」




17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 16:26:17.33 ID:tzwbRpoCO
しずか「うらやましい、って…何が?」
しずかは怪訝そうに出木杉に尋ねた。

出木杉は1時間目の授業道具をカバンから取り出し、机の上に綺麗に置いた。

出木杉「僕は遅刻なんて…したことないからね」

しずか「いいじゃない。遅刻なんてしないほうがいいわよ」

出木杉「…そうだね」

出木杉は窓の方に向き直り、蒼い空に流れる雲の数を数えた。




18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 16:34:33.48 ID:tzwbRpoCO
のび太「(…また出木杉のやつしずかちゃんと二人で喋ってる)」


のび太「しずかちゃ~~ん。おはよう!」
しずか「のび太さん。おはよう。遅刻しちゃダメよ?」
のび太「は~~~い(デレデレ)」

出木杉「……」

のび太は横目でチラリと出木杉を見た。のび太は気づかれないように視線を出木杉に向けたが、出木杉はそれにしっかりと気づいていた。

出木杉「…おはよう。野比君」
のび太「……ああ」

のび太は無愛想にそう言うと、しずかに「また後でね」と言って自分の席に座った。




20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 16:48:48.79 ID:tzwbRpoCO
ざわ…ざわ…

先生「それでは授業を始めるぞ」

先生「最初に、この間やったテストを返そうと思います!」

ざわ…!ざわ…!

のび太「そ、そんなぁ!」
ジャイアン「マジかよォ~!」

出木杉「……」

先生「静かにッ!!それでは返していくぞー」




24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 16:55:00.77 ID:tzwbRpoCO
テストの結果に一喜一憂している生徒をよそに、先生は自分の職務を淡々とこなしていく。

先生「次は…剛田!」
ジャイアン「は~い」
ジャイアンはのろのろと教壇に向かう。

先生「ちゃんと勉強したのかね?」

先生がテストを渡すと同時に言った言葉にジャイアンは自分のテストの結果が予想できた。

スネ夫「ジャイアンジャイアン!何点だった!?」
ジャイアン「…36点」
スネ夫「…ブフッ!」
のび太「ぎゃはははははは!!」
スネ夫「お…おい、のび太、笑うなよ!ジャイアンに悪いだろ!…ブュッフェ!」
ジャイアン「てめーら!!!」




26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 17:00:36.57 ID:tzwbRpoCO
先生「え~、次は…骨川!」
ジャイアン「ほら!お前の番だぞ!」
スネ夫「わ、わかってるよ…」

スネ夫も期待と不安を胸に、教壇に向かう。

先生「次は頑張りなさい」
スネ夫「…はい」


ジャイアン「スネ夫!何点だった!?」
スネ夫「…40点」
ジャイアン「ブァッファ!」
のび太「ぎゃはははははは!」
ジャイアン「俺とたいして変わらねーじゃねぇか!」
スネ夫「う、うるさいな!のび太、笑いすぎだろ!」




27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 17:07:44.74 ID:tzwbRpoCO
先生「…野比!」

ジャイアン「ほら、いよいよ大御所の番だぜ!」

興奮覚めやらぬまま、のび太はテスト取りに行った。

先生「その笑顔もすぐに消えるぞ」
のび太「は……?」

のび太は受け取ったテストを見て、今日家に帰ったらどうしよう。テストをどこに隠そうか。その事を足りない頭で考えた。

ジャイアン「おい…相当悪そうだな。何点だ?」
のび太「……3点」
スネ夫「ぎゃはははははは!!!」
ジャイアン「ぎゃはははははは!!」




29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 17:22:02.76 ID:tzwbRpoCO
ジャイアン「ひっひっひ…ほんと、俺たちって馬鹿だよなぁ~~」
スネ夫「ホントホント!でもいいじゃない馬鹿で…」
のび太「テストの点が低くたって気にすることないよ!」
ジャイアン「お前が言うなっつーの!…俺たちはテストなんて気にしない!三馬鹿だもんな!!」
スネ夫「そうだそうだ!」
のび太「いぇーい!」

お互いの傷を舐めあい、強がるのび太達。


先生「次は…出木杉!」

出木杉「はい」

先生「みんなも出木杉君を見習うように!…よく頑張ったな!」
出木杉「ありがとうございます」




32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 17:26:47.22 ID:tzwbRpoCO
ざわ…ざわ…


のび太「……」


しずか「出木杉さん!何点だったの?……えぇ、95点!?さすがね出木杉さん!」
出木杉「そんなことないよ」
出木杉は本心からそう思っていたのだろう。素早くテスト用紙をカバンの中にしまった。

そして、しずかとたわいない話をしていると、ざわついた教室の中で出木杉は確かに聞いた。




33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 17:31:34.20 ID:tzwbRpoCO


ジャイアン「……出木杉のやつ、ちょっとばかし勉強が出来るからってエラソーに……」
のび太「そうそう……そんなに女の子の気をひきたいのかね……」
スネ夫「…きっと、一緒に遊ぶ友達がいないから…勉強するしかないんだよ……」
ジャイアン「……それは言えてる…可哀相なやつ……」


出木杉「……」

気にすることはない。いつもの負け犬の遠吠えだ。
出木杉は聞こえないフリをし、しずかとの会話に集中した。




35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 17:37:22.52 ID:tzwbRpoCO
昼休み


出木杉「……」

出木杉は給食を食べた後も、遊びにも行かず、黙々と授業の復習に取り掛かっていた。

父さんがいつも言っていた。

努力は必ず報われる。

出木杉の父は仕事の都合上、家にいることはほとんどなかった。だから、父からのこの教えが、出木杉にとっては父同然なのだ。
出木杉の夢は生半可な努力じゃ叶わない。それをよく知っていた出木杉は、この教えを必死に守ってきた。




37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 17:43:47.54 ID:tzwbRpoCO
出木杉「……」

ガラッ

安雄「出木杉くーん。一緒に外でドッヂボールしないかい?」

出木杉「ゴメン…。さっきの授業の復習しているから…」

出木杉も皆と思いっきり遊びたい気持ちはあった。
ただ、父の教えが出木杉にとって、ある意味『呪縛』となって染み込んでいた。


安雄「そっかー」

出木杉「また誘ってね」

ガラッ


安雄「アイツ、ホントノリ悪ぃなぁ」


出木杉「……」




44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 18:11:22.18 ID:tzwbRpoCO


出木杉「……」

しずか「ねえ、出木杉さん」

出木杉「…あ…しずか君…」

顔を覗き込むしずか。何か様子のおかしい出木杉を心配していたのだ。

しずか「みんなと遊ばないの?」
出木杉「…勉強があるからね」
出木杉は視線をしずかから教科書に移した。

しずか「出木杉さん、最近何かあったの?」

出木杉はピクッ、と体の中を電気が走ったのが分かった。

出木杉「何かって?」
しずか「うーん…それは分からないけど、このごろ勉強頑張ってるから。……でも無理してる気が少しして」

この子には隠し事は難しいだろう。直感的に何かあることがわかるしずか君は他の人とは違う。

出木杉「参ったなぁ…。しずか君にそんな心配をかけていたなんて。でも何でもないよ。気にしないで」
しずか「でも…」





45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 18:16:28.83 ID:tzwbRpoCO
出木杉「大丈夫。何でもないから」
しずか「本当に?それならいいんだけど……」

「しずかー!一緒に縄跳びしましょ!」


出木杉「ほら。行きなよ」
しずか「うん…じゃあ勉強頑張ってね!」
出木杉「ありがとう」

出木杉はしずかが教室からいなくなるのを見ると、机の上に溜まった消しゴムのカスをパッパと手の平に乗せ、ごみ箱に捨てた。




46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 18:23:11.05 ID:tzwbRpoCO
放課後


ざわ…ざわ…


ジャイアン「よっしゃあ!!終わったー!!」
ジャイアンは終業のベルが鳴り終わると、両手を突き上げ、大きな伸びをした。

のび太「……」

ジャイアン「おいおいのび太君。どこへ行くのかね?」
のび太「えっ!?どこへって…家に…」
ジャイアン「何を言っている。まだ空は明るいぞ?こんなに早く家に帰らないで、一緒に楽しい楽しい野球の特訓をしようじゃないか!」
スネ夫「そうだぞ。お前は人一倍練習しなきゃいけないんだ」
のび太「そ、そんなぁ~」

ジャイアン「…あれ?安雄どうした?」
安雄「あ、ゴメン。今日は親戚が家に来るから早く帰らなきゃ行けないんだ。だから今日は練習に行けないんだ」
ジャイアン「チッ… 。どうすっかな、一人足りないぜ」




49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 18:31:37.07 ID:tzwbRpoCO
出木杉「……」


ジャイアン「……」
スネ夫「おいおい、ジャイアン、まさか…」
ジャイアン「しょうがねぇだろ。一人足りないんだしよ」
のび太「いいじゃない、一人ぐらい足りなくったって」
スネ夫「それに誘ったってどうせ来ないよ」
ジャイアン「物は試しってやつよ。おーい!出木杉!」

授業道具をカバンにしまい込んでる手を止めて出木杉は聞き返した。

出木杉「何?」

一応こう言っておかなければ。出木杉には先程のジャイアン達の会話は全部聞こえていた。
ジャイアンの声がでかいのもあるが、出木杉は雑踏の中でも人の声を聞き分けることが得意だった。




51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 18:39:11.30 ID:tzwbRpoCO
ジャイアン「一緒に野球しねぇか?」

予想していた質問だった。
出木杉はジャイアンに話しかけられる間、この質問の答を考え、導きだしていたが、出木杉の中に迷いが生じた。

出木杉「……」

ジャイアン「……」

黙り込む出木杉をジャイアンが見つめる。
それを離れた場所でスネ夫とのび太が見ている。


出木杉「…いや、今日はやめとくよ。誘ってくれてありがとう」

出木杉は最初の答をジャイアンに告げた。

ジャイアン「そうか」

のび太とスネ夫が「ほれみろ」といった顔でニヤニヤしているのが見えた。




52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 18:43:00.64 ID:tzwbRpoCO
校門


出木杉「……」


ジャイアン「よーし!じゃあ早く道具持って空き地に集合な!」
スネ夫「のび太ー!遅れんなよ!」
のび太「わかってるよ!『勉強』なんてしないよ~~~」
ジャイアン「あったりめぇだ!『勉強』なんかするやつの気がしれねぇぜ!」

出木杉「……」





54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 18:46:08.32 ID:tzwbRpoCO
出木杉「……」

しずか「出木杉さん」

出木杉「しずか君…」

出木杉の前に現れたしずかは純粋無垢な笑顔でスカートをひらひらさせていた。

しずか「偶然ね!一緒に帰りましょ?」
出木杉「ああ」


僕が唯一心安らげる時間。





55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 18:52:45.77 ID:tzwbRpoCO
それから少しの時間、出木杉にとっては長い幸せな時間が流れた。


しずか「ねえ出木杉さん。昼休み言ったことだけど…」
出木杉「うん」
しずか「ホントに大丈夫なんだよね?」
出木杉「大丈夫だよ」

僕にこんな事を言ってくれるのはしずか君だけだ。

しずか「そっか!…でも出木杉さんって凄いわよね!勉強も出来て運動も出来て」
出木杉「そんなこと…ないよ」
しずか「謙遜するのはおよしなさいよ!…きっとパパやママの教育が素晴らしいのねー」





58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 19:13:17.89 ID:tzwbRpoCO
しずかと別れた出木杉は、少し沈み始めた太陽を眺めながら、しずかとの会話を反芻していた。

近くの家から魚の焼けたいい匂いが漂ってくる。

出木杉「随分早いなぁ…」
きっと下ごしらえとかがあるのだろう。料理は僕もそこまで詳しくないから。

そうしている内、出木杉は自分の家の前に着いていた。




59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 19:20:48.21 ID:tzwbRpoCO
出木杉はカバンから今日のテストを取り出し、ドアを開けた。

ガチャ


出木杉「ただいま母さん!今日もね、テストで先生に褒められたよ!…………母さん?」

出木杉の報告に帰ってくるのは、母の優しい声ではなく、激しい怒りに満ちた声だった。


母「……あなた!!……あなたはいつもそう!!………今日だって遅くなるって…………本当に仕事なの!?…………何よ!?私が悪いって言うの!?…………ねぇもしもし!!もしもし!?……………」


出木杉「……」


母「あら英才…帰ってたの」

出木杉「う、うん。ただいま!それでね今日帰ってきたテストでね…」
母「ごめんなさい英才、母さん疲れてるから…」
出木杉「あ…うん…ごめんなさい…」




63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 19:27:00.31 ID:tzwbRpoCO
最近はいつもこうだ。
母さんは電話で父さんと毎日のようにケンカをしている。
そのせいか母さんは凄い疲れているようで、僕が帰ると奥の部屋に閉じこもってる。
ご飯も最近は僕がつくるようにしている。母さんは疲れてるし、父さんもいないから僕がしっかりしなくちゃいけない。
ご飯の時は母さんも部屋から出てきて僕がつくったやつを食べてくれるからきっと元気になるはずだ。
僕は料理が自分でも上手いとは思わない。それなのに母さんは『美味しい』と言って食べてくれる。
だから僕は頑張れる。




66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 19:34:12.94 ID:tzwbRpoCO
カチッ

母との夕食を終えた出木杉は自分の部屋に行き、電気を点けた。

出木杉「さてと…」


出木杉はカバンから勉強道具を机の上に並べた。

出木杉「今日のテストは95点だったから…母さんも喜んでくれなかったんだな」

出木杉「次は絶対100点を取らないと!」


少し前、母が今より元気だったころ。
出木杉がテストで良い点をとってくる度に、母は満面の笑顔で息子を迎え、自分のことのように喜んだ。

出木杉にはその記憶がしっかり残っており、元気のない母を喜ばせるにはテストで良い点をとって、母に見せてやろうと思った。
それゆえ、出木杉は前に比べ勉強に励んだ。友達の誘いも断って勉強に励んだ。
母の笑顔を見るために。




73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 20:26:00.04 ID:tzwbRpoCO
ざわ…ざわ…


出木杉「……」


しずか「……」


のび太「しーずかちゃん☆」
しずか「の、のび太さん」
のび太「どうしたの?ボーっとしちゃってさ」
のび太は自分の吐息がしずかの耳にかかるほどの距離まで近づいて言った。

しずか「出木杉さん……やっぱり最近おかしいなと思って」

のび太は出木杉の方に目をやる。

自分の席でいつもと変わらず教科書を見ている出木杉がいた。

のび太「ふん…。確かに世界で1番教科書を読んでいるだろう変わり者だな。」
しずか「そうでしょ?出木杉さんはいつも頑張ってたけど、最近は頑張りすぎだわ。何かあったのよきっと」
のび太「そんなことよりしずかちゃ~~ん。今日僕の家に来ないか~い?退屈はさせないから~~」


出木杉「……」




84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 21:06:09.82 ID:tzwbRpoCO
ジャイアン「出木杉のやつ…また勉強してやがる」
スネ夫「ジャイアン、どうしたの?」
ジャイアン「あれみろよ」
スネ夫「うわー…ここまでいくと病気だねぇ」
ジャイアン「ちげぇねえ。俺たちまだ小学生だぜ?子供は外で元気に遊ぶのが仕事よ!行くぞスネ夫!」



先生「出木杉君、ちょっといいかね?」
出木杉「!……はい」


しずか「…?」

先生に連れられ、教室を出ていった出木杉をしずかは眺めていた。

しずか「どうかしたのかしら…」
のび太「きっとカンニングがばれたんだよ!だからあいつ、あんなに良い点とってたんだ…」

ガタン!




87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 21:12:23.13 ID:tzwbRpoCO
のび太「し、しずかちゃん…?」

いきなり立ち上がったしずかに呆気にとられたのび太はポカンと口を開けた。

しずか「出木杉さんはそんなことするような人じゃないわ!!いっつも努力してるのよ!!それなのに、のび太さんは……最低ッ!!」

しずかは涙を流しながら教室を飛び出していった。

のび太「……」

教室中の視線がのび太に集まる。

のび太「は…はは…どうしたんだろうね~しずかちゃん……きっと生理だったのかなぁ…」

「最低!!」

のび太「あいたっ!」

教室の中の女子がのび太に向かって筆箱を投げ付け、のび太の頭に当たった。




93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 21:19:22.78 ID:tzwbRpoCO
のび太「くそ……なんで僕がこんな目に…」

のび太は頭をさすりながらぶつぶつ恨み言を呟いていた。

のび太「しずかちゃんだって…出木杉、出木杉、出木杉って…将来僕のお嫁さんになる人なのに…」

のび太「……」




95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 21:24:06.36 ID:tzwbRpoCO
ジャイアン「スネ夫、悪い!小便行ってくる!先グラウンド行っててくれ!」
スネ夫「早くしてね」

ジャイアンはチャックに手をかけながらトイレへ走った。

ジャイアン「トイレ、トイレ!…あれ?」

廊下の端っこにしずかが立っていた。
ジャイアンは不思議に思い、トイレをすぐに済ませ、手を洗うのも忘れしずかの元に歩みよった。




98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 21:31:01.46 ID:tzwbRpoCO
ジャイアン「しずかちゃん、どうしたの……って泣いてんのか?」

しずか「……たけしさん……ぐす…何でもない…何でもないのよ…」

しずかは必死に平静を取り戻そうとしていたが、ジャイアンにとってはそれが見てて痛々しかった。

ジャイアン「何かあったんだろ?言ってみろよ!相談にのってやる!」

しずか「ぐす…ひっく……ありがとう、たけしさん……」

しずか「…たけしさんは…陰で努力している人がいたら…応援してあげる…?」
ジャイアン「あったりまえだろ!!」
しずか「それが…みんなに分かってもらえなくても…?」
ジャイアン「おうよ!!全力で応援するぜ!!」

しずかはジャイアンの言葉を聞くと、「ありがとう」と言って去っていった。

ジャイアン…「変なしずかちゃん」




102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 21:37:47.54 ID:tzwbRpoCO
放課後


のび太「しずかちゃ~ん、さっきはごめんよぉ~~」
しずか「もう気にしないで、のび太さん」
のび太「ホントに!?やっぱりしずかちゃんは優しいなぁ~~」

しずか「出木杉さん、さっきは先生と何を話していたの?」
出木杉「ん…?ああ…たいしたことじゃないよ」


のび太「どうせカンニングがばれたんだぜ」
スネ夫「言えてる」
ジャイアン「あいつも悪よのぉ~」


しずか「そうなの?それならいいんだけど。あ、明日のテストは自信ある?」
出木杉「うん。まあ、ほどほどかな」
しずか「また謙遜して!」


のび太「…チッ」




104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 21:46:48.09 ID:tzwbRpoCO
校門

出木杉「……」

しずか「出木杉さん!今日も一緒に帰りましょ!」
出木杉「しずか君!もちろんだよ」

この時間があるから、僕は母さんのためにも頑張れる。
また明日も頑張れる。


出木杉「明日のテスト、しずか君は自信あるの?」
しずか「うーん…ちょっとね!でも出木杉さんには敵わないわよ」
出木杉「そんなこと…」



「し~~ずかちゃ~~ん!」



この声。いつも聞いている声。



のび太「一緒に帰ろう☆」




112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 22:00:44.03 ID:tzwbRpoCO
しずか「のび太さん……」

出木杉のピンク色の心は一気に灰色になった。

のび太は手を後ろで組み、ピョコピョコとバネのように左右に揺れながら僕としずか君を交互に見ていた。


しずか「ご、ごめんなさい、出木杉さんと…」
出木杉「いいよ、三人で帰ろう」
しずか「…出木杉さん」
出木杉「みんなで帰ったほうが楽しいよ」
のび太「さっすがぁ~~~出木杉君!出来る男は器もでかいねぇ!さ!帰ろうか!」

出木杉「……」

誰が一緒に帰りたいと思うか。
だけど、ここで断ると明日から気まずくなってしまう。そんなのは、たとえ野比君でも嫌だ。




113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 22:08:15.37 ID:tzwbRpoCO

それからの時間は、苦痛だった。

野比君はしずか君にしか話かけないし、しずか君が僕に話をふってくれても、それを野比君がことごとく潰してしまう。

のび太「それでさぁ~、ドラえもんのやつ、箪笥の角に小指ぶつけて痛がってんの!!…あ、ここ笑うとこね。ドラえもんに小指なんて無いっつーのw」

出木杉「あ…じゃあ僕はこっちだから」
しずか「出木杉さん!また明…」
のび太「じゃ~~ね~!!!ばいば~い!!またね~!!…それでドラえもんが『僕は22世紀のロボットだ!小指ぐらいある!』って言って怒ってさぁ~。ロボットのヒステリーほど見苦しいのもないよねぇ~」

最後にしずか君が僕に何か言ってくれたと思ったが、野比君の声に掻き消され、聞こえることはなかった。




116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 22:20:44.05 ID:tzwbRpoCO
ガチャ

出木杉は自分の家のドアを開けた。
悲しい顔なんてしてたら母さんにまた迷惑をかけてしまう。

出木杉「ただいまー!!」

出木杉は笑顔をつくり、明るい声で叫んだ。

出木杉「……あ…」

父「英才……お帰り…」


玄関に立っていたのは父だった。
出木杉の大好きな父さん。尊敬する父さん。
ここ一ヶ月は帰ってきておらず、毎日のように電話で母とケンカをしていたのでこのまま帰ってこないのではないかと内心思っていた出木杉にとっては嬉しくてたまらない事だった。




117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 22:23:50.80 ID:tzwbRpoCO
出木杉「父さん!!帰ってきたんだね!!次はいつ仕事なの?今回は長くいてくれるんでしょ!?」

出木杉は興奮を抑え切れず、父に質問攻めをした。

父「英才…そのことなんだけどな…」

出木杉は父の様子とリビングでうなだれている母を見逃さなかった。

出木杉「父さん…?」




119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 22:31:00.56 ID:tzwbRpoCO
出木杉の父はしゃがみ込み、息子の肩を掴み、目を見据え、話し出した。

父「英才……父さんな……母さんとケンカしちゃってなぁ……何度も仲直りしようと努力したんだけど……駄目だったぁ……だから、な、父さん、もう母さんとはお別れすることになったんだ…
…英才は頭が良いから……わかるよな…?」

出木杉「………」


出木杉「なんで……なんで…」


出木杉「…父さんはいつも僕に言ってくれたじゃないか!!…努力すれば必ず叶うって!!…父さんちゃんと努力したの!?母さんと仲直りできるように努力したの!?
僕に言ってくれたことは嘘だったの!?」
父「英才…」



父「ごめんな…」

出木杉「!」


出木杉の父はそれだけ言うと、いくつもの荷物を持って家をでていった。




124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 22:40:02.52 ID:tzwbRpoCO


出木杉「………」

出木杉はリビングに向かい、母が座っているソファーに腰をかけた。

母「う…うっ…」

出木杉「母さん…」

母「ううう……うっ…」

出木杉「…母さん」

母「うっ…うっ…」

出木杉「母…さん…」

母「ううっ…うっ…」

出木杉「母さん…母さ…ん……ひっく…」




125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 22:44:43.05 ID:tzwbRpoCO
ガチャ


出木杉は暗い自室に入り、勉強机のライトを点けた。

出木杉「………」


出木杉「明日のテスト…100点とったら…きっと母さん…笑ってくれる…きっと」


その日の夜、出木杉の部屋から明かりが消えることは無かった。




132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 23:03:16.55 ID:tzwbRpoCO
のび太宅


のび太「………」


ドラえもん「う~ん……今何時…夜中の2時じゃないか…こんな時間まで何やってる……って…」


のび太「ああ、ドラえもん。明日テストだからね」
ドラえもん「の、の、のび太君が勉強!?……やっと…やっと…真面目になってくれたんだね…」
のび太「勉強……まあ、そんなとこだよ」
ドラえもん「こんなに嬉しい日はないよ!……勉強の邪魔しちゃ悪いね!僕は寝るよ。おやすみ!」

のび太「おやすみ…」




152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 23:20:44.42 ID:tzwbRpoCO
次の日


ドラえもん「……たくん……びたくん……のび太君!!」

のび太「うあ……なんだよドラえもん…」
のび太の視界に入ってきたのは青く光る未来の創造物。

のび太「…もうこんな時間じゃないか!!」
ドラえもん「ずっと起こしてるのに起きないんだもん。夜中まで頑張るのは偉いけど朝はちゃんと起きないと」

のび太「わかってるよ!!ドラえもん!タケコプター貸して!!」
ドラえもん「……特別だよ。昨日頑張ってたから」
のび太「ありがとう!行ってきます!」

のび太は着替えると朝飯も食べず、部屋の窓から飛び出した。




165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 23:28:38.98 ID:tzwbRpoCO
ジャイアン「くそー!!今日も寝坊したぜ!!」
スネ夫「奇遇だねぇ。僕もだよ!」
ジャイアン「せっかく新しいバット買ったから、のび太で殴り具合確かめてやろうと思ったのによぉ…」
スネ夫「…あ!ジャイアン!あれ!」

のび太「やっほぉ~!学校で待ってるよぉ~」

ジャイアン「あんのやろ~~…」
スネ夫「待てのび太ぁ!!」




173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 23:40:14.39 ID:tzwbRpoCO
先生「…剛田!!骨川!!遅刻だぞ!!」
ジャイアン「すみません…」
骨川「ません…」
先生「全く、最近たるんでるぞ!!今日はテストもあるっていうのに…」

教室中に先生の怒号が散る。
二人をよそに、のび太はしずかとくだらない話に花を咲かせていた。


出木杉「……」


出木杉「(絶対に…100点をとる…絶対に…)」


のび太「それでドラえもんがさぁ、『ロボットにだって性欲ぐらいある!』ってムキになってさぁ~」


のび太「(……)」




169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 23:31:21.32 ID:r6S7jhRG0
ジャイアン「夜のバットを、のびたで勃ち具合確かめてやろうと思ったのによぉ・・・」


 


172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 23:36:33.90 ID:ZbI64c22O
出木杉「う…うっ…」


出木杉「母さん…」


出木杉「ううう……うっ…」
出木杉「…母さん」


出木杉「うっ…うっ…」


出木杉「母…さん…」


出木杉「ううっ…うっ…」
出木杉「母さん…母さ…ん……うっ!」


 



178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 23:41:50.01 ID:tzwbRpoCO
>>169>>172
すまん、不覚にもワラタ



181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/21(日) 23:43:04.74 ID:1J9VWuwr0
ID変る前にトリつけといたほうがよくないか?



182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 23:48:18.98 ID:tzwbRpoCO
>>181
トリの付け方わからんのだよ




191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/21(日) 23:53:53.26 ID:tzwbRpoCO
チッ

チッ

チッ

チッ

キーンコーンカーンコーン…

先生「よし!それでは始めていいぞ!」

一斉に教室にペンを走らせる音が響く。


スネ夫「はぁ…。わからないよ……」

ジャイアン「ルート??Σ??微分??」

しずか「………」


出木杉「………」


出木杉「よし…よし…」



のび太「………」




200 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/22(月) 00:01:26.32 ID:9zgHWdy+O
キーンコーンカーンコーン


先生「はい、ペン置いて!テスト用紙後ろの人集めてきなさい」


教室に張り巡らせられてた緊張の糸が途切れ、あちこちから安堵の声が聞こえる。

ジャイアン「ああー!!疲れたぜ~」
スネ夫「ホント」


出木杉「……」
しずか「出木杉さん!どうだった?」
出木杉「しずか君…今日は結構出来たかな」

出木杉が自分のテストの結果を評価することはないが、今日は違った。
昨日の勉強のおかげもあったのだろう。それほど手応えが出木杉にはあったのだ。

しずか「出木杉さんがそんなこと言うなんて、きっと100点ね!」
出木杉「はは、それはどうかなぁ」

テストが終わった安堵感と、100点を取れたという自信が出木杉を笑顔にさせた。





のび太「出木杉く~~ん!」




206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 00:04:11.76 ID:9zgHWdy+O
あら




207 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/22(月) 00:04:41.34 ID:9zgHWdy+O
これでいいのかな




218 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/22(月) 00:14:36.92 ID:9zgHWdy+O
出木杉「野比君…」
のび太「いやぁ~~難しかったねぇ、テスト!あ、出木杉君にとってはおちゃのこさいさいか!」
出木杉「……」
のび太「それでさ、ここの問題の答えを教えて欲しいんだけど…」
出木杉「……あ、ここはカッコの外にxを出して…」
のび太「もういいよ!ありがとう!」
出木杉「え?でもまだ終わってないけど…」
のび太「もう『いい』んだ。しずかちゃん!あとでね☆」
出木杉「……」
しずか「変なのび太さん…」




226 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/22(月) 00:22:40.19 ID:9zgHWdy+O
昼休み

先生「出木杉…」
出木杉「……」


しずか「また出木杉さん先生に呼ばれてる…」
のび太「どーせ、親が給食費滞納してるんじゃな~い?最近多いじゃん」
のび太は鉛筆をくるくると回しながら言った。

ガタン!




234 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/22(月) 00:29:39.84 ID:9zgHWdy+O
しずかが勢いよく立ち上がったのを見て、のび太は小さく「しまった」と呟いた。

しずか「のび太さん…なんであなたってそんなに人の気持ちに鈍感なの!?出木杉さんの親がそんなことするわけないじゃない!!
出木杉さんのお父さんは仕事であまり帰ってこないから、お母さんが頑張ってるのに……そんな酷いこと言うなんて……最低ッ!!」

しずかは泣きながら教室を出ていってしまった。


のび太「………」

教室中の視線がのび太に集まる。

のび太「はは…参ったなぁ…。しずかちゃん…アノ日だったのかなぁ…?」


「最低ッ!」

教室の女子がのび太に向かって英和辞典を投げ付けた。

のび太「あいたっ!」


のび太「…ちゃんと濁したのに…」




249 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/22(月) 00:40:52.45 ID:9zgHWdy+O
しずか「のび太さんのバカ……」

しずかは前も同じようなことがあった時に居た、廊下の端っこを目指した。

しずか「……!」

しずかの前を先生と出木杉が歩いていた。

二人は角を曲がり、しずかの視界から消えた。
その時、出木杉のポケットから何かが落ちるのをしずかは見ていた。

しずかが向かうと、落ちていたのは小さな紙切れだった。


しずか「…?」


しずかは小さく折り畳まれた紙切れをゆっくり開いた。




254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 00:48:08.38 ID:9zgHWdy+O
ジャイアン「ああっ!トイレしてぇ!!」


剛田武。妹の名前はジャイ子。
彼は自分の生理的行動を行うため、いつものトイレに向かっていた。
ここのトイレは廊下の端にあり、あまり人が来ないというこで、大便をするにはもってこいの場所なのだ。

ジャイアン「もれちーー!!……ん?」

ジャイアンがトイレに入ると、外から聞き覚えのある声が狭いトイレに響いてきた。





258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 00:54:11.12 ID:9zgHWdy+O
ジャイアン「なんだ…こんな辺鄙な場所で…」
ジャイアンは耳をすました。


先生「出木杉君…ご両親のことに私があれこれ言う筋合いは無いのだがな…」
出木杉「はい…」
先生「君はどうするのかね…?」
出木杉「…僕は母についていたいと思っています。…僕がいないと、母はきっと駄目になってしまいます。そして、僕が勉強を頑張って、良い点を取って、母を喜ばしてやりたいんです」
先生「そうか…しっかりしているな、君は。…何かあったらいつでも先生に相談するんだぞ?」
出木杉「はい。ありがとうございます」




ジャイアン「………」




267 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/22(月) 01:08:43.76 ID:9zgHWdy+O
放課後


出木杉「……」

しずか「……」

ジャイアン「……」


スネ夫「どうしたんだ?あの三人。出木杉はいいとして、しずかちゃんとジャイアン。元気ないなぁ」
スネ夫はライトオンの服のシワを気にしながら、手鏡で髪型をチェックしつつ、手の平を口に当てて口臭を確かめながら言った。

のび太「……」

のび太「しずかちゅわあ~~ん!さっきはごめんね~~。だから一緒に帰ろう!」
しずか「ごめんなさい、今日は急いでるから…」
のび太「あ、そ…」


出木杉「………」

ジャイアン「出木杉、あのさ…」

出木杉「なに?」

ジャイアン「い、いや、何でもない…」

出木杉「?」





275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 01:18:39.18 ID:9zgHWdy+O
ジャイアンは自分の席に戻り、乱暴に椅子に座った。

スネ夫「ジャイアン~~。なんであんなやつに話かけてんのさぁ!もしかしてまた野球誘おうと思ったのぉ?」
のび太「ジャイアン、下手な同情は傷つけるだけだよぉ?」

バン!

ジャイアンは机を拳で強く叩いた。

ジャイアン「うるせぇ。黙ってろ…」


スネ夫「…」
のび太「…」

スネ夫とのび太は顔を見合わせ、訳が分からないというふうに眉間にシワを寄せた。




284 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/22(月) 01:42:58.15 ID:9zgHWdy+O
ジャイアン宅


ジャイアン「……」

ジャイ子「…お兄ちゃん、どうしたの?」

ジャイアン「ジャイ子か…。……お兄ちゃんな、悪いお兄ちゃんだよ…」
ジャイ子「お兄ちゃん?」

ジャイ子はジャイアンの横に座り、テーブルの上にあったバナナをジャイアンの前に置いた。

ジャイ子「何かあったの?」

ジャイアンはバナナの皮をひとつ、またひとつ剥いた。

ジャイアン「いや…。わりいな、変なこといっちまってよ…」
ジャイ子「元気出してね。お兄ちゃんは良いお兄ちゃんだよ?」

ジャイアン「…ありがとう、ジャイ子」
ジャイアンはバナナを頬張った。
熟すぎているようだった。もう少し早ければ。




287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 01:47:25.11 ID:9zgHWdy+O
しずか宅


しずか「……」

しずかは今日拾った紙切れを広げて机の上に置いて、ぼんやり何かを考えていた。


しずか「……」


下の階から甘いクッキーの匂いが漂ってきた。母親が作っているのだろう。もう少ししたら部屋に持ってくるに違いない。
だが、今のしずかにはクッキーを食べる気なんてさらさら無かった。


しずか「……」


しずか「どうしたら……いいの…」




289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 01:51:24.97 ID:9zgHWdy+O
のび太宅


ドラえもん「のび太君、テストはどうだった?」

のび太「そりゃあ…もう、バッチリだよ」
のび太は床に横になりながら、にやけた顔で言った。

ドラえもん「そうか!それは良かった!!これからも頑張ろう!!」
のび太「ああ…」






292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 01:56:50.19 ID:9zgHWdy+O
出木杉宅


出木杉「ただいまー」


出木杉「……」


返ってくる言葉は、無い。

あれからというもの、出木杉の母は部屋に篭ったまま出てこなくなった。

出てくるのは、ご飯の時とトイレの時だけであった。


けれども出木杉には未来しか見えてなかった。
今日のテストの出来は完璧だった。きっと100点を取れるだろう。
100点のテストを見せれば母さんも元気になってくれるに違いない。
出木杉は盲信的にそう思っていた。

出木杉にとってはこの事が、唯一の希望となっていた。




294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 02:00:50.64 ID:9zgHWdy+O
スネ夫宅


スネ夫「ママアアァァァァァァァァァ!!!」

ママ「スネちゃま!!またオネショしたザマスか!」
パパ「遂に昼寝でもするようになったか…」
ママ「これさえなければ完璧なんザマスけどねぇ」





295 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/22(月) 02:03:18.34 ID:9zgHWdy+O
もう駄目だ…俺も明日学校だし眠いし…寝る……

誰か優しきお方、保守してくれたら嬉しい…な…




381 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/22(月) 15:46:20.12 ID:9zgHWdy+O
すまぬ、用事で帰るの遅くなるから投下は6時からになる!
保守ってくれててありがとう!あとちょっと待っておくれ




401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 18:11:42.09 ID:9zgHWdy+O
二日後

まだ昇りきっていない太陽が白い光を町に降り注いでいる。

夏の匂いがほのかに香る朝。



出木杉「………」



しずか「………」


出木杉「あ、しずか君!おはよう」


しずか「あ…出木杉さん……おはよう…」

しずかは出木杉との挨拶を早々に、玄関へと駆けていった。

出木杉「…?」





404 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/22(月) 18:14:04.41 ID:9zgHWdy+O
ポンッ

不意に出木杉は肩を誰かに叩かれて振り返る。




のび太「女の子の扱いはさすがの出木杉君でも苦手なのかな~~?駄目だよ、女の子には優しく、優しく☆」


のび太。



出木杉「の、野比君……そんなんじゃ…」


出木杉が言い終わるのも待たずに、のび太はしずかの後を追うように人混みの中に消えていった。




409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 18:21:19.79 ID:9zgHWdy+O
ざわ…

ざわ…


のび太「しずかちゃ~ん、聞いてよぉ。ドラえもんが『勉強もスポーツと同じ!日頃から練習しないといきなり上手くなったりなんかしない!だから日頃の予習、復習が大事なんだ!
この間のテストの時だけだったの!?真面目なのは!』って言ってくるからさぁ、
『もうちょっと頭良くなったら勉強するよ』って言ったのさ!
どう?どう?我ながら見事の返しじゃない?頭悪いまま勉強してもわかるわけないっつーのw」

しずかは「うん」「そうね」と合間に返事をしながら、筆箱の中を整理していた。




410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 18:26:07.42 ID:9zgHWdy+O
しずか「………」
のび太「☆#?…?〇!…」


しずかはのび太の話なんかより、あの紙切れの事で頭が一杯だった。


しずか「(きっと…何かの間違いよね……そうよ…きっと…)」


しずかは自分の中に生まれた疑いの念に、そんなわけはない、有り得ない、と言い聞かせていた。




411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 18:32:02.47 ID:9zgHWdy+O
しずかが拾った紙切れ。


その中には走り書きで、びっしりとこの間のテストの答えが書かれてあった。


しずかはこれを見た瞬間、言い知れぬ恐怖が自分を支配したのがわかった。


あの真面目な出木杉さん。


休み時間も、友達と遊ぶこともなく勉強に取り組んでいた出木杉さん。

その裏で、こんな卑劣な事を出木杉さんはやっていたのか。


それを思うと、しずかは出木杉に対し軽蔑より、恐ろしいという感情が沸いたのであった。




414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 18:37:31.03 ID:9zgHWdy+O
しかし、しずかは出木杉を信じたかった。


しずか「(出木杉さんがこんなことするわけない…)」


しずかは紙切れをポケットから取り出した。


しずか「(そうよ…きっとそうだわ…これは嘘……誰かの悪い冗談だわ…)」


しずかは席を立ち、窓の方に歩いて行く。


しずか「私が…何も…見なかった……それでいいのよ…」


しずかは窓を開け、外に向かって丸めた紙切れを思いっきり投げた。


紙切れは風に吹かれ、ゆらゆらと空を泳いだ後、ポトリと地面に落ちた。




415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 18:40:44.67 ID:9zgHWdy+O
のび太「しずかちゃん、何を投げたの?」

のび太が聞く。


しずか「…ただの…紙切れよ…」


のび太は「ふうん」と納得したのかしてないのか、メガネを中指で上げた。



出木杉「………」




しずか「(出木杉さん…私はあなたを信じるわ…)」




427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 19:27:12.92 ID:9zgHWdy+O
校門


スネ夫「ひぃ~~。僕としたことが…オネショして遅刻してしまうとは…。これさえなければ完璧なんだけどなぁ」




ポト



スネ夫「……なんだァ~?ゴミを投げるなんて、マナーのないやつだ」


スネ夫はぶつくさと文句をいいながら、ゴミがどこから飛んできたのか確かめるため、顔をあげた。


スネ夫「あれは……しずかちゃん…?」


スネ夫はしずかが窓を閉めるのを確認すると、飛んできたゴミの元に近寄った。




432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 19:44:31.60 ID:9zgHWdy+O

先生「骨川は遅刻か……。えー、ゴホン!突然ですが!この間やったテストを返したいと思います!」


ざわ…!ざわ…!


先生の言葉に教室が騒がしくなる。


しずか「………」


ジャイアン「マジかよ…」


出木杉「(…ついに…この日が来た…!)」


のび太「…へへへ…」




435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 19:51:54.60 ID:9zgHWdy+O
ざわざわとお互いの自信や、予想点数を話し合う生徒をよそに、先生は次々とテストを返していく。


先生「次は…剛田!」

ジャイアン「へい」

先生「頑張ったな」

ジャイアン「えっ!」


ジャイアン「35点……(確かにちょっと上がったが…)」





438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 20:05:33.00 ID:9zgHWdy+O
先生「次は……野比!!」


のび太はにやけながらポケットに手を突っ込み、肩をゆらしながら教壇に向かった。


「…何よあの歩き方」


のび太に向かって筆箱を投げ付けた女子が、のび太に聞こえるほどの大きさで言った。


のび太「黙ってみてな、金髪豚野郎」


「なッ……(金髪じゃないし、そもそも野郎じゃないのに…)」


のび太はその女子にだけ聞こえる程度に言い放つと、先生の前に立った。





444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 20:17:04.20 ID:9zgHWdy+O
先生「野比…」

のび太「はい」

のび太は眼鏡の下の鋭い目を先生にしっかりと合わせ、返事をした。



先生「頑張ったな!!!先生は嬉しいぞ!!」

のび太「ありがとうございます」


のび太は先生からテストを受け取ると、まるでファッションショーの中央で観客の視線に喜びを感じて歩いてるかのように、颯爽と自分の席に戻った。


ジャイアン「おい…のび太、一体何点だったんだよ…?」

のび太「ん?90。」

ジャイアン「な、なにッ!?」




448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 20:25:35.41 ID:9zgHWdy+O
ジャイアン「んなバカな!!お前…一体何をしたんだ…?」
のび太「やだなぁ~ジャイアン。人聞きの悪いこと言うなよぉ~」



出木杉「野比君、すごいね」

出木杉はテスト返却が待ち遠しいという気持ちからか、それほど興味の無い事をしずかに話した。

しずか「…ええ。そうね…」


しずか「(もしかして……)」




455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 20:43:39.54 ID:9zgHWdy+O
しずか「………」

出木杉「しずか君?」

しずか「…え?あ、ああ、ごめんなさい、考えごとをしていて。…それより、そろそろ出木杉さんのテストが返ってくるんじゃないかしら?」

しずかは考えてたことを悟られないと、必死だった。

何がどうなっているのか…
しずかは考えれば考えるほど、底無し沼にはまっていった。


出木杉「緊張してきたなぁ」



先生「次は出木杉!」

出木杉「はい!」


のび太「…」




459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 20:52:33.42 ID:9zgHWdy+O
出木杉はゆっくりと、確実に、その端正な足で床を踏み締め、一歩、また一歩と進んでいく。


出木杉「………」


ここまで、自分は頑張ってきた。


しずか「……」


自分のためじゃない。
母のために。


のび太「……」


母の笑顔のために。


そして、

いまだ心に残ってる、父の教えを守るために。




464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 21:04:01.76 ID:9zgHWdy+O
先生「出木杉」



先生「すごいぞ!!本当に良く頑張ったな!!」


出木杉は受け取ったテストを見た。
そこに書かれていた数字は、出木杉が今まで生きてきた中で1番、素晴らしくて、尊くて、出会いたかった数字だった。


出木杉「100点……」



先生「みんなも出木杉君を見習うんだぞー!!」


あちこちから黄色い歓声が飛び交う。


出木杉「やった……やったよ……母さん……」






477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 21:18:29.66 ID:9zgHWdy+O
のび太「すごいじゃないか出木杉くぅ~~~ん!!やっぱり出木杉君には敵わないなぁ~!」

出木杉「野比君…ありがとう。野比君だって凄いじゃないか」

のび太「いやぁ、そんなことないよォ!!出木杉は『100』点!!僕にいたってはたったの90だからね~~~」


のび太は猫撫で声で出木杉にくっついた。


出木杉「ちょ…ちょっと野比君…べたべた触りすぎだよ…」
のび太「ははは!御利益あるかなぁって思ってさ~~!!」

のび太はべたべたと出木杉の体をまさぐる。


しずか「……」


ジャイアン「チッ…」


のび太「(……あれ…)」




488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 21:29:26.46 ID:9zgHWdy+O
のび太「あは…ははは!出木杉君!次も頑張ってね!」


のび太は踵を返して席に戻った。



ジャイアン「なんだよのび太…。オメー出木杉のこと嫌いじゃなかったのか?」

のび太「…ああ?……勘違いしてんじゃねーよ…」

ジャイアン「……」


のび太「……(クソッ!)」




498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 21:36:14.74 ID:9zgHWdy+O
先生「次は…源!」


しずか「はい」



先生「源も頑張ったな!!」


近くの女子が「何点だったの?」としずかに聞くと、しずかはテスト用紙をチラッと見せて、「92」と恥ずかしそうに言った。

それを聞いた周りの女子はキャアキャアと「さすが、しずかね」などと褒めたたえた。


しずかが席に座っている出木杉を見ると、出木杉は親指を突き出して、しずかに笑いかけた。

しずかは笑い返さなかった。




507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 21:47:37.76 ID:9zgHWdy+O
先生「じゃあ次は…」


ガラッ


先生「骨川君…遅刻だぞ!!」

扉を開けて入ってきたのは、スネ夫であった。


先生「最近たるんでるぞ君は!!テストだってもっと頑張りなさい!!」

先生はスネ夫に「45点」と書かれたテスト用紙を渡した。


先生「まったく…」


スネ夫「先生」


スネ夫「話があるんですが」





517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 21:51:29.88 ID:9zgHWdy+O
先生「話?」


ジャイアン「?」


しずか「……?」


のび太「……」


出木杉「…」



スネ夫の一言に、教室は先程の騒々しさから打って変わり、シーン…とした空気が包み込む。




525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 21:58:39.04 ID:9zgHWdy+O
スネ夫「実はさっき…このような紙を拾いまして…」

スネ夫はくちゃくちゃになった紙切れを先生に渡した。

先生「何だね?このゴミは…?」



しずか「!!」


しずか「(あ…あれは…私が捨てた…)」


ジャイアン「なんだァ、あの紙。尻拭きかァ?」


出木杉「?」



のび太「……(あのゴミ…どこかで…)」



スネ夫「先生。大事なのは、その中です」




540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 22:05:54.20 ID:9zgHWdy+O
先生はスネ夫に渡されたゴミのような紙切れをまじまじと見た。


先生「何か…書いてあるな……」



先生「……こ、これは!」



生徒達は紙に書かれてある内容に興味が惹かれ、一様に先生を凝視する。


先生「なんてことだ……」



スネ夫「先生、一応言っておきますけど見つけたのはこのボクですから」




554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 22:11:12.56 ID:9zgHWdy+O
のび太「(……思い出した、あの紙は…!!)」


先生「先生、こんなことは言いたくない。それは君達を信じているからです。しかし、信じているからこそ、君達に聞きます。」


しずか「……………」


先生「この紙には、この間のテストの答えがびっしりと書いてあります。いわゆるカンペです。
……先生はこのクラスにこんな卑劣なことをする人がいると思いたくありません。しかし…」




558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 22:15:42.20 ID:9zgHWdy+O
しずか「先生!…その紙を書いたのがこのクラスだって証拠はあるんですか?…このテストはこの学年全部やったものです。他のクラスの人が書いた可能性もあるんじゃないですか?」

しずかは張りのある声で、先生に言った。


スネ夫「……」


ジャイアン「確かに」


のび太「……」


出木杉「……」


しずかの言葉に、今まで黙っていた生徒達がざわつき始めた。




566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 22:21:32.40 ID:9zgHWdy+O
先生「……そうだな。先生もそれを願っているが……」


スネ夫「それもそうはいかないんですよ」


先生「何?」



しずか「え…?」


ジャイアン「どういうことだよスネ夫」


のび太「(あいつ…何をおっぱじめる気だ…)」


出木杉「………」




577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 22:29:08.05 ID:9zgHWdy+O
スネ夫は教壇に手をかけ、自慢の前髪を触ると、口を開いた。


スネ夫「実はね…見ちゃったんですよ…ボク。」


先生「…何をだね?」


ジャイアン「もったいつけてねぇでさっさと喋ろ!!」


スネ夫「まあまあ、慌てないで。こうゆうのは焦らした方が盛り上がるだろ?」


のび太「とんだ道楽息子だな…。スネ夫!一体何を見たっていうんだい?」


スネ夫はニヤリと笑うと、先生から紙をつかみ取った。


スネ夫「この紙切れを…ボクの目の前に投げ捨てたやつをね」





595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 22:34:30.94 ID:9zgHWdy+O
ジャイアン「な、なんだってーーーー!?」


のび太「……ははは!スネ夫、御手柄じゃないか!それで一体それは誰なんだい?(出木杉め!いつの間にか捨てたみたいだが、裏目に出たな!)」


出木杉「……」



スネ夫「…そこで顔を青くしてる君だよ。…………しずかちゃん」

しずか「あ……」


ジャイアン「な、なんだってーーーー!?」
のび太「ハァッ!?」
出木杉「そ…そんな…」




611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 22:41:23.80 ID:9zgHWdy+O
ざわ…ざわ…ざわ…


スネ夫の発言に、生徒達は混乱を隠しきれなかった。

先生「ほ…骨川君…それはホントなのかね……?」

スネ夫「残念ですが、真実です。そうだよね、しずかちゃん?」

しずか「そ…それは…」

ジャイアン「おいスネ夫!!!ふざけた事を言うのは止めろ!!しずかちゃんがそんなことするわけないだろ!!?」

スネ夫「黙れジャイアン!!」

ジャイアン「う…!」

スネ夫「人ってのはねぇ…そんな綺麗事だけで言ってられるような生き物じゃないんだよ…。誰しももう一つの顔をもっているものなんだ…」

ジャイアン「けど…!」

のび太「……」

出木杉「しずか君…」




625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 22:47:25.44 ID:9zgHWdy+O
先生「源君……君なのかね……?」

スネ夫「しずかちゃん、早く罪を認めたほうがいいよ…?」


しずか「………」

しずかは目に涙を浮かべ、プルプルと震えていた。

周りで「しずかちゃんが犯人なのかな…?」「でも…確かに今回のテストも良い点だったわよね?」「じゃあやっぱり…」「怪しいと思ってたんだよ」

と、疑いの声が聞こえてくる。

出木杉「……!」


出木杉「待ってくだ……!」


のび太「あれれ~~??」




641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 22:52:06.83 ID:9zgHWdy+O
いつの間にかスネ夫から紙切れを引ったくっていたのび太が声をあげた。

スネ夫「おい、のび太……」

のび太「この字、どっかで見たことあるぞ~~??」

しずか「のび太さん…?」

のび太「誰の字だっけなぁ~~~……あっ!」


のび太「出木杉君の字にそっくりだぁ!!」


スネ夫「出木杉…?」

ジャイアン「……!」


出木杉「え………?」




653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 22:56:10.97 ID:9zgHWdy+O
出木杉は何が起こったのか、理解出来なかった。


出木杉の周りを何人かの男子が取り囲む。


安雄「………のび太!その紙を見せてくれ!」

安雄「……本当だ。そっくり…いや、同じと言っていいぞ!!」


安雄の言葉に教室中の視線がしずかから出木杉に集まる。




669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 23:01:56.17 ID:9zgHWdy+O
ざわ…ざわ…

先生「しずかに!しずかに!!」

先生が教壇を出席簿でバン!と叩き、教室から声が消えた。


スネ夫「まさか…出木杉が…?」

のび太「スネちゃま、これが真実だったみたいだねぇ」

スネ夫は舌打ちをすると、顔を背けた。


出木杉「違う…ボクは知らない……ボクは何も知らない!!」


安雄「嘘つけ!!これが証拠だろうが!!しずかちゃんに罪を被せようとするなんて、なんて野郎だ!!」
出木杉「僕は知らない!!」
出木杉はしずかを見たが、しずかは顔を下に向けたまま動かない。




704 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 23:18:27.62 ID:9zgHWdy+O
スネ夫「ふん…いつも勉強してたように見えたのはカンペを作ってただけだったんだね」

のび太「あの真面目そうな出木杉君がねぇ……でもテレビでも普段は真面目って子が事件を起こしたりするからねぇ」


ざわ…ざわ…ざわ…


「出木杉君って最低ッ!」

出木杉「いたッ!」

女子が投げた消しゴムが出木杉の頭に当たった。


のび太「おいおい、僕の時は英和辞典だったのに、出木杉の時は消しゴムかい?」

のび太が皮肉まじりに言った。
女子は、フン!と鼻で笑い、カバンから国語辞典を取り出した。

ジャイアン「………」

しずか「………」




720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 23:26:02.61 ID:9zgHWdy+O
出木杉「僕はやってない……僕はやってない…」
安雄「ピーピーうるせえぞ!!」

のび太「さて、先生。出木杉君の処遇はいかがいたします?」
先生「む……」


スネ夫「良い機会だ!裁判員制度も始まるってゆうし、ここは皆に聞こう!
じゃあ、出木杉君の処遇はどうしたらいいですかーー!?」


「一ヶ月無視ー!!」

「卒業まで給食抜きー!!」

「脱げー!!」


一度、暴走しだした小学生ほど残酷なものはない。
次々と非人道的な罰が提案される。





743 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 23:33:42.00 ID:9zgHWdy+O
「死刑ーー!!」

「転校させろー!!」

「映画版に出てないくせに調子に乗るなーー!!」


スネ夫「困ったなぁ。皆好き勝手喋り出して…」


「………」

女子生徒が国語辞典の狙いを出木杉に定めた。

のび太「ふふ、やっちゃえ!」

「言われなくても!」
ブォン!

女子生徒は渾身の力で出木杉に向かって国語辞典を投げ付けた。





772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 23:39:14.94 ID:9zgHWdy+O
国語辞典は綺麗な放物線を描き、出木杉の頭目掛けて飛んできた。


出木杉「……あ…わ…!」


出木杉は恐怖のあまり目を閉じた。
この後に体験したことのないような痛みが頭を襲うと思うと、目を閉じずにはいられなかった。


出木杉「…………ッ」

しかしその痛みを出木杉が感じることは無かった。


出木杉「…………!」

出木杉はゆっくり目を開いた。





786 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 23:42:55.61 ID:9zgHWdy+O
出木杉「君は……!」


目の前に立っていたのはジャイアン。


自分の身をていして出木杉を守ったジャイアン。


ジャイアン「ぐ……」

出木杉「だ、大丈夫!?」

国語辞典はジャイアンの頭に当たったようだが、幸い、赤くなっているだけだった。


ジャイアン「へ…これぐらいどうってことねーよ…」


出木杉「あ…ああ…」




803 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 23:49:38.83 ID:9zgHWdy+O
ジャイアンは頭をさすりながら出木杉の前に仁王立ちした。


スネ夫「……ジャイアン!」
のび太「何してんだよアイツ…」

先生「ご、剛田君ッ!!……君達ッ!!いい加減にしなさいッ!!!!」

のび太「耳元で怒鳴るな!!!!」

先生「なッ…!?」


スネ夫「ここはのび太の言うとおりですよ先生…。犯人は必ず見つけださないとね…」


しずか「………」







812 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 23:55:41.10 ID:9zgHWdy+O
ジャイアン「おまえら……頭おかしくなっちまったんじゃねぇか…?よってたかって出木杉のやつを責めてよ…」

のび太「だってしょうがないじゃない。カンペの字と出木杉の字が同じなんだよ?犯人じゃないってほうが不思議だよ」

ジャイアン「字がどうのとか!!んなことはどうでもいいんだよ!!!こいつはな…そんなことするようなやつじゃ無いんだよ…!!」

スネ夫「…ジャイアン、感情論じゃ何も解決しないんだ」

ジャイアン「るせぇ!!!こいつはなぁ!!父ちゃんと母ちゃんが離婚して!!母ちゃん一人で出木杉のこと面倒見てんだよ!!」

しずか「…!」

スネ夫「……」





814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/22(月) 23:59:49.58 ID:9zgHWdy+O
出木杉「もう…やめて…」


ジャイアン「こいつはなぁ!!疲れてる母ちゃんを思って!!大変な母ちゃんを思って!!母ちゃんを喜ばしたいと思って!!!だからテストで良い点取って母ちゃんを笑わせてやりたいと思って一生懸命勉強して……!!」


しずか「……」

出木杉「もうやめてくれ…頼むよ…」

スネ夫「………」


のび太「……」




818 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 00:03:13.21 ID:RdZQo47dO
ジャイアンは自分でも何を言っているかわからなかった。ただ言葉が口からこぼれでてきた。


シーー…ン


のび太「……」


のび太「それじゃあ、ジャイアン。君はこういいたいんだね?犯人は出木杉じゃない……これを拾った、しずかちゃんだと?」


しずか「!」





825 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 00:05:41.42 ID:RdZQo47dO
ジャイアン「違う!何でそうなる!?俺は他に犯人がいるんじゃないかって……」


スネ夫「まあまあまあまあ」



スネ夫「ここはしずかちゃんに聞いてみよう」



しずか「……」




834 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 00:11:00.38 ID:RdZQo47dO
再び、教室中の視線がしずかに降り注ぐ。


のび太「さあ…話してごらん」


しずか「わ、私は…」

のび太「しずかちゃん、何か言わないと僕らはわかんないよ?それとも…しずかちゃんが犯人なのかな?」

のび太はしずかの顔を覗き込みながら言った。

しずか「ち、違っ…!私じゃ…ない!」

のび太「じゃあ真実を言ってくれるよね?でないと、みんなの怒りがしずかちゃんにいっちゃうよ?」




838 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 00:13:06.60 ID:RdZQo47dO
うわああああ!!すまん!!拾ったじゃなくて投げただった!!ひぃぃぃぃ!!




852 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 00:15:39.96 ID:RdZQo47dO
あー、スマン。でもここは別に間違っても後のストーリー展開に支障はないと思うが…一応続けます




857 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 00:19:25.80 ID:RdZQo47dO
しずか「わ、私は……」

のび太「ほら…みんな真実を知りたがっているよ…」


ジャイアン「しずかちゃん…」

スネ夫「……」

出木杉「しずか君…」



そしてしずかはゆっくりと、か細い声で話し出した。


しずか「私は……出木杉君が落としたその紙を……拾いました…」



出木杉「しずか君…?」




861 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 00:23:47.03 ID:RdZQo47dO
ジャイアン「そんな…」

スネ夫「ふ……」


しずか「………」


しずかの言葉は、生徒達の考えを一つにまとめるには充分すぎるものであった。

のび太は恐怖でしずかをコントロールするのは簡単なことだった。


どんなに優しくて器量のある女の子でも、

我が身が1番なのだ。



のび太「ふふふ……あはははははははははははは!!!」




866 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 00:28:51.81 ID:RdZQo47dO
のび太「これではっきりしたね!!!この一連の騒ぎの犯人が!!!」


出木杉「……知らない……僕じゃない……僕は何も………」


のび太「ありがとうスネ夫。君の協力のおかげで凶悪犯を突き止めることが出来たよ」
スネ夫「こちらこそ。なかなかな推理で」
二人はがっしりと握手を交わした。


ジャイアン「………」


しずか「……私は…私は……」




868 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 00:34:39.94 ID:RdZQo47dO
安雄「やっぱりな……だと思ったぜ…」

ジャイアン「……」

ジャイアンはどうしていいかわからないという様子だった。
あの時聞いた先生と出木杉の話。あれが本当なら出木杉はこんなことをするわけがない。
しかし、しずかちゃんの言った事が、重くジャイアンにのしかかっていた。


出木杉「しずか君……何で…?」

出木杉はしずかに尋ねた。何かの間違いであってほしい。


しずか「出木杉さん……ごめんなさい…」


ごめんなさい。出木杉にとっては1番聞きたくない言葉だった。




878 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/23(火) 00:45:32.11 ID:RdZQo47dO
>>869オケ


放課後


カラスの鳴き声が空に響いている。


出木杉「………」



何故、こんなことになってしまったんだろうか。
僕は母さんのために勉強を頑張っていただけなのに。

僕が一体何をしたっていうんだ。カンニングなんて、するわけがない。

しずか君、何であんな嘘ついたんだろう。きっと脅されたから、仕方なく言ったんだ。しずか君はそんな人間じゃないもの。
僕が唯一大好きな友達だ。きっと、理由があったんだろう。

野比君は何かを知っているみたいだったな。

まあ、どうでもいいや。
早く、母さんにテストを見せなきゃ。




883 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/23(火) 00:56:28.42 ID:RdZQo47dO
のび太「ただいま~!!いやぁ今日は楽しかったなぁ!!」

ドラえもん「お帰りのび太君!何かあったの?」

のび太「うん、皆で悪者をやっつけたんだ!」

ドラえもん「悪者…?…あぁ、のび太君。僕はこれからミィちゃんとデートだから。遅くなるよ」

のび太「やるの?やっちゃうの?気をつけてね!」

ドラえもん「うん。じゃあ行ってきます!」

バタン

のび太「じゃあ僕も空き地に行こうかな」




892 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 01:01:32.29 ID:RdZQo47dO
出木杉は鍵を回し、家のドアを開けた。


出木杉「…ただいまー!!」

出木杉は精一杯の明るい声を出した。
手には100点のテスト用紙。


出木杉「母さん、見てもらいたいものがあるんだ!!」


出木杉はリビングを抜け、奥の部屋のドアに手をかけた。

出木杉「母さん?開けるよ?」

ガチャ


出木杉「母さん!ほら見て!母さ……」




906 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 01:06:10.27 ID:RdZQo47dO
母「………」


振り子時計のように揺れている母が出木杉に笑いかけているように見えた。


出木杉「か……あ…さん……」


出木杉「母さん……ほら見て…100点、とったんだよ…カンニングなんてしてないよ…ちゃんと勉強してとったんだよ……母さん……あは……笑ってる……喜んでくれてるの…?」


出木杉はテスト用紙を母の見える位置まで持って行き、何度も100点の数字を母に見せた。





920 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 01:09:41.35 ID:RdZQo47dO
出木杉は部屋を出、リビングに行った。

白いクロスの掛かったテーブルの上にテスト用紙を置き、筆箱から取り出したマジックで、100点と書かれた部分を黒く塗り潰した。






937 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/23(火) 01:15:35.46 ID:RdZQo47dO
空き地


のび太「おーーーい!!僕も入れておくれよーー!!」

スネ夫「お、のび太」

安雄「ちゃっちゃちゃーす」

のび太「あれ?珍しいなジャイアンがいないなんて」

スネ夫「ああ…。まあアイツ何かおかしかったし?来ても迷惑だよ」

のび太「それもそうか!いやー、それにしても出木杉のやついい気味だったなぁw」

スネ夫「ホントw」




947 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/23(火) 01:20:03.64 ID:RdZQo47dO
しずか宅

ママ「しずかーー?クッキーあるから食べましょう!………変ね、寝ちゃったのかしら…」




しずか「出木杉さん…ごめんなさい…出木杉さん…ごめんなさい…出木杉さん…ごめんなさい…」

しずかは部屋で、自らの行動を激しく後悔していた。
今更後悔しても遅い。それはわかっていたが、出木杉に対する申し訳ない気持ちで涙が止まらなかった。




951 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/23(火) 01:23:33.12 ID:RdZQo47dO
ジャイアン宅


ジャイアン「………」


ジャイ子「………お兄ちゃん?」


ジャイアン「……出木杉ィ……」


ジャイ子「……?」


ジャイアン「…ちょっと出てくる」




954 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/23(火) 01:26:47.08 ID:RdZQo47dO
出木杉「………」


暖かい光。懐かしい匂いがする。


出木杉「………あれ…」


真っ白な風景が目の前に広がる。
何もない、ただ二つ、見覚えのあるモノ。


出木杉「……あ…あ…母さん…!父さん……!」




961 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/23(火) 01:30:52.32 ID:RdZQo47dO
母「英才……」

出木杉「母さん…!!母さん!!」

父「英才…」

出木杉「父さんも!…父さん!!」

出木杉「僕…僕、すごい恐い夢を見てたみたいなんだ…!父さんめ母さんもいなくなって…!僕だけになって…!」

母「……」

父「……」

出木杉「あ……母さん、父さんと仲直りしたんだね……?父さん……努力したんだ…!仲直りの努力…!やっぱり父さんの言ったことは本当だったんだね!…努力すれば叶うって!」




962 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/23(火) 01:32:20.87 ID:RdZQo47dO
ここは埋めたほうがいいのかな?一応後20レスぐらいで終わるが…
無理か…



963 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/23(火) 01:33:04.51 ID:QAaRDncZ0
余韻もほしいしね
埋めるか



970 名前: ◆CU9nDGdStM :2008/12/23(火) 01:34:09.43 ID:RdZQo47dO
じゃあ頼みます



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