ξ゚⊿゚)ξはいたずらっ子のようです
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:11
ID:6apTNQg/0
ブーンとツンが育った町は、寒くても暖かい小さな町。
小さな寂れたこの町の自慢は、冬の海岸一面に咲く波の花。
ただそれだけしか印象に残らないような町なのに、ブーンはこの景色が大好きなんだ。
なんでかって?それは……
ブーンの傍には、いつもいつもいたずらをして嬉しそうに笑うツンが居たから。
ブーンはツンが大好きだお。
ξ゚⊿゚)ξはいたずらっ子のようです
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:11 ID:JBcE8EHV0
wktk
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:12
ID:6apTNQg/0
今日のブーンは枕元でフライパンとおたまの合唱を聞かされて目を覚ましましたお。
おもわず飛び起きっちゃってツンのおでこにごっつんこしてしまい、ツンに誤るところからが今日の始まりだお…
というか、ブーンが悪いのかお?
( ^ω^)「すごい雪だお」
ξ゚⊿゚)ξ「警報でてるって。今日は学校休みね」
( ^ω^)「そうなのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
窓の外は大雪。
家の前の道路には、雪が積もったツンの自転車が見える。
……積もってる?ツンはいつからブーンの部屋にいるんだお?
そういえばなんか、お布団が暖かい。ぬくぬくだお。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:12
ID:6apTNQg/0
ξ゚⊿゚)ξ「外寒かったわ」
( ^ω^)「みたいだお」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンの布団引き剥がしたら、チワワみたいにぷるぷるしてたから可哀想になった」
(;^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「面白かったけど風邪ひかせると悪いからちゃんと被せてあげたのよ?感謝してよね」
( ^ω^)「引き剥がしといてなにをry」
ξ゚⊿゚)ξ「なによ」
(;^ω^)「なんでもないですお」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:13
ID:6apTNQg/0
ツンはブーンの布団を奪うと、自分を包みこんで一言。
ξ゚⊿゚)ξ「寒い」
ブーンも寒いお。布団を奪わないでくれお。
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ私はなにを被ればいいのよ?」
……一緒に?
ξ////)ξ「ば、ばか」
あれ?なんでてれてるんだお?
ξ*゚⊿゚)ξ「てれてなんかないわよ!ブーンが変なこと言うから……」
でもおかしいお。
ブーンのお布団。ブーンだけの体温にしてはぬくぬくすぎるお。
誰か……もう一人分ぐらいのぬくもりが詰まってるみたいだお。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:15
ID:6apTNQg/0
ξ////)ξ「し、しらないもん」
そうかお?
ブーンはてっきりツンがブーンの隣にry
ξ////)ξ「うるさいうるさい!」
ぼふ!
http://www.uploda.org/uporg1025804.jpg
まとめさんhttp://vip.main.jp/406-top.html
それじゃよろしくお願いしますよ。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:16 ID:QsCsMdKkO
ξ゚⊿゚)ξ 女装した麻生閣下にしか見えない
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:18
ID:6apTNQg/0
( ^ω^)「寒くないかお?暖房つけようかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「いらない」
( ^ω^)「そうかお」
ξ*゚ー゚)ξ「うん」
ツンと出会って、もうどれくらいになるんだろう。
気がつけばずっと傍にいる、一番仲がいい異性の子になっていた。
( ^ω^)「今日は何時に来たんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「5時」
( ^ω^)「……二時間は一緒に寝てたんだお」
ξ*゚⊿゚)ξ「だーかーら、寝てないって」
ツンが傍にいるのが当たり前で
ツンにいたずらされるのも日課なんだ。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:19
ID:6apTNQg/0
(;^ω^)「こら、羽毛布団の羽をとろうとしないでくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「しーらない」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
( ^ω^)「ツンはなんで、ブーンにばっかりいたずらしてくるんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「……なんでも!」
(;^ω^)「そ、そうかお」
ξ゚⊿゚)ξ「前にブーンが言ったじゃない。ブーンにだけはいたずらしていいって。だからよ」
( ^ω^)「前って言われても、それついこの間だお」
ξ*゚ー゚)ξ「うるさいなぁ」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:20
ID:6apTNQg/0
……ツンがブーンにいたずらしてくるのは……
ブーンがツンを想ってることが、ツンがブーンを想ってることと一緒なんだよって
不器用なツンがそう表現してるんだろうなって。
そんな勝手な妄想だけど。
でもツンは、どんなにいたずらしてもどこに行っても……
自分からバイバイは言わないんだお。ブーンが帰るって言わないと、ツンはずーっとブーンの傍に居てくれる。
だからブーンも。ブーンも絶対に怒らないお。
ツンにどんないたずらをされても、ブーンは絶対に怒らない。
( ^ω^)「ツンは何歳になってもいたずらっ子だお」
ξ*゚⊿゚)ξ「な、なによ急に」
( ^ω^)「なんでもないお。ブーンにも布団ちょうだいお」
ξ*゚ー゚)ξ「仕方ないわね。ほら」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:20
ID:6apTNQg/0
(;^ω^)「それは座布団だお」
ξ゚⊿゚)ξ「布団ちょうだいって言った」
( ^ω^)「……できればツンの包まってる布団を」
ξ*゚⊿゚)ξ「え?せーくーはーら」
( ^ω^)「たーかーのーつーめー」
ξ*゚ー゚)ξ「なにそれ。意味わかんない。……ほら」
(*^ω^)「おじゃましますお」
ぬくぬくの布団は、甘い香りがしたお。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:21
ID:6apTNQg/0
ξ゚⊿゚)ξ「……休みかぁ」
( ^ω^)「こんな吹雪の中を登校しろってほうがおかしいお」
ξ゚⊿゚)ξ「でもほら、今日は」
( ^ω^)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「クー先輩の合格発表」
( ^ω^)「おっ」
ξ゚⊿゚)ξ「この雪じゃ郵送も無理だろうから……電話かな?」
( ^ω^)「どうだろ?わかんないお」
そうだお。今日はクー先輩の大事な日だお。
大事な大事な合格発表の日だお。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:21
ID:6apTNQg/0
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「心配なのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「当たり前よ。世の中に絶対はないんだもの」
( ^ω^)「うーん……」
ξ゚ー゚)ξ「でもクー先輩だからそれもあるかもね」
( ^ω^)「だお」
クー先輩はブーンよりも絵が上手くて
ツンよりも頭がいいんだお。クー先輩なら落ちるわけがないお。
ξ゚⊿゚)ξ「雪が弱くなったら出かけるわよ」
( ^ω^)「お?こんなに寒いのにどこに行くんだお?」
ξ゚ー゚)ξ「教えない」
(;^ω^)「…」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:22
ID:6apTNQg/0
ツンと話すのに夢中になっていると、いつのまにか時計の針が1週していた。
着替えようとすると、ツンが寒いからって布団から出してくれないお。
パジャマのままこんな雪国を冒険したら、ブーンは数秒でゲームオーバーだお。
結局くるくると布団を巻き上げて布団虫に進化したツンの「足」によって、ブーンはベットの下へ落とされた。
そのまま廊下で着替えさせられて、部屋に戻ろうとすると案の定鍵が閉まってて、開けてくれたかと思ったら
ブーンのマフラーとニットと手袋を奪われてたお……
ξ゚⊿゚)ξ「寒い」
( ^ω^)「お」
ξ゚⊿゚)ξ「自転車はだめね。埋もれてるわ」
( ^ω^)「歩くお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。ほら、先歩いて」
( ^ω^)「お断りだお」
ξ#゚⊿゚)ξ「むっ、なんでよ」
( ^ω^)「転ばされるお」
ξ゚⊿゚)ξ「……ちぇっ」
( ^ω^)「一緒に歩くお」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:22
ID:6apTNQg/0
なんとか危険回避。
でも目的地に着くまで、3回ほど服の中に雪を滑り込まされたお。
もちろん目的地は……
( ^ω^)「また海かお」
ξ゚⊿゚)ξ「またってなによ。「また」って」
( ^ω^)「さすがに今日は咲いてないお」
ξ゚⊿゚)ξ「風が強いから咲いてると思ったんだけどね」
( ^ω^)「雪だけだお」
ξ゚⊿゚)ξ「ちぇっ」
どうやらベタベタにされなくて済むみたいだお。
ツンと海沿いの道を歩いていると……向こうのほうからクー先輩が歩いてきたお。
('A`)「こんなクソ寒いのになんかあそこだけ暖かそうだな……死ねよ」
一瞬ドクオの気配がしたけど、気のせいだお。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:23
ID:6apTNQg/0
ξ゚⊿゚)ξ「あ」
( ^ω^)「クー先輩」
川 ゚ -゚) 「やあおはよう。こんなに寒いのにデートかい?」
( ^ω^)「おっお」
ξ゚⊿゚)ξ「先輩……あの」
川 ゚ -゚) 「合否か?」
(;^ω^)「おっ」
クー先輩はブーン達が気にしてたことを自分から話してくれた。
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「…」
川 ゚ -゚) 「…」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:24
ID:6apTNQg/0
ξ;゚⊿゚)ξ「…」
(;^ω^)「」
川 ゚ -゚) 「君達のおかげだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「……え?」
( ^ω^)「それって」
川 ゚ -゚) 「悲しいかな、春から一人暮らしだ。しばらく君達とは会えなくなるな」
ξ゚ー゚)ξ「先輩!」
( ^ω^)「おおっ、おめでとうございますお!」
川 ゚ -゚) 「うん。ありがとう」
ほら、やっぱりブーン言ったとおりだお!
クー先輩は春からこの町を出て、晴れて美大生の仲間入りだお!
ツンが思わずクー先輩に抱きつくと、普段なら軽くあしらうクー先輩も満面の笑みでそれを受け止めたんだ。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:25
ID:6apTNQg/0
ξ゚ー゚)ξ「おめでとう!先輩おめでとうございます!」
川 ゚ -゚) 「うん、ありがとう。ってこら、痛い」
ξ゚⊿゚)ξ「だってだって……」
( ^ω^)「ツンはずっと先輩のこと心配してたんだお。落ちてるはずはないって思ってたけど、やっぱり嬉しいお」
川 ゚ -゚) 「そうか……フフ、なら落ちていたら私はなにを言われたんだろうな?」
ξ゚ー゚)ξ「とにかく!本当におめでとうございます!」
クー先輩は一人で郵便局まで歩いていった帰りだった。
家で合否の発表を待つより、自分の手で一報を知りたかったって。
でもこの大雪の中を歩いていった甲斐はあったって言っていたお。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:26
ID:6apTNQg/0
川 ゚ -゚) 「しかし長かった。さすがの私でもこの一年は気が抜けなかったよ」
ξ゚⊿゚)ξ「部活にはずっとこれなかったですもんね」
川 ゚ -゚) 「そうだな。やはり絵を描く力だけでは到底ムリな世界だし、かといってその頼みの画力さえ後輩のツンに負けていたんだから」
ξ;゚⊿゚)ξ「そ、そんなことないです!」
( ^ω^)「でも確かにツンのデッサン力はすごいお。先生もびっくりしていたお」
川 ゚ -゚) 「うん。そういうことだ」
ξ////)ξ「もう、二人とも!」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:26
ID:6apTNQg/0
川 ゚ -゚) 「ようやく肩の荷が下りたというか、これでやっと開放されたな」
ξ゚⊿゚)ξ「なに言ってるんですか!これからですよ」
川 ゚ -゚) 「それもそうか……ところでツン」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
川 ゚ -゚) 「どうするんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
川 ゚ -゚) 「君の受験だよ。もう他人事じゃないぞ?」
ξ゚⊿゚)ξ「あ……」
( ^ω^)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「……私は……その」
川 ゚ -゚) 「もう一年もないんだ。そろそろちゃんとした勉強を……」
( ^ω^)「ツンもクー先輩の大学に行くのかお?」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:25 ID:Nr0BSQ7p0
オムさーん
はいれんよ
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:27
ID:6apTNQg/0 >>20
やっぱ違う日に立てたほうがよかったのかな?
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:28
ID:6apTNQg/0
ξ゚⊿゚)ξ「い、行かないわよ!なんで私が……あ」
川 ゚ -゚) 「…」
ξ゚⊿゚)ξ「あの……えっと」
( ^ω^)「?」
川 ゚ -゚) 「ブーン」
( ^ω^)「なんですかお?」
川 ゚ -゚) 「ちょっとおつかいを頼まれてくれないか?」
( ^ω^)「おつかい?」
川 ゚ -゚) 「あそこにコンビニがあるだろう?適当に飲み物を買ってきてくれないか?」
( ^ω^)「わかったお」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、私も――」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:28
ID:6apTNQg/0
川 ゚ -゚) 「ツンはほんとうにブーンの引っ付き虫だな?」
ξ////)ξ「!そ、そんなんじゃ」
( ^ω^)「大丈夫だお。ブーン一人でおつかいぐらいできるおwwツンは先輩とお話しててくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ツンとクー先輩を近くのバス亭に残したまま、ブーンは100先のコンビニまで走ったお。
えっと、ツンは甘いコーヒーで……クー先輩はレモンティーが好きだったけ?
いたっ!
誰だお!ブーンの後頭部に雪を……ツンしかいないお。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:30
ID:6apTNQg/0
川 ゚ -゚) 「ほら、座って」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
川 ゚ -゚) 「……どうなんだ。ブーンとは」
ξ゚⊿゚)ξ「!ど、どうもなにも……普通ですよ!」
川 ゚ -゚) 「ツン、君は本当に素直じゃないな」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
川 ゚ -゚) 「まだ言えてないのか。大学を受験するって」
ξ゚⊿゚)ξ「……はい」
川 ゚ -゚) 「もう隠しきれることじゃないだろう?どうしたんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「隠すもなにも……別にブーンは関係ないし……」
川 ゚ -゚) 「なら何故さっき、あんな嘘をついたんだい?」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
川 ゚ -゚) 「……ブーンと離れるのが辛いのか」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:30
ID:6apTNQg/0
ξ゚⊿゚)ξ「!」
川 ゚ -゚) 「隠さなくていい。というか、多分隠し切れていない」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
川 ゚ -゚) 「ツンの気持ちだってわかっている。もう何年も一緒にいるんだ。今更離れるとは考えられないんだろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「……ん……その」
川 ゚ -゚) 「お互いに子供じゃないんだ。もう思いを打ち明ければいいじゃないか」
ξ゚⊿゚)ξ「打ち明けるなんて……ブーンとはずっとこうだし……」
川 ゚ -゚) 「友達以上、恋人未満というやつだな。それは友達に分類されるぞ?」
ξ゚⊿゚)ξ「わ、私はそれでも」
川 ゚ -゚) 「友達になら、別に言えることじゃないか?遠い大学を受験することぐらい」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
川 ゚ -゚) 「私は自分が合格したからやっと言える。ツン、君も私の大学に来るんだ」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:31
ID:6apTNQg/0
ξ゚⊿゚)ξ「…」
川 ゚ -゚) 「もちろん強制はしない。でも、君はここで終わっていい人間じゃないんだ。君の絵は……沢山の可能性を秘めている」
ξ゚⊿゚)ξ「私の絵はそんな大したものじゃないですよ……」
川 ゚ -゚) 「なら私が味わったこの敗北感はなんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「別に勝ち負けで絵を描いてるわけじゃないです」
川 ゚ -゚) 「もちろんわかってる。そうじゃないな……ツンの絵には、他の誰にも表せられないものが秘められているんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
川 ゚ -゚) 「それは私には見出せない。ツンにしか描けない風景……でもそれはまだまだ荒削りで、学べる場所で君は学ぶ権利もある」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
川 ゚ -゚) 「君がブーンにいたずらばっかりするのも……」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンは優しいから、私のコト応援してくれるって」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:32
ID:6apTNQg/0
川 ゚ -゚) 「…」
ξ゚⊿゚)ξ「でもブーンはバカだから、受験のことなんてなんにも考えてなくって」
川 ゚ -゚) 「…」
ξ;⊿;)ξ「でも、でも……私が頑張るなら応援してくれる……って」
川 ゚ -゚) 「うん」
ξ;⊿;)ξ「だっ、だから私もココで勉強するからって……大学なんてドコも同じだから、地元の大学で勉強するからって!」
川 ゚ -゚) 「嘘……ついちゃったんだな?」
ξ;⊿;)ξ「嘘じゃないもん!ブーンが応援してくれるって言うから!だから私も……」
川 ゚ -゚) 「ツン」
ξ;⊿;)ξ「わ、私は……ブーンが……っ」
川 ゚ -゚) 「わかってる。ごめん、私は言いすぎたな?」
ξ;⊿;)ξ「ひっく……ううっ、うあぁぁっ」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:32
ID:6apTNQg/0
ツンには道が二つある。
一つは、このままこの町に残ってブーンと幸せな今まで通りの日常を送ること。
一つは、この平穏な日常を捨てて遠い大学に通いブーンと離れて絵の勉強をすること。
ツンはまだ、どちらの道も選べないままでした。
( ^ω^)「コンビニについたお」
('A`)「説明的なセリフだな」
( ^ω^)「お?ドクオ」
コンビニの傍にある郵便ポストの前でドクオにあったお。
手には封筒が抱えられていたお。
('A`)「やあおはよう。早速だが殺してもいいか?」
(;^ω^)「いいわけないお」
('A`)「朝っぱらから幸せそうだよなお前ら」
( ^ω^)「あれ?ブーン達をみてたのかお」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:34
ID:6apTNQg/0
('A`)「生憎見たくないものほど目に入る性質でなぁ。描きたくもない漫画のネタばっかり提供しやがって……」
( ^ω^)「その封筒はなんだお?」
('A`)「漫画ですがなにか?もうすぐ雑誌の賞があるんでな。担当がうるさくて……まあ就職活動だ」
( ^ω^)「どんな漫画だお」
('A`)「ちばてつやもびっくり」
( ^ω^)「?」
('A`)「投函っと」
カポン
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:34
ID:6apTNQg/0
( ^ω^)「しかしすごいお」
('A`)「なにが?」
( ^ω^)「ドクオだお。よく漫画なんて描けるお」
('A`)「生憎とりえがこれしかないからな。ツンとよろしくヤッてるお前のほうがすごいよ」
(;^ω^)「ちょっ、はったおすお」
('A`)「そういえば今日はクー先輩の合格発表だよな?」
( ^ω^)「そうだお。今クー先輩とあったお」
('A`)「合格したんだってな。めでてーや」
( ^ω^)「……なんで知ってるんだお?」
('A`)「メールで聞いた」
( ^ω^)「…」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:35
ID:6apTNQg/0
('A`)「……嘘です。見栄張りました。アドレスすら知りません。ごめんなさい」
(;^ω^)「おまっ」
('A`)「俺も誰かにいたずらされてぇー!!」
ドクオがコンビニの中で人目もはばからず発狂したお。
ブーンもいたずらさせたくてされてるわけじゃないのに……どうなんだろう?
('A`)「まあ合格したんならめでたい。折角だからお祝いしようぜ」
( ^ω^)「おっお。それはいいお」
('A`)「よし、部長として部室の開放を許可する。食い物飲み物買い込んで学校行こうぜ」
( ^ω^)「学校開いてるのかお?」
('A`)「さっき行ったら開いてた。だって連絡網廻ってこないんだもん」
(;^ω^)「…」
('A`)「とりあえず使えるように先生に連絡してやんよ」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:36
ID:6apTNQg/0
ドクオと二人でいっぱい食べ物を買い込んだお。
前の漫画賞で貰ったはした金だって、全部ドクオ持ちにしてくれたお。
なんだかんだでドクオはしっかりしてるんだお。
('A`)「ちょっと重いじゃないの!持ちなさいよ!」
(;^ω^)「言葉遣いがきもいお」
('A`)「ツンの真似しただけじゃねーか」
( ^ω^)「ツンなら小石とかも積めて渡してくるお」
('A`)「はいごめんなさい。自分で持ちます」
( ^ω^)「半分持つお」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:37
ID:6apTNQg/0
('A`)「めんどくせぇなぁ。俺らも来年卒業かぁ」
( ^ω^)「ドクオはなにかやるのかお?」
('A`)「そうだなぁ。上京して漫画家のアシスタントでもやるよ」
( ^ω^)「おー」
('A`)「そんで毎日A☆KI☆BA巡廻だ。ウヒヒー」
(;^ω^)「…」
('A`)「お前はどーすんだよ」
( ^ω^)「ブーンかお?うー……なんにも考えてないお」
('A`)「あれ?受験すんじゃないのか?」
( ^ω^)「もう勉強なんてうんざりだお。ブーンは地元で細々と暮らすんだお」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:38
ID:6apTNQg/0
('A`)「?」
( ^ω^)「お?」
('A`)「いや、俺はてっきりツンと同じ大学でも受験すんのかと」
( ^ω^)「ツンと同じ大学?」
('A`)「だから、クー先輩の」
( ^ω^)「……ツンがそう言ったのかお?」
('A`)「いや、そういう流れかと」
( ^ω^)「そうかお……でもツンも地元の大学を受験するって言ってたお」
('A`)「そうなの?もったいねーなぁ。あいつならもっといい大学行けると思うけどなぁ」
( ^ω^)「…」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:39
ID:6apTNQg/0
ツンがクー先輩と同じ大学……?
でもツンはそんなこと言ってなかったお。確かにブーンと一緒にこの町で暮らすんだって……
でも、ツンのことを考えると……
('A`)「んでもどうすんだよ」
( ^ω^)「なにをだお」
('A`)「だから大学。ツンがあっちの大学行くっつったら」
( ^ω^)「…」
('A`)「ありえないはありえないからな。漫画の引用だが」
( ^ω^)「もちろんブーンは応援するお。ツンのためならブーンは喜んで背中を押すお!」
('A`)「ドヒー。カッコいいねー」
(;^ω^)「なんか腹立つお」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:39
ID:6apTNQg/0
('A`)「っつーかお前は美術的な道に通おうとは思わないのか?」
( ^ω^)「生憎ドクオ達みたいな才能はブーンにはないお。ブーンはみんなと仲良くしているだけで幸せだお」
('A`)「なんだそのセリフ。不覚にも勃起した」
(;^ω^)「おまっwwwwwww」
そうだお。
ツンが美大に行くっていっても……ブーンには無理だお。
だからブーンはそうなっても、ツンを応援するしかできないお……
でもいいんだお。ツンにはツンの人生があるから……
( ^ω^)「ブーンもツンが受験するなら大賛成だお」
ちょっとだけ、嘘ついたお。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:40
ID:6apTNQg/0
バス亭に戻ると、ツンがクー先輩に頭撫でられてたお。
なんだかツンは泣いているように見えて、顔を覗こうとしたらニット帽を顔に押さえつけられたお。
(;^ω^)「もごごっ」
('A`)「?」
川 ゚ -゚) 「どうしたんだその荷物。私はジュースを買ってきてといったはずだが」
('A`)「あれだほら、先輩の合格祝いってやつだ」
川 ゚ -゚) 「私の?」
( ^ω^)「そうだお。学校に行ってクー先輩のお祝いだお!」
川 ゚ -゚) 「待て。そんな急に」
('A`)「むりむりかたつむり?」
川 ゚ -゚) 「……君たちがそうしてくれるなら、断る理由はないよ」
( ^ω^)「なら決定だお!すぐに学校に行くお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「?」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:40
ID:6apTNQg/0
ツンがブーンの手を握って……いたたっ、指の先を押すなお。
川 ゚ -゚) 「じゃあ今日は後輩に甘えるよ。行こう」
('A`)「それじゃ、また学校でな」
( ^ω^)「?みんなで行かないのかお?」
川 ゚ -゚) 「一度帰って親に報告したい」
('A`)「俺はそのなんだ……アニメの予約?」
川 ゚ -゚) 「だからツンと二人で先に行っててくれ」
('A`)「そんな感じ」
( ^ω^)「うん?わかったお」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:42
ID:6apTNQg/0
('A`)「……これでいいのかね」
川 ゚ -゚) 「あぁ、というかよくわかったな。私があの二人を二人っきりにしたいなんて」
('A`)「漫画家志望だし」
川 ゚ -゚) 「関係あるのかそれは?まぁいい……先に学校に行っておこうか」
('A`)「ういっす」
川 ゚ -゚) 「だからツンと二人で先に行っててくれ」
バス亭にブーン達を残したまま、二人とも一度家に帰ったお。
ふっとベンチを見ると、俯いたままブーンの指を握ってるツンがいたお。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:43
ID:6apTNQg/0
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「どうしたんだお?指痛いお」
ξ゚⊿゚)ξ「うるさい」
(;^ω^)「…」
ブーンもツンの横に座った。相変わらずツンは指を離さないお……
ξ゚⊿゚)ξ「……先輩よかったね」
( ^ω^)「うん」
ξ゚⊿゚)ξ「卒業したらすぐに引っ越すって」
( ^ω^)「そうかお……でも仕方ないお」
ξ゚⊿゚)ξ「みんなバラバラになっちゃうのかな?」
( ^ω^)「……ドクオも卒業したら上京するって言ってたお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「…」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:43
ID:6apTNQg/0
ξ゚⊿゚)ξ「で、どうするか決めた?」
( ^ω^)「ブーンかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「や、やっぱり地元で働くの?」
(;^ω^)「おっお」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンがそれでいいならいいんだけどね……うん」
( ^ω^)「ツンはどうするんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「!わ、私は……前に言ったじゃない。私もここで」
( ^ω^)「ほんとにそれでいいのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ?」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:44
ID:6apTNQg/0
何年ツンといると思ってるんだお。
ツンが泣いたことなんて、ブーンはお見通しだお。
こんなに目を真っ赤にして黙ってるツンを見るたびに……ブーンは話を聞いてあげるんだお。
( ^ω^)「ツンも先輩と同じ大学に行きたいんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「そ、そんなことないわよ!誰が美大なんて……」
( ^ω^)「それにツンは、もっともっと絵の勉強をするべきだお。それは地元の学校じゃ限界があるお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「なんにも遠慮することないお?ツンも、頑張って大学に行くんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン……」
( ^ω^)「前にも言ったお。ブーンはいつでもツンを応援するんだお。ツンと離れるのは寂しいけど……ツンのためなら我慢するお」
ξ゚⊿゚)ξ「べ、べつにそんなんじゃ」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:45
ID:6apTNQg/0
( ^ω^)「ツンはブーンと離れ離れになって寂しくないのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「……教えない」
( ^ω^)「ブーンは寂しいお。でもねツン?」
ツンの頭に手を置く。
ちょっとだけツンがびくってなったけど、ゆっくり頭を撫でると安心した顔をしてくれた。
( ^ω^)「ツンのためなんだお。ツンは……ツンの絵はもっともっと、いろんな人に見せるべきなんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「波の花は、ずっとここで舞ってるんだお。ツンと二人で見てきた景色は変わらないんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:45
ID:6apTNQg/0
( ^ω^)「ツンが寂しくなったら、すぐにここに戻ってくるんだお。ブーンはずっと花と一緒に待ってるから」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン……」
( ^ω^)「だからブーンは、ツンと離れ離れになっても我慢する。ツンも……頑張って受験するんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ξ;⊿;)ξ「…」
なにも言わずにツンを抱き寄せた。
抱き寄せる前に、バスがこないことを確認して。
ブーンに見えないように声を殺してツンが泣いてるんだお。だから、ブーンもそれを覗かない。
ブーンはツンを優しく抱いたまま、背中をぽんぽんしてあげるだけだお。
ツンが安心するまでこうしてあげるのが、ブーンの大切な役目なんだお。
ツンも背伸びしてブーンの肩に顔を乗せる。
ツンとのハグはどっちかというと貴重な体験だけど……ブーンは毎回ツンが疲れないようにちょっとしゃがむんだお。
そうしないと、ツンはずーっと抱きついてくるから大変なんだお。
それに……ブーンもツンから放れたくないお。ツンは世界中のどんな暖房器具よりも暖かくて優しいんだお。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:46
ID:6apTNQg/0
( ^ω^)「…」
ξ;⊿;)ξ「ひっく……ぐしっ」
( ^ω^)「落ち着いたかお?」
ξ;⊿;)ξ「…」
こちょこちょ
(;^ω^)「ふもっふwwくすぐったいおwwwww」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンのばか。女の子泣かせるなんて最低だわっ」
こちょこちょ
( ^ω^)「ご、ごめんなさいだおww謝るからくすぐらないでくれおwww」
ξ*゚⊿゚)ξ「だめ。泣かせた罰なんだからしばらくこうしてなさいっ」
ブーンに抱きついたまま、ツンは器用に脇をくすぐってアゴでブーンの肩を攻撃してくるお。
くすぐったくて腕を放そうとするとだめだって言われて……でもツンが嬉しそうだからこれでいいお。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:47
ID:6apTNQg/0
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンのばか。ばかばか」
こちょこちょ
( ^ω^)「おっおwww」
ξ゚⊿゚)ξ「……本当に大丈夫なんでしょうね?」
( ^ω^)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「私がいないからって、気を抜いちゃだめだからね」
( ^ω^)「わかってるお」
ξ゚⊿゚)ξ「たまに帰ってきて、寝起きどっきりしてやるからね」
( ^ω^)「まあ……用心しておくお」
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:48
ID:6apTNQg/0
ξ゚⊿゚)ξ「もう、ブーンがだらしない大人になるんじゃないかって心配で言い出せなかっただけなんだからね」
(;^ω^)「おっお」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンが大丈夫って言うから、私も安心して行くんだからねっ」
( ^ω^)「うん。ブーンは寂しいけど我慢できる子だお」
ξ゚⊿゚)ξ「……学校行こっか」
( ^ω^)「お」
学校までの道のりで、何度も何度もツンに手を引かれた。
相変わらず自分の行きたい方角に行こうとするから、ブーンも手を引いて学校まで案内したお。
雪はもう降ってないけど…また来年もこの海の傍をツンと歩けることを神様に祈った。
あとたった一年でもいい。それから何年会えなくてもいい。それまでの間でも……ブーンはツンの傍にいるお。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:49
ID:6apTNQg/0
('A`)「おぉ、やっときた」
川 ゚ -゚) 「遅かったじゃないか」
( ^ω^)「おっお。ごめんなさいだお」
ξ゚⊿゚)ξ「ごめんなさい。ブーンが寄り道するって言うから」
(;^ω^)「おっ!?」
('A`)「ほらドア閉めろって。風が入ってきて寒い」
( ^ω^)「おっ」
テクテク
ガチャ
(;^ω^)「だから鍵を(ry」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:50
ID:6apTNQg/0
美術室の中は、机が中心に集められていていつものごちゃごちゃした部屋じゃなくなってたお。
机の上には大量のおかしや飲み物。今日だけは特別だから、先生も見てみぬふり?してくれてるみたいだお。
( ^ω^)「じゃあ改めて、先輩合格おめでとうだお」
ξ゚⊿゚)ξ「おめでとうございます!」
川 ゚ -゚) 「うん。ありがとう」
('A`)「いやしかし、まさかこの部から美大生がでるとはなぁ」
川 ゚ -゚) 「なんのための美術部だと思ってるんだ」
('A`)「まあそうだけどほら、先輩の代は先輩一人だし。俺らはこんなんだし、後輩居ないし」
( ^ω^)「それは生徒も少ないし、第一ドクオが新入生募集しないのがいけないんだお」
('A`)「そんなもん募集しなくても向こうからくるもんじゃない?それにうちは少数精鋭、一騎当千。半端モンなんていらねぇよ」
(;^ω^)「なにと戦うんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、コーラとって」
( ^ω^)「はいお。振って返さないでくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「ちっ」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:51
ID:6apTNQg/0
川 ゚ -゚) 「それはそうとドクオ、君の漫画はどうなんだ?」
('A`)「今日送った。んまあ上手くいけば賞とれるんじゃないの?」
( ^ω^)「前みたいにかお?すごいお」
('A`)「最終候補のなにがすごいんだよ。一位とってこそのもんだ」
(;^ω^)「そんな簡単に言うなお」
川 ゚ -゚) 「でもまあ、ドクオの独特な世界観を見る限りは大口と言う訳でもなさそうだけどな」
('A`)「非現実が大好きですからー!!!」
(;^ω^)「これはもうだめかもわからんね」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、メントスとって」
( ^ω^)「はいお」
('A`)「現実と二次元の境目がなくなればなぁフライ・イン・ザ・スカーイなんだけどなぁ」
(;^ω^)「なぜそれを今言うんだお」
川 ゚ -゚) 「どうしようもないな、現部長は」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:52
ID:6apTNQg/0
('A`)「それはそうとブーン」
( ^ω^)「お?」
川 ゚ -゚) 「……ちょっと心配したが、いつも通りのようだ」
( ^ω^)「お?お?」
ξ゚⊿゚)ξ「はい、ブーン。コーラ返す」
( ^ω^)「お、ありがとうだお」
('A`)「総員退避!」
( ^ω^)「?」
シュゴフー!!!
Σ(;゚ω゚)「!?ちょっ、なにこれ!コーラおっぼぼぼぼry」
シュゴゴゴ……
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:53
ID:6apTNQg/0
ξ*゚ー゚)ξ「あははwwwブーンばーか。よく見ないからよ!」
('A`)「コーラメントスなぁ」
川 ゚ -゚) 「はは、君達は本当に仲がいい。お似合いだよ」
(;゚ω゚)「おぼぼぼぼryそんなこと言ってないでこれとめてくれおぼぼぼry」
シュワワワ……
ξ*^ー^)ξ「あーわだーらけーww」
ツンがなにをしたかわからないけど、ブーンの顔はコーラまみれになってしまったお。
カラになった容器には……メントスかお?うぅ、顔びちょびちょのべたべただお
('A`)「ち、痴女!」
意味がわからないおww
結局盛り上がったクー先輩のお祝いは、ブーンが床掃除をすることでお開きになったお。
終わるまでみんなを待たせるわけにはいかないから先に帰ってもらったお。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:54
ID:6apTNQg/0
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンをこんな寒い中一人で帰らせると悪いから私は残ってあげる」
いや、あの……原因はツンがry
ξ゚⊿゚)ξ「なによ」
……なんでもないですお
川 ゚ -゚) 「それじゃあ今日はありがとう。また明日」
('A`)「ちゃんと鍵返しとけよ。この変体!」
( ^ω^)「さようならだお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「ちょっ、ブーンの鞄にお菓子詰めないでくれおwwwせめてなにかに包んでくれおwww」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:55
ID:6apTNQg/0
川 ゚ -゚) 「……なんだ。うまくいってるみたいじゃないか」
('A`)「どうなったんだろうなぁ。結局ツンは大学行くの伝えられたのかなぁ?」
川 ゚ -゚) 「?ドクオ、知ってたのか」
('A`)「知ってたもなにも、最近のツンの行動を見ればな。大学の話してるとおどおどしてたし」
川 ゚ -゚) 「……観察眼だけは鋭いな」
('A`)「ま、職業柄?伏線回収とでも言ってくれよ」
( ^ω^)「……っと、これで終わりだお」
ξ゚⊿゚)ξ「鍵返してくるね」
( ^ω^)「お願いしますお」
パチ、ガラガラ、ガチャン。
(;^ω^)「鍵を閉めてそのうえ電気を消すなお」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:57
ID:6apTNQg/0
パチ、ガチャ、ガラガラ……
( ^ω^)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンが暗いの怖いかなって……や、やりすぎたと思っただけなんだから!」
( ^ω^)「……一緒に返しに行くお」
職員室には先生が二人だけいたお。まあお休みになったから仕方ないのかお?
ツンは思いっきりドアを全快にして逃げたお。でも暗いのが怖いのか、ブーンから見える位置に隠れたお。
それでもブーンが怒られた結果はおんなじだお。毎回これは勘弁してほしいお。
( ^ω^)「また先生怒ってたお」
ξ゚⊿゚)ξ「へぇ」
(;^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「帰る。自転車……あ、そっか。歩いて来たんだね」
( ^ω^)「だから歩いて帰るお」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:57
ID:6apTNQg/0
( ^ω^)「また雪降ってきたお」
ξ゚⊿゚)ξ「海……行ってもいい?」
( ^ω^)「今日はもうだめだお。真っ暗だし雪も降ってるから危ないお」
ξ゚⊿゚)ξ「えー」
( ^ω^)「明日も連れてってあげるから今日はおとなしく帰るお」
ξ゚⊿゚)ξ「明日も?」
( ^ω^)「うん。約束するお」
ξ゚⊿゚)ξ「約束?」
( ^ω^)「約束」
ξ゚⊿゚)ξ「約束……じゃあはい」
( ^ω^)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「ゆびきり」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:58
ID:6apTNQg/0
( ^ω^)「??なんで今更」
ξ゚⊿゚)ξ「いいからゆびきり!」
(;^ω^)「おっお」
ξ゚⊿゚)ξ「ゆーびきーりげーんまーん」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「……私がいなくてもちゃんとしてないと針1000本のーます!」
( ^ω^)「おっ?」
ξ゚⊿゚)ξ「指きった!約束だからね!私、ほんとに受験するからねっ!」
( ^ω^)「……うん。ブーンは応援してるお」
ξ゚⊿゚)ξ「……頑張るね」
( ^ω^)「がんばれお」
ξ*゚ー゚)ξ「うん」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 18:59
ID:6apTNQg/0
真っ暗の帰り道。
なんにも言わなくても、ツンはブーンの手を握ってくれたお。
寒いし、地面は滑るから危ないし、繋いでいないとツンどこか行ってしまうかもしれないし……
でも、本当に手を繋いでいる理由はそんなことじゃないお。
ブーンは、あと僅かな日々だけでも……ツンとふたりで歩きたいんだお。
ツンも同じだって。この暖かい手のひらが教えてくれる。
http://www.uploda.org/uporg1025848.jpg
ツンが頑張るなら、ブーンは応援する。
ブーンはツンと離れても平気だよ?寂しくない。
だから……ツンも頑張って。
こうして、ブーンとツンの高校生活最後の一年が始まった。
ブーンもツンも、クーもドクオも……少しずつ大人に近づいていく。
誰もかれもが、自分だけの未来に向かって。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 19:01
ID:6apTNQg/0 はい
とりあえずここまでにします。出来上がりがここまでなんで。
絵は>>88だけ俺ので、あとの二枚は拾い物です。ありがとう。
金曜日の夜、もしくは土曜日の朝に最後のスレを立てたいと思います。
あと少しなので、よければまた。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 19:07
ID:6apTNQg/0 オムライスさん死んでるっぽいのにスレ立てちゃいかんかったですかね?
大丈夫かなぁ?
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/09/19 19:14 ID:ljupvsOq0
乙
ブーンが自分も東京行くことを即諦めてるのがなんかあれだけど…
99 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg []:07/09/19 19:41
ID:6apTNQg/0 おおっと、名を名乗らないといけないの忘れてました。
今更じゃあ遅いかね?すいませんww
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