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ジャンヌ速報 フグ田タラヲが絶望を抱いて眠るそうです

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フグ田タラヲが絶望を抱いて眠るそうです 

1笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 20:17 ID:j3r62aqP0
 ――嘗ての自分は本当に何も知らない子供だった。
 全てが自分の思う通りになると思っていたしそれを疑おうともしなかった。
 当然だ。
 僕が一番なのはコレから先も絶対に変わらない。
 変わっちゃいけない。
 不変のものは――此所に存在するのだから――






2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:08/09/23 20:17 ID:c35K/SDI0
     ∧_∧
 ピュー (´・ω・`) <これからも山崎誠を応援して下さいね。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎




3笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 20:22 ID:j3r62aqP0
「――」
 目が覚めた。きっと見ていた夢の所為だ。
 外を見ればまだ薄暗く、時計は2時を指していた。
 この家に音はなく、とどのつまり存在するのは『フグ田タラヲ』だけ。
 僕という絶対の存在を許容出来る空間。それが21歳になった僕の自室だ。
 
 ――それにしても頭痛がする。
 きっと、これも夢の所為だ。





 


6笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 20:30 ID:j3r62aqP0
 僕はいつだっていい子だった。
 誰と話すときも敬語を使っていたのだ。その評価は当たり前だ。それ故、両
親はいつまでも僕を自慢の息子として可愛がった。
 手に入らないモノなんて、ない。
 あのときの僕はそう思っていた。
 実際、僕がなにかを欲すれば、何もかもが手に入った。
 玩具。
 おやつ。
 全部。
 全部。
 全部――僕のモノだった。





 


12笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 20:41 ID:j3r62aqP0
 それが壊れだしたのは僕が12歳。中学に上がる頃だった。
 先生は僕がどんなに頼んでも、成績を上げてくれなかった。
 僕は昔から家族に『早稲田に行け』と言われてきた。僕自身、そうでなくて
は、僕の存在が消失してしまうと思っていた。
 ――しかし、僕は今まで勉強というものをしたことがなかった。
 もとよりする必要がなかった。
 小学生のとき、僕は先生しか友達がいなかった。
 故に先生に媚びを売り、そのことで通知表の成績を獲得していた。
 
 それが出来なくなった僕は、もう終わりだ。





 


14笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 20:44 ID:j3r62aqP0

 ――そうして、気がつけば学校は地獄になっていた。

 上履きは毎日のように隠された。
 教科書は落書きでいっぱいだった。
 机はベランダに放置されていた。
 体操服は泥で汚されていた。

 ――学校の不良に、毎日金銭を巻き上げられた。





 


18笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 20:48 ID:j3r62aqP0
 ――それでも楽しかった。
 僕のコトを心配してくれる人がいたから。

「タラちゃん、大丈夫?」

 そう、母の存在だ。
 母は僕を毎日包んでくれた。
 いじめられていると知ったときの母の顔は、きっと永遠に忘れない。





 


20笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 20:52 ID:j3r62aqP0
「おいフグ田、明日お前んちに殴り込みに行くわ」

 にやにやとした表情が癇に障る。
 しかし僕に抵抗する力はない。
 弱者は強者に従うしかないのだ。
「いいです~」
 平静なのを装って言う。それでも声は震えている。
 恐ろしい。
 
 自分の本能が察知する。

 ――なにか、取り返しのつかないことが起こってしまう。





 


25笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 20:59 ID:j3r62aqP0
 その予感は現実になった。

 僕の家は無法地帯となり、タバコの煙やアタマの悪い奇声で包まれた。
「ぎゃははは! サヤカ半端ねえ!!」
 不良グループのリーダーは彼女の自慢を始める。サヤカの写真を見せてくる
が、単なる黒豚だ。こんな女に欲情するなんて全くどうかしている。
「そんでよう――あ?」
 リーダーは突然、廊下を足早に通った母を、見た。

「熟女も――いいなあ――」

 そして、何とも、莫迦げたコトを、イッタ。





 


28笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 21:06 ID:j3r62aqP0
 ――家に響く救急車とパトカーのサイレン。

 捕まったコトを現実としない。精を発散したコドモ。
 目の前の現実を許容出来ない。全てを失ったコドモ。

 なんて、なんて運命。否、運命という言葉で片付けていい問題では、ない。
 あれは完全に人から外れた行為。
 あれは確実に人を否定した行為。
 あれは絶対に人を逸脱した行為。

 ――そうして、僕は何も信じられなくなった。





29笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 21:12 ID:j3r62aqP0
 ――21歳になり、僕は少しずつ気持ちが安定していた。

 高校には進学していないが、バイトも上手くいっている。
 1人で生きていける、という自信すら沸いていた。
 しかし、僕に家を出る資格はない。
 僕が弱かったから、母は酷い目にあった。
 僕が情けなかったから、あいつらは出所した。
 
 だから、僕は誰よりも母を幸せにしてあげなくちゃいけない。
 酒に溺れた父とは違う――!





30笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 21:12 ID:j3r62aqP0
食事してくる。
いわゆる休憩。




 


33笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 21:37 ID:j3r62aqP0
 僕のバイトは些かストレスが溜まる職業だ。
 女性を僅かな間、夢を見させる。といえば聞こえはいいが、実のところそん
な綺麗なものではない。
 ――いわゆる『ホスト』である。

「ドンペリです~」
 僕はこの店『ワカモト』では常にトップの成績を上げている。
 小学生のころから人に媚びを売ることを覚えていたからだろう。
 しかし、そのことでナンバー2の『波野イクラ』に度重なるいやがらせを受
けていた。彼とは幼い頃からの友人であったが、今の彼は王を目指す一人の男
だった。
「バーブー!」
 ――ああ。イクラが僕に零す。

「――あばすれの息子、と」





34笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 21:44 ID:j3r62aqP0
 今日も相当数の酒を飲んだ。
 普通なら、肝臓がおかしくなっている。否、とっくに変調は出ていた。
 抉るような痛みと刺すような痛みが混合した、どうしようもない苦しみ。
 全身の水分を奪っていく嘔吐と発汗。
 このままでは死んでしまう。

 しかし、月収にして120万のこの仕事を手放すなんて出来ない。
 母がもう一度笑えるため、僕は死んでも――いい。





35笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 21:50 ID:j3r62aqP0
「なあ、タラちゃん。こんな仕事はもうやめなよ」
 家に帰り、トイレで嘔吐していた僕に、叔父である『磯野カツオ』は言った。
 冗談じゃない。母の為に僕は死ぬ覚悟だって出来ているのだ。誰が何を言っ
てもやめたりはしない。
「あのねタラちゃん。幸せっていうのはお金じゃない。
 なんていうか、心の豊かさだよ。陳腐な言葉だけど、それはお金じゃ買えな
いんだ」
「――」
 判らない。あいつらが釈放されたのだって、リーダーの父親が金を持ってい
たからだろう? だったら、幸せとは金で、笑顔は物品だ。
 それが、違う?
 嘘だ。
 そんなの――認めない――





36笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 21:55 ID:j3r62aqP0
 ホストの仕事を、休みだした。
 三日。早くも三日だ。
 理由は簡単だ。

 ――もう、肝臓が駄目になっていたからだ。

 いつかこんな日が来ると思っていた。
 その時は甘んじて引退しよう。そう決めていたのだが、どうしてこんなにも
Xデーが早かったのだろう。
 アルコールを少しずつ減らしていったのに。
 イクラも僕のサポートに回ってくれたのに。
 
 ――そこで、はっとした。
 イクラは僕が飲む酒に、なにかを入れていた。





 


38笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 21:58 ID:j3r62aqP0
 ――あれはきっと焼酎だ。
 度数を上げ、僕を早く潰す為のイクラの作戦。
 どうして気がつかなかったのだ。
 悔やんだところで手遅れだ。
 こんな。こんな。こんな!!
 馬鹿なことで、僕は終わってしまうのか!

 憎い!
 憎い!
 イクラガニクイ――!!





39笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 22:00 ID:j3r62aqP0

 アイツの一番大事なモノを奪ってやる。
 そう決めた僕は確実におかしくなっていた。

「       」
「             あ」
「         か!」
「   て!」

 なにか聞こえるが気にしない。
 本当の地獄を見せてやる――!!





40笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 22:02 ID:j3r62aqP0
 鳴り響くサイレンのオト。
 
 聞いたことの在る、オト。
 
 もう聞きたくない、オト。
 
 きっと僕を捕まえにきた。

 そんな――オト。





41笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 22:04 ID:j3r62aqP0
「なあ、聞いたか? 今度来る奴の話」
「ああ聞いたよ。なんでも、9年前の中学生のレイプ事件の被害者の息子だっ
てな」
「なんだかねえ。まさか仕事仲間の母親をヤッちゃうなんてな――!」
「なんでですかねえ。
 ――ああ。そういえば、九年前の被害者の名前ってなんでしたっけ、カツオさん」


フ グ 田 タ ラ ヲ が 絶 望 を 抱 い て 眠 る そ う で す
                END





42笑み社 ◆myeDGGRPNQ []:08/09/23 22:04 ID:j3r62aqP0
終わった。





終わった。




43追っかけ[]:08/09/23 22:08 ID:B9vcMhU8O
今来た




44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/09/23 22:09 ID:Qy1lvTuOO
笑み社乙!




45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/09/23 22:17 ID:Rw9Gqm2+O
キンモ




46名無し募集中。。。[]:08/09/23 22:23 ID:5eCJW2rPO





47追っかけ[]:08/09/23 22:24 ID:B9vcMhU8O
読んだ




48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/09/23 22:35 ID:V50oVau/0
乙wwww
よくできてたwww




 
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[ 2008/09/23 00:00 ] サザエさん | TB(0) | CM(0)
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