超王道ジャンル「図書室の少女」
1 :
興味を持たれた方は猿避けに支援してもらえると幸いです[]:08/11/03 19:54
ID:U/9BK21t0 -8月1日夜 合宿室-
女「…以上で私の話を終わります」
男友「ひゅー、結構怖かったな」
女友「私、ベッドの下に見知らぬ男がいたら卒倒するわ…」
女「よし、じゃあ次は男の番だよ?」
男「zzz…ん…えっ?」
超王道ジャンル「図書室の少女」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 19:56
ID:U/9BK21t0 男友「てゆーか…お前全然聴いてなかっただろ?」
男「あ、すまん…ちょっと考え事してた(やべー寝てたし)」
女友「もう!次は男クンが怖い話をする番でしょっ!最後だからビシッとね」
男「あ、ああ…(どうしよ…何も考えてねえし)」
女「さ、頑張りなさいよ?」
男「じゃあ今から作り話をする」
男友「のっけかたテンション下がるようなこと言うなよっ」
男「まあ聴けって。本当に怖い話をしてやるからさ」
―――――
―――
―
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 19:58
ID:U/9BK21t0 かつてウチの学校の生徒だったやつらが悪戯を考えたんだ。
それは「架空の怪談を学校に流行らせる」というものでな。
ま、要するにありもしない話を広めて学校中を怖がらせようってわけだ。
それで相談した結果、1つのアイデアが浮かんだんだ。
「この学校の図書室には少女の霊が住んでいる」
たったこれだけ。それ以外には何も情報はないんだ。
えっ?全然怖くない?そう、この時点では何も怖くないんだ。
てゆーか嘘っぱちだしな。
そいつらの考えたアイデアの凄さはここからなんだ。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:00
ID:U/9BK21t0 とにかくそいつらはこの怪談をありとあらゆる方法で学校中に広めた。
そりゃあもう凄いスピードで広まったわけよ。
まあ内容はごく単純だしな。
いつしかまるで昔からあったように囁かれるようになった。
そしてついに…ある日新たな噂が登場した。
「図書室の少女はいつもずっと泣いている」
もちろん嘘だ。ただの噂に尾ひれはひれがついただけなんだよな。
よくあることだ。
しかし、噂を始めたやつらにとってはまさに計画通りだったんだ。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:02
ID:U/9BK21t0 時が経つにつれ、シンプルな怪談話だった「図書室の少女」にいろんな設定がつくようになった。
鎌を持ってるだの、首が無いだの、午前0時に現れるだの…。
まあ、すぐに消えた設定も山ほどあるんだけどな。
とにかく噂が噂を呼んで、ありもしない話にさらにありもしない設定たちが加わった。
噂は時としてありえない進化を遂げることがあるんだ。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:08/11/03 20:05
ID:U/9BK21t0 …そう、はじめたやつらの目的は浸透する中で色んな設定がつくように最初はわざとシンプルにしたんだ。
なぜそうしたのかって?
その方が根付きやすいと考えたからだ。
いつしか「図書室の少女」は学校を席巻する一大幽霊へとなった。
最初に始めたやつらは喜んだ…でもな、この話はこれで終わらないんだ。
噂はやがて絶対不変のものへと洗練されていく。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:08
ID:U/9BK21t0 「図書室には少女の霊がいて自分を捨てた父親を捜し求めている。
父親じゃない人間が図書室に入ると殺される」
噂が確固たるものなったあたりから信じられないことが起き始める。
「図書室の少女」の目撃情報が相次いだんだ。
最初のやつらは耳を疑った。当然だよな?
自分たちの考えた怪談なんだからさ。
はじめは懐疑的だった連中も、事件が起こり、信じざるを得なくなった。
そう、ついに死人が出たんだ。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:11
ID:U/9BK21t0 噂を始めた生徒のうちの1人が真夜中に図書室に侵入して肝試しをした。
本当に「図書室の少女がいるのかどうかを確かめるために。
しかしその生徒はその夜のうちに帰ってこなかったんだ。
翌朝、図書室のある校舎の真下で転落死している状態で発見された。
図書室が荒らされていたこと、密室だったことから精神が錯乱して突発的に自殺をしたんだろうと。
残された連中はこう思った。
「俺たちは本当に『図書室の少女』を生み出してしまったのかもしれない」とな…。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:14
ID:U/9BK21t0 女「………」
男友「ゴクリ…」
女友「そ、それで…最後はどうなったの?」
男「ん?いや、これで話は終わりだけど?」
女「ええッ!?オチとかないのッ!?」
男「ない」
男友「何だよ、全然怖くねーじゃんッ!」
男「何を言っているんだ?これからが本当の恐怖だぜ?」
女友「…えっ?」
女「どういうこと?」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:16
ID:U/9BK21t0 男「いいか、この話のポイントは『誰かが知ることによって幽霊は生まれる』ってとこなんだよ。
つまり『図書室の少女』の存在はたとえ架空でも『その存在を知る人間』が増えれば真実になり得るということだ」
女「つ、つまり…?」
男「今ここでお前らは知ってしまったんだ…『図書室の少女』の存在を。
だから…『図書室の少女』はいま誕生したんだよ」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:19
ID:U/9BK21t0 男友「何言ってるんだよ?だってこれ作り話だろ…?」
男「そう。だけど作り話を知ることによって存在が具現化されるんだ。
だからこの話はもう作り話じゃない」
女友「よく分かんないけど…じゃあ、私たちが知っちゃったから…
『図書室の少女』は存在するってこと…?」
男「そうだ」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:21
ID:U/9BK21t0 男友「…アホらし。んなワケねーだろ?こんなことくらいで幽霊がポンポン生まれるわけないし」
女「でも…何だか深い話だよね」
女友「よし、じゃあ私この話を信じることにする!
そしたら『図書室の少女』は存在することになるんでしょ?」
男「そうだぜ」
女友「なんか面白いじゃない。自分が信じることによって存在する幽霊なんてさ」
男友「まあそうだな。信じる信じないってのはオカルトに重要だし」
女「じ、じゃあ私も信じてみようかな…てへへ、何だか不思議な気分っ」
男「よし、じゃあこれで怪談会はお開きだな」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:24
ID:U/9BK21t0 男友「さてそろそろ寝るか、明日も夏季補習だぜ」
女友「あ!教室にテキスト忘れてきちゃった!どうしよ…明日課題提出なのに…」
男「取ってくればいいじゃん」
女「私がついていってあげるよ」
女友「ホント?ありがとっ」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:26
ID:U/9BK21t0 -校舎内-
コツコツコツ…
女「やっぱ夜の校舎って不気味だよね…」
女友「あんな話をした後だしね…あっ」
女「どうしたの?ここ…図書室?」
女友「ねえ、今いるのかな?『図書室の少女』って」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:28
ID:U/9BK21t0 女「…いないでしょ。さすがに」
女友「で、でもね…たとえ作り話としても…やっぱり怖くなっちゃうよね」
女「ま、まあね…でもやっぱり作り話は作り話で―――」
―――――…。
女友「…えっ?何いまの感じ…」
女「女友も感じたの?私も何か感じた…まるで…」
女友「う、うん…気配のような何か…」
女「図書室の…中から―――」
―――――
―――
―
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:08/11/03 20:29 ID:H2+Fh2+tO
怪談「シャル ウィー ダンス?」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:31
ID:U/9BK21t0 -合宿室-
バタバタバタッ!!
男「おいおい、もっと静かに帰って来い―――」
女「いたのよッ!!本当にいたのッ!!」
男友「いたって…何が?」
女友「と…『図書室の少女』がッ!!」
男「はあ?見間違いかなんかだろ?」
女「ち、違うのッ!!本当なんだからッ!!」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:34
ID:U/9BK21t0 男友「ったく、騙そうったってもう少し上手くやれよな?
せめて少しを日を空けないと真実味に欠けるじゃねーか」
女「ほ、本当なのに…」
男「分かった分かった。とりあえず寝ろ。また明日聞いてやるから」
女友「………」
女「どうして…信じてくれないのよ…」
―――――
―――
―
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:36
ID:U/9BK21t0 -8月2日朝 校舎内-
男「じゃあ俺はこっちの教室だから」
男友「ういっす、またな」
女「………」
男「おいおい、まだ元気ないのかよ?」
女友「本当に見たんだから…」
男友「ったく、ここまで演技できたら見事だよな…。
俺が話を聞いておくからお前は教室行っておいてくれよ」
男「おう」
女「………」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:38
ID:U/9BK21t0 男「ふいー、さあ1時間目は古典か…だりいな、補習とか」
男「………」
男「女と女友、マジで昨夜から元気ないな…嘘ついてるにしてもあれはやりすぎだろjk…」
男「…まさか本当に『図書室の少女』を見たのか?」
男「ないない、絶対にないって。あれは本当に急場しのぎの作り話だしな」
男「いないんだよ、『図書室の少女』なんてさ…」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:40
ID:U/9BK21t0 -同日夕方 校舎内-
男「よーし、補習終了ッ!」
男「さて帰るか」
ガラッ
男友「………」
男「おう男友、ちょうどよかった!一緒に帰ろう―――」
男友「あ、ああ…」
男「…どうした?何か顔色悪いぞ?」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:42
ID:U/9BK21t0 男友「…なあ、お前が昨夜した『図書室の少女』の話、あれは本当に作り話なのか?」
男「はあ?」
男友「あれは本当に作り話なのかと聞いてるんだよッ!?」
男「お、おいおい…落ち着けって。あれは作り話だ―――」
男友「嘘だッ!じ、じゃあ…俺が昼間に見たあれは…」
男「な、何を言ってるんだよ…」
男友「見たんだ…昼間に…『図書室の少女』を…」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:44
ID:U/9BK21t0 男友「俺も最初は女と女友を信じちゃいなかった…でもあいつらマジで怖がってるからさ…。
昼休みに1人で来たんだ…図書室に」
男「…それで?」
男友「最初は何もなかった…けど、図書室を出ようとした時に…」
男「出ようとした時に…!?」
男友「…す、すまん。は、話せない…話したくない…」
男「お、おいおい…」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:47
ID:U/9BK21t0 男友「す、すまん…俺疲れてるみたいだ。さ、先に帰るわ…」
男「だ、大丈夫かよ?」
男友「あ、ああ…すまん…たぶん大丈夫だ」
男「気をつけて帰れよ」
男友「ああ…なあ、もう1回聞かせてくれ。あれは作り話だよな?」
男「作り話だよ…俺のな」
男友「そう、か…」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:49
ID:U/9BK21t0 男「…男友まで何を見たって言うんだ?」
男「あれは間違いなく俺の作り話で『図書室の少女』なんて存在するはずは…」
男「あいつら…グルになって俺を騙そうとしてるだけじゃないのか?」
男「………」
男「一応行ってみるか、図書室に…」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:51
ID:U/9BK21t0 -図書室-
ガラッ
男「図書室なんて入るの久しぶりだな…俺、本なんて全然読まないし」
男「…まあ、別段変わったところなんて無いよな?」
男「やっぱりあいつらグルになって俺のことを騙そうとしてるとしか―――」
ガタッ
男「ッ!?」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:53
ID:U/9BK21t0 シーン…
男「…おい、扉のところに誰かいるのか?」
男「ただの風か…?」
男「………」
男「ちくしょう、何だか本当に怖くなってきたじゃねーかッ!」
男「か、帰ろ帰ろっ!嘘っぱちを気にしすぎだよな―――」
―――――…。
男「…ッ!?」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:56
ID:U/9BK21t0 ドクンドクン
男「…(な、なんだこの感じ…)」
ドクンドクン
男「…!(背後に…誰かいる…!?)」
ドクンドクン
男「…!(振り返るべきか?いや、しかし…)」
ドクンドクン
男「…(いるのか?背後に『図書室の少女』が…)」
ドクンドクン
男「ッ!?(そんなはずはない!あれは…あれは作り話だッ!)」
ガバッ!!
男「いるわけなんかないッ!!」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 20:58
ID:U/9BK21t0 シーン…
男「はあ…はあ…ちくしょう、やっぱ誰もいないじゃねーか…」
男「…気の、せいだ…絶対に、絶対に気のせいだ」
男「いるはずがない…『図書室の少女』なんて…絶対に…」
男「ふう…ふう…」
男「帰ろう…俺も…疲れているんだ…」
―――――
―――
―
37 :
1[sage]:08/11/03 21:00
ID:U/9BK21t0 ごめんなさい、30分ほど落ちます。
保守してくれると嬉しいかもです。
なお、今後特にことわりもなく長時間投下がなければ猿を食らってるものとみなしてください。
しばらくすれば復活すると思います。
41 :
再開[]:08/11/03 21:24
ID:U/9BK21t0 -8月3日朝 校舎内-
男「…今日の1時間目は物理か」
男「今日も男友・女・女友みんな元気がなかったな…」
男「3人とも『図書室の少女』の話ばかりじゃねーか」
男「違う、あいつらはグルだ!絶対に…絶対に嘘に決ま――」
同級生1「なあ知ってるか?図書室に女の子の霊が出るんだとさ」
同級生2「マジかよ?嘘だろ?」
男「ッ!?」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:28
ID:U/9BK21t0 同級生1「―――」
同級生2「―――」
男「嘘…だろ?噂が広まってるのか?あの怪談会からまだ2日だぞ!?」
男「おい、お前ら!その話どこで聞いたんだ?」
同級生1「どこって…どこだっけ?」
同級生2「俺は知らねえよ。いまお前から聞いたんだから」
同級生1「うー、どこかで聴いたんだけど…思い出せねえ」
男「ちっ…どういうことだ?」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:30
ID:U/9BK21t0 男「本当に広まりつつあるのか?ただの作り話だぞ?」
男「聞いたとすればあの3人か…あいつらが話している可能性はあるけど…」
『そう、作り話を知ることによって存在が具現化されるんだ。
だからこの話はもう作り話じゃない―――』
男「まさか、な…そんなことが起こるわけない…起こるわけが…」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:33
ID:U/9BK21t0 -同日昼 校舎内-
男友「よっす。一緒に昼でも食わないか?女や女友もいるぞ」
男「…なあ、お前に聞きたいことがある」
男友「なんだ?」
男「お前、『図書室の少女』の話を回りに言いふらしてるんじゃないだろうな?」
男友「お、俺が?いやいや、してねえし」
男「本当だな?」
男友「本当だよッ!つーか、何?お前も見たのか?」
男「見てねえッ!!俺は断じて見てねえよッ!!」
男友「お、おお…そうか…」
男「見てない…俺は見てないんだ…!」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:35
ID:U/9BK21t0 女「あ、男もいるじゃんっ」
女友「こっちこっち!一緒にご飯食べ―――」
男「なあ、お前らあの『図書室の少女』の話を誰か他の人に言ったか?」
女「…ほえ?」
女友「いや、私は言ってないけど…?」
女「う、ううんッ!私も言ってないよっ」
男「嘘だッ!お前らが言わないとどうして俺のクラスのやつらが知ってるんだよッ!
おかしいだろッ!!」
男友「おいおい、お前どうしちゃったんだよ!?」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:38
ID:U/9BK21t0 男「お前らは本当に『図書室の少女』を見たのか!?
お前ら全員グルになって俺を騙そうとしてるだけじゃないのか!?」
女「…ど、どうしたの?」
女友「なんか様子がおかしいよ、男クン…」
男「どっちなんだ?見たのか、嘘なのか!?」
男友「…やれやれ、まさかここまで上手くいくとはな」
男「なに…?」
男友「嘘だよ…お前の言うとおり、俺たちがお前を騙そうとしていただけだ」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:41
ID:U/9BK21t0 女「ご、ごめん!まさかそこまで本気で騙されるなんて思ってなくて…」
女友「おととい、テキスト取りに行ったとき、
なんか図書室の前で不気味な気配を感じて怖くなっちゃって…。
それで…怖くなった仕返しに騙しちゃえ、みたいな感じで…」
男友「お、俺も後からこの2人に聞いて…のっかったんだ…すまん」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:43
ID:U/9BK21t0 男「ほ、本当に嘘なんだな!?間違いないな!?」
女「本当だよッ!?私たち誰も幽霊なんて見てないからさっ」
女友「男クンのクラスメイトは私の友達だから、
さりげなく男クンに聴こえるように喋ってもらっただけ…ご、ごめんね」
男「な、何だよ…やっぱりそうだよな!?ったく、マジでびびったぜ…」
男友「お前マジでびびってたのか!?うししし、大成功だなっ」
男「ち、ちくしょう…なんかすっげー恥ずかしいじゃねーか…」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:45
ID:U/9BK21t0 -同日昼過ぎ 校舎内-
男「よし、昼イチは数学か…頑張るぞ!」
男「それにしても俺、なんかバカみたいだよな」
男「自分の作り話にここまで騙されるなんてさ…どうしてこんなに気にしちゃったんだろ」
男「うっし!気を取り直して昼からは集中だ―――」
『そう、作り話を知ることによって存在が具現化されるんだ。
だからこの話はもう作り話じゃない―――』
男「…なんで自分で喋ったてきとーな話を思い出すんだよ…」
男「もう終わったんだよ…『図書室の少女』の話はな…」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:48
ID:U/9BK21t0 -同日夕方 校舎内-
男「ふう、補習終わりっと!さて、家に帰るかな」
同級生3「ねえ、ウチの学校の図書室にさ、少女の霊が出るらしいよ?」
同級生4「うっそー、マジで?」
男「ッ!?」
同級生3「なんでもね、『自殺した』少女の霊がさまよっているんだって!」
同級生4「なんかどこでもありそうなホラーって感じよね」
男「なん…だと…?」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:50
ID:U/9BK21t0 男「おいっ!お前らその話どこで聞いたんだ!?」
同級生3「どこって…さっき同級生2が話してたのが聴こえただけだけど?」
男「ちっ…昼間の会話か…!いやいや、『自殺した』って何のことだ?」
同級生3「えっ…確かそんなことを言ってたような言ってなかったような」
男「言ってねえだろそんなこと!いいか、その話はするなよ!?」
同級生4「と、突然なんなのよ…アンタ」
男「絶対だぞ!?もう…止めてくれその話は…」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:52
ID:U/9BK21t0 男「ちっ…いつまで嘘っぱちの話が横行するんだよ…しかもワケの分からん話までくっついて…」
『噂は時としてありえない進化を遂げることがあるんだ―――』
男「…ねえよ、んなこと。絶対にねえ。あってはいけないんだよ」
『つまり図書室の少女の存在はたとえ架空でもその存在を知る人間が増えれば真実になり得るということだ―――』
男「ならねえよ…気にしすぎだ…そんなことには絶対にならねえよ…」
男「なるはずが…ないんだ…この話は嘘っぱちだからな…」
―――――
―――
―
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:55
ID:U/9BK21t0 -図書室-
男「…ここは、図書室か?」
男「…はて、俺は何の用があって、図書室に来たんだっけな?」
男「うーん、思い出せない…確か俺は家に帰ろうと―――ッ!?」
?「………」
男「…!(お、女の子…?)」
?「………」
男「と、図書室の少女ッ…!?」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:57
ID:U/9BK21t0 ?「………」
ヒタッ… ヒタッ… ヒタッ…
男「く、来るなッ!こっちへ来るなよッ!くそっ!」
ダダダダダダッ ガタン ドカッ
男「ちくしょう!なんで扉が開かねえんだよッ!?」
ヒタッ… ヒタッ… ヒタッ…
男「来るな!来るんじゃねえッ!俺はお前の存在なんて認めない!」
男「お前なんて嘘っぱちなんだよ!存在するわけがねえッ!!」
ヒタッ… ヒタッ… スゥッ…
男「き、消えた…?」
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 21:59
ID:U/9BK21t0 男「そ、そうだよ!お前なんて…お前なんていない!存在しないんだ!」
男「お前は存在を認められなければこの世に存在しない!ははははッ!
だからお前は…『図書室の少女』はもう消え―――」
?「…モぅ…遅イょ…」
男「ッ!?(は、背後ッ!?)」
?「私ヲ止メる事ハ、もゥでキなィ…」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:01
ID:U/9BK21t0 -同日深夜 自宅-
ガバッ!!
男「うああああああああああッ!?」
コチコチコチコチ…
男「はあ…はあ…ゆ、夢…?」
男「…ちくしょう、なんてリアリティのある夢だよ…」
男「どうしちゃったんだ、俺は…嘘っぱちごときに…」
男「もう止められないって…」
男「何だか…とてつもなく嫌な予感がする…」
―――――
―――
―
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:04
ID:U/9BK21t0 -8月4日朝 校舎内-
同級生5「ねえ、聞いた?図書室でね―――」
同級生6「知ってる知ってる!あれでしょ―――」
同級生7「『昔同級生のストーカーに殺された』少女が―――」
同級生8「違うわよ。聞いた話だと『交通事故で』―――」
同級生9「『夜行くと奥の本棚に血だまり』が―――」
男「………」
男「…なんでだよ」
男「どうしてたった1日でここまで噂が広がっているんだよッ!?」
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:06
ID:U/9BK21t0 友「ういーす、おは―――」
男「お前かッ!?お前が噂を広めたのかッ!?」
男友「…は?何の話だよ?」
男「『図書室の少女』だよッ!なんでたった1日でここまで噂が広がるんだッ!?
どう考えてもおかしいだろうがッ!?」
男友「お、落ち着けよ!俺は何もしてねえよ!つーかあの話は昨日ネタバレしたじゃねーかッ!」
男「嘘だッ!誰かが…誰かが広めているに違いないんだよッ!」 ダダダダッ
男友「お、おいッ!」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:09
ID:U/9BK21t0 女「あー、男おはよう」
女友「おはよう男ク―――」
男「お前らまた喋ったな!?」
女「…ほえ?何を?」
男「『図書室の少女』だよ!なんでウチのクラスのやつらがあんなに知ってるんだ!?
誰かが喋っているとしか思えないッ!」
女友「わ、私は何もしてないよ?てゆーかあの話は昨日したじゃん」
女「私も!ね、ねえ男はちょっと気にしすぎじゃ…」
男「ちくしょう!これ以上広まったら…本当に…!」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:11
ID:U/9BK21t0 -同日昼 校舎内-
男「はあ…はあ…どいつもこいつも『図書室の少女』の話ばかり…どうなってるんだ!?
どうして知れ渡るんだよッ!?」
男「誰かが…誰かが俺を陥れようと噂しているに違いない!絶対にそうだ!
いるはずがないんだ!『図書室の少女』なんて…!」
男「あの話は…嘘っぱちなんだよ…!」
同級生10「ねえ聞いた?あの話…『図書室の少女』の話…」
同級生11「えっ?何その話っ」
同級生10「何でもね、図書室には少女の霊がいて、ずっとさまよっているらしいの。
『お父さんはどこ?お父さんはどこにいるの?』って言いながら、ね…」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:13
ID:U/9BK21t0 男「…お父さん、だと?」
男「何だその噂は…ちくしょう!これじゃまるで本当に俺が話をした通りに…」
『噂は時としてありえない進化を遂げることがあるんだ―――』
男「…もう、無理だ。『図書室の少女』はもう…単なる俺の作り話じゃなくなってしまった…」
男「もう止められない…」
『作り話を知ることによって存在が具現化されるんだ。だからこの話はもう作り話じゃない―――』
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:16
ID:U/9BK21t0 -同日夕方 校舎内-
男「………」
男友「よう、元気か?」
男「男友か?…元気、とは言えないな」
男友「だろうな。…なあ、単刀直入に言ってもいいか?」
男「なんだ?」
男友「たぶん…お前は気にしすぎだと思う」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:18
ID:U/9BK21t0 男「気に…しすぎ…?」
男友「確かにすごいスピードであの話が広まっているけれど、結局は単なる話のネタ程度だろ?
あくまで偶然だ。誰もまともに信じちゃいない。噂でしかないと思う」
男「………」
男友「俺らが悪かった。お前を騙したせいでお前の心に傷をつけちまったみたいだ…本当にすまん」
男「いいさ…」
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:20
ID:U/9BK21t0 男「なあ、『図書室の少女』なんていないよな…?俺の気にしすぎで間違いないよな?」
男友「間違いない。だって誰一人『図書室の少女』を見たやつはいないんだ。
あくまでお前が作り出した噂話に過ぎないさ」
男「架空の話でも信じすぎると現実になるなんて…自分で言ったことだけど、嘘だよな?
あり得ないよなっ!?そうだろッ!?」
男友「…お前は話が上手すぎたんだ。そんなことはあり得ない。絶対にないはずだ」
男「だよ、な…その通りだ…」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:23
ID:U/9BK21t0 男友「もう今日は帰れ。お前は疲れているんだ」
男「すまん、お前にまで気を使わしてしまって…」
男友「なに、気にするな。噂なんてそのうち消える。それまでの辛抱だ」
男「ああ、すまんな。お前は帰らないのか?」
男友「俺は今から図書室で勉強だ。おっと、気にするなよ?
そこで気にするからダメなんだよ」」
男「あ、ああ…そうだな。じ、じゃあ…」
男友「ん、またな」
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:25
ID:U/9BK21t0 男「うっし!少し元気が出てきた!そうだよ、俺は気にしすぎなんだよ」
男「つーか昨夜見た悪夢のせいだな。ったく疲れてるとはいえ、夢を真に受けるとはな…さて帰ろう」
同級生12「ねえ知ってる?『図書室の少女』の話」
同級生13「知ってる知ってる!」
同級生14「私も聴いた!」
男「…気にしちゃダメだ。どうせすぐに消えて―――」
同級生15「あれだよね!?『お父さんはどこ?』っていうやつ!」
男「そ、それ…さっきもどこかで…」
『噂はやがて絶対不変のものへと洗練されていく―――』
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:28
ID:U/9BK21t0 同級生12「そうそう!でね、図書室を訪れる人間が『お父さん』じゃなかったら殺していくんでしょ?」
同級生13「やだ!もう怖くて図書室になんか行けないじゃん!」
同級生14「まあ今は夏季補習中だから行く必要も無いけどね」
同級生15「確かに…予備校行くって普通は。あははははっ」
ドクン
男「…気にしすぎだ」
ドクン
男「考えるな。噂だ、たまたま同じ噂を聴いただけで…」
『噂が確固たるものなったあたりから信じられないことが起き始める―――』
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:31
ID:U/9BK21t0 男「…まさかな、大丈夫だそんなことあるわけ…」
『図書室の少女の目撃情報が相次いだんだ―――』
ドクンドクン
男「気に…したらダメだ。俺は…疲れているだけで…」
男友『俺は今から図書室で勉強だ』―――
男「大丈夫、大丈夫だ。あいつは今頃静かに勉強を…」
ドクンドクン
同級生12『そうそう!でね、図書室を訪れる人間が『お父さん』じゃなかったら殺していくんでしょ?』―――
男「…ちくしょう!」 ダダダダダダダダッ
『そう、ついに死人が出たんだ―――』
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:33
ID:U/9BK21t0 ダダダダダダダダッ
男「ハア…ハア…」
男「そこの角を曲がれば…図書室だ…!」
男「ついた!」
男「はあ…はあ…明かりが…ついてる…?」
男「特に何も変わった様子は…」
男「い、一応中を確認して…」
男「いや、ダメだ…これ以上男友に気を使わせたら…」
男「全ては俺の気にしすぎ…なんだ」
男「帰ろう…」 クルッ トボトボ…
―――――
―――
―
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:35
ID:U/9BK21t0 -同日夜 自宅-
男「………」
男「俺、本当にどうしちゃったんだろう…」
男「ありもしない嘘っぱちを作って、それに振り回されて…。
自分で作った怪談に自分が振り回されるなんてな…」
男「…いや、大丈夫だ。もう『図書室の少女』は気にしない。すべては俺の気のせい、幻なんだよ…」
男「…寝よう。明日もまだ補習があ―――」
トゥルルルルルルッ!! トゥルルルルルルッ!!
男「ッ!?で、電話…?」
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:38
ID:U/9BK21t0 男「はい、もしもし…?」
―――あ、もしもし?夜分すみません。私、男友の母親なんですけれど…。
男「あ、いつもお世話になっています」
―――こちらこそ。ちょっとお聞きしてもいいかしら?
男「あ、はい何でしょう」
―――うちの息子、男君のところにお邪魔してない?まだね、家に帰ってないのよ。
男「な…に…?」
―――いつもは連絡なしに帰らないことなんてないんだけど…。
ガチャンッ!! ツーツーツー…
男「ちくしょうッ!!」 ガタンッ ダダダダダダダッ!!
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:40
ID:U/9BK21t0 -同日深夜 校舎内-
ダダダダダダダダッ
男「ハア…ハア…!!」
男「ちくしょう!どうして…どうしてあの時俺は図書室の中を確認しなかったんだッ!?
くそったれがッ!!」
男「いたんだ…本当に…『図書室の少女』は本当に俺が作り出してしまったんだよ!ちくしょうめッ!!」
男「頼む…男友無事でいてくれよッ!?」
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:44
ID:U/9BK21t0 男「…つ、ついた!」
ガチャガチャガチャッ!!
男「あ、開かない!?昨日は開いたじゃねーか!?何で開かないんだよッ!?」
男「ちくしょう!こうなったら力づくで―――」
ガッ
男「うおッ!?何か足に当たった!?」
男「これは…男友の携帯電話ッ!?」
男「やっぱり…アイツこの中に…」
男「…開け!開けぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
ドカッ ガリッ ゴリッ ドガガガガガガガッ
メキメキメキッ!!
男「うおおッ!?あ、開いた…」
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:47
ID:U/9BK21t0 -図書室-
男「はあ…はあ…『図書室の少女』はどこだ!?返事しろッ!?」
男「ちくしょう!おい!この部屋にいるんだろう『図書室の少女』!?
俺だ、俺がお前を生み出した『お父さん』だ!」
男「出て来いよッ!?お前はお前を生み出した俺を探して図書室をさまよっているんだろう!?」
男「夕方に来た男友は関係ない!俺だ!俺こそがお前の生みの親だ!」
男「はあ…はあ…」
男「どうしてだ…どうして出てこないんだよッ!?お前は存在してるんじゃないのかッ!?
お前は俺によって生みだされたんだろうッ!?」
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:49
ID:U/9BK21t0 男「男友を返せよ!お前が殺したんだろうッ!?なあ『図書室の少女』!?」
男「早く出て来い!」
ドカッ ゴトゴトッ ガシャーン
男「ここか!?ここにいるのかッ!?出て来い『図書室の少女』!!」
ガラン ガサガサガサッ ガチャン バラバラバラッ
男「はあ…はあ…どうして…」
男「どうして現れないんだよ…」
ピリリリリリッ!! ピリリリリリッ!!
男「け、携帯電話…?男友の…?」
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:51
ID:U/9BK21t0 男「…も、もしもし?」
―――あら、携帯電話に出る勇気があったのね?
男「…は?」
―――とぼけないで!どうせ女の家にいてるんでしょ?
男「…誰だお前?」
―――誰だですって!?私は女友に決まってるでしょッ!?二股かけといて何よその言い草ッ!
嘘ついてもダメよ?さっき女の家に仲良く入っていくの、私見たんだから。
男「………」
―――二股相手のメス豚野郎と楽しく過ごしているところ申し訳ないけど、私、アナタのことは絶対許さないから。そもそも…
ピッ ツーツーツー…
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:08/11/03 22:52 ID:IMQ4B3PfO
男友「ん?なんか気配が・・・」
男友「ははっ 俺までどうかしてる・・気にしすぎだろwww」
男友「図書室には今は俺一人しかいないんだし・・・」
男友「そもそもアイツの作り話―」
ガタン
男友「!?だ、誰だ!?・・・って風か・・・」
男友「ほんとどうかしてる・・・風にビビるなんて・・・」
男友「ちょっと窓でもあけて風に当たるか―――って窓・・・?じゃあさっきのは――」ガタガタン
男友「!??だ、誰だ!!俺を脅かそうとして悪戯してるのか!?」
ヒタ ヒタ ヒタ
?「……」
男友「!?と、図書室の少女…!」
?「……」
ヒタ ヒタ ヒタ
男友「ヒッ!ヒィィィィ!!く、来るなああああ」
?「……」
男友「うわああああああああああああ」
?「ヮィヮカッォャ」
男友「なんだ磯野君かー」
カツオ「中島!野球しようぜ!」
中島「わかったよ!磯野君!」
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:54
ID:U/9BK21t0 男「…はは、ははははははは」
男「なんだ…男友は『図書室の少女』に殺されたわけじゃないんだ…あはっあははははははは…」
男「心配して損したじゃねーか…あいつ女の家にシケ込んでただけとか…何だよそれ…くくくっ」
男「全部俺が勘違いしてただけで…何なんだよ、俺バカみたいじゃん」
男「なあ、『図書室の少女』…お前は俺のことどう思う?」
男「結局すべて俺の妄想じゃないか…何してんだよ俺…かっこわりい」
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:57
ID:U/9BK21t0 『図書室の少女』はやっぱりいないのか?
いや、そんなはずはない。
いるはずだよ。だってこれだけ不思議なことが起こってるんだ。
なあ、そうだろ?いるんだろ?
俺が作り出した『図書館の少女』…いないはずがないんだよ。
そうだ、いるんだ。『図書館の少女』はいる。
絶対にいる。間違いない。いるんだよ。『図書室の少女』はいるんだ!いるんだよッ!!
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。存在する。
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:00 ID:/QQJenUy0
>>134 でも図書室にいる女って大概ブスだよね。クラスに馴染めない根暗なブスばっかだよね
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 22:59
ID:U/9BK21t0 男「なあ、お前はいるよな?確かにいるんだよな?」
シーン…
男「答えてくれよ『図書館の少女』…いるんだろう?なあ?
お前は確かに存在しているよな?そうだよな?」
シーン…
男「くっ…くふふふふ…そうだよ、お前は確かに俺が生み出したんだ。
『図書室の少女』の父親は俺だ…!他の誰でもない…俺なんだよッ!!」
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:02
ID:U/9BK21t0 男「ひゃははははははははッ!!そうだ!!『図書室の少女』は存在する!!
存在するんだ!!いるはずだ!!この図書室のどこかに!!」
ガシャン バリーン ガリゴリガリッ!!
男「どこだ!?どこにいる『図書室の少女』ッ!?ここか!?
ここにいるのか!?出て来い!!俺がお前のお父さんだよ!?」
男「ほらほら!お前のお父さんだよ?早く出てきてく―――」
――――――…。
男「あ…」
―――それは、間違いなく『図書室の少女』だった。
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:04
ID:U/9BK21t0 男「ふふ…ふふふふふっ…そこにいたのか…やっぱりいたんだな…」
―――たぶん『図書室の少女』だ。それ以外に考えられない。
男「ほら、お前のお父さんだ。お前に会えるのをどれだけ楽しみにしていたと思う?」
―――ずっと待ちわびていた『図書室の少女』。
ザリッ ザリッ ザリッ…
男「いま、そっちに行く…くふふ、そっちに行くぞ…」
―――ああ、俺の作り出した『図書室の少女』。ずっと…ずっと会いたかった。
男「ふ、ふふ…あと少しだ。あと少しでそっちに…」
ガッ ガリゴリッ ドサドサドサッ
―――棚に上り、『図書室の少女』に近寄る。
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:06
ID:U/9BK21t0 男「やっと…やっと会えたな…『図書室の少女』…!」
―――ついに『図書室の少女』に会うことが出来た。
男「初めまして、『図書室の少――」
ユラリ… グラッ
―――そこには足場のない、夜空が広がるばかりだった。
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:10
ID:U/9BK21t0 男「な…に…?」
―――ああ、体が落ちる。
男「そ、そんな…」
―――やっと会えた『図書室の少女』が猛スピードで遠のいていく。
男「と、『図書室の少女』…」
―――刹那、『図書室の少女』は笑った気がした。
まるで「私を生んでくれてありがとう」と言ってくれているかのように。
男「ああ…」
―――その『笑顔』を見届けた瞬間、俺の体は地面に激しく叩きつけられた。
2度と俺の目に『図書室の少女が映ることはなかった。
―――――
―――
―
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:08/11/03 23:11 ID:IMQ4B3PfO
やべぇ…男が脳内美少女を召喚してイチャイチャしようとしてるとしか思えねぇ…
俺も自分だけの『図書室の美少女』に会いたい
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:12
ID:U/9BK21t0 -エピローグ 数日後-
同級生3「聞いた!?ウチのクラスの自殺者の話っ」
同級生4「夜中に学校に忍び込んで、図書室で暴れてそのまま自殺したんでしょ!?」
同級生5「頭おかしくなったんじゃないッ?」
同級生6「でも噂によると図書室に男友君の携帯電話が落ちてたんだって!」
同級生5「でもアリバイあるんだって。女さんの家にいてたらしいよ」
同級生7「やだ…男友君て女友さんと付き合ってなかったっけ?」
同級生8「二股じゃない?なんだかヤラシーっ」
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:14
ID:U/9BK21t0 同級生9「でもさでもさ!これってあれじゃない?『図書室の少女』の呪いじゃない!?」
同級生10「え…怖い。ただの噂だと思ってたのに…もう図書室行けないッ」
同級生11「『図書室の少女』の呪いは本当だったんだよ、きっと!」
同級生12「もう止めてよ!本当に怖くなってくるじゃない!」
同級生13「私、絶対図書室になんか行かないっ!」
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:16
ID:U/9BK21t0 -校舎内-
男友「………」
女「元気だしなよ。男君のアリバイはわたしが保証するから…」
男友「なあ、どうして男は死んだんだと思う?」
女「えっ?精神的な自殺じゃないの?」
男友「…単刀直入に聞きたい。『図書室の少女』を信じるか?」
女「だ、だってあれは嘘の話でしょう?」
男友「そうだ、間違いなく発端は嘘の話だった…けど…」
女「………」
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:19
ID:U/9BK21t0 男友「今や学校の中で『図書室の少女』を知らないやつはいないし…。
男がああなった今、信じてるやつもたぶん多い」
女「本当に存在しているってこと?」
男友「分からない…ただ」
女「…ただ?」
男友「『図書室の少女』は幽霊とか妖怪よりももっと最悪な存在なんだと思う」
女「………」
男友「あの図書室には本当にいるんだろうか…。無から作り出された得たいの知れない何かが―――」
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:22
ID:U/9BK21t0 -図書室-
女友「どういうことなの?あの時私がかけていた電話は確かに誰かが出た。
なのにその携帯電話は男友の自宅じゃなくてこの図書室で発見された…」
女友「本人は図書室で落としたって言っているけど…怪しい。きっと何かの理由で男友が男を殺したのよ!」
女友「ふふっ、見つけてやるわ…その証拠を。私を裏切ったことを後悔させてやるんだから…」
―――――…。
女友「…え?」
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:24
ID:U/9BK21t0 女友「おかしいわね…いま確かに何か聴こえた気が…」
―――…。
女友「聴こえる…ちょっとねえ、誰か図書室にいるの?」
―――…。
女友「誰なのよ?あ、男友ね。そうでしょ!?証拠隠滅を図ろうなんて考えてんでしょッ!?
出てきなさいよッ!」
―――…。
女友「…え?」
サアアアアアッ バタバタバタバタッ…
―――――
―――
―
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:26
ID:U/9BK21t0 ―――――…。
男友「…ん?」
女「どうしたの?」
男友「いや、どこかから何か聴こえた気が…」
女「気のせいじゃない?」
男友「いや確かに何か…上の方から―――」
グアッ ドガシャアアアアアアアッ!!
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:29
ID:U/9BK21t0 女「な、何か落ちてきた…きゃあああああああッ!?」
男友「女友ッ!?し、死んでるのかッ!?い、一体どこからッ!?」
男友「この上は…図書室…」
女「いやああああああああああッ!?」
男友「…バカな、まさか本当に…」
俺たちは本当に『図書室の少女』を生み出してしまったのかもしれない―――。
fin
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:31 ID:VqGX28pr0
乙
179 :
1[]:08/11/03 23:32
ID:U/9BK21t0 ここまで糞スレに付き合ってくれてありがとう。
今回は純正ホラーをやってみた。ただ、普通にホラーを書いても面白くないので、
いろいろ考えた結果「正体不明の何か」というホラーにしてみたが、いかがだっただろうか。
最初から最後まで「図書室の少女」は姿を現さないし、「図書室」である根拠も「少女」である根拠もない。
というか正体がないし、そもそも本当に存在しているのかどうかも分からない。
ただただ漠然と「図書室の少女」という何かが存在するのではないかという疑惑で進むホラーのつもりで書いてみた。
今回は全く伏線もなければ逆転のオチもない。
最初に男が述べた怪談の結末通りである。
でもだからこそ、何か得体の知れない恐ろしさが伝わるのではないかと思う。
あまり筆力もないため上手く書けたかどうか分からないが、少しでも楽しめてもらえたのなら幸いである。
また何か書いたら読んでやってくれ。じゃあな、おやすみ(´・ω・`)ノシ
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:32 ID:7izss2FMO
乙~
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:08/11/03 22:07 ID:seAuctsoP
スレ立てごとにだんだんパターン化してきてるな
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:08/11/03 23:35 ID:uQdoF/re0
面白かった乙
予想は裏切られたw
噂と少女は関係ないみたいだが・・・
184 :
1[sage]:08/11/03 23:40
ID:U/9BK21t0 追伸代わりの蛇足。
神栖麗奈は知らないけど怪談と踊ろうは知ってます。
意識したつもりはないけど…確かに似たような話の展開だw
ごめんなさい。でもパクッてはいません。
>>76
おっしゃる通り、最近マンネリが激しくて…。
次回はもっと違った話を考えます。
>>181
関係ありません。というか「図書館の少女」は1度も物語に登場しません。
あくまで男の作り出した「何か」であって、象徴以外の何者でありません。
ただ噂を介して「図書館の少女」という名の「何か」は肥大化していきます。
それがどういう意味で肥大化しているのかは皆さんの想像にお任せ致します。
他にも何か質問あれば少しならお答えします。
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/03 23:45 ID:liWF+fg+O
乙っした
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:08/11/04 00:11 ID:jHLomIdN0
オチ重視じゃないじゃなくて、面白いオチが書けないだけだろ
んで、オチを叩かれまくって、落ちがない方が面白いんじゃねという
逆転の発想をしても面白くなかった、というところがオチ
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:08/11/04 00:46 ID:9ZcFdM8YP
文章自体は非常に読みやすい部類の人。
ただそのせいでストーリーの粗が文章にそのままでてきてしまうのが
長編書きとしてのこの人の不幸だと思う。
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