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ξ゚⊿゚)ξは忍法帖をめくるようです 

ξ゚⊿゚)ξは忍法帖をめくるようです


1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 16:26 ID:F8UpIt0M0
なんちゃって時代物。

世界史選択の上古文の成績も芳しくない人が書くものなので
言葉づかいやシチュエーションに違和感を覚える方もおられましょうが、

「一言も舞台が日本とは言ってねー!」

ということでひた走ろうと思います。
ちんちん。





ξ゚⊿゚)ξは忍法帖をめくるようです


2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 16:27 ID:F8UpIt0M0
 太陽が沈みかけている。
VIP谷にある屋敷には、男が5人、輪になって囲炉裏を囲んでいた。

('A`)「俺が行きましょう」

 その中の1人、顔色の悪い男がぼそりと呟いた。
立ち上がり、左手に握る刀を腰に差す。
了承を得るように周りの顔色を伺うと、
待て、と制止の声が上げられた。

( ゚д゚ )「荒巻様を殺す気か、ドクオ」

 ドクオは声の出し主に向き合うと、
そんなつもりはない、と目を合わせることなく主張した。

('A`)「ただ供をするのみよ。
   2人も3人も供する必要はなかろう」

 殿自らが行かれるのだからな、とドクオは言う。

( ゚д゚ )「その通りだ。そして貴様が行く必要もない」

('A`)「それでは貴様が行くとでも言うのか、ミルナ?
   万一荒巻様と目が合うことがあったらどう詫びるのだ」




3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 16:30 ID:F8UpIt0M0
( ゚д゚ )「そんな無礼は働かん。
    が、それとは別に、わしが行くつもりもない」

 ジョルジュあたりが良かろう、とミルナは言った。
  _
( ゚∀゚)「貴様、俺を馬鹿にしておるのか」

 ジョルジュがミルナに向かってずいと身を乗り出した。
短い袖からこぼれる両腕が異様な太さをしている。

( ゚д゚ )「馬鹿にしておるのではない。
    ただ適任だと言うだけじゃ」
  _
(#゚∀゚)「それが馬鹿にして聞こえると言うておるのだ!」

 ジョルジュが立ち上がって拳を振りかぶると、
それに呼応するようにミルナが立ち上がる。
睨み合う二人の間に殺気が満ちた。
 _
(;゚∀゚)「ち、目を合わせてしまったわ――」

 ジョルジュの体は指一本動かない。
かろうじて動くのは口まわりだけである。
青筋が浮き上がるほど力を込めたところで
汗が流れるだけだった。




4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 16:34 ID:F8UpIt0M0
 咳払いの音が二人の対峙を破壊した。
音のした方に目をやると、
落ち着いた雰囲気の男が微動だにせずあぐらをかいている。

 茶に手を伸ばし、1口すする。
その男の静かな重圧に、屋敷の中は支配された。

( ´∀`)「このたわけめが。
      うぬらが言い争って何になるモナ」

 すべては殿の決めることモナ、とその男は
上座に座る男に目をやった。

( ^ω^)「モナーご苦労。
      確かにミルナの言う通り、ドクオの忍法は危険すぎるお。
      わしの供はジョルジュがせよ。
      留守はお前ら3人、力を合わせて守ってくれお」

 彼がそう言うと、4人の男は揃って姿勢を正し、頭を下げた。
彼の名は内藤ホライゾン。
忍者たちの生活するVIP谷、その統治者である。




5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 16:38 ID:F8UpIt0M0
 夜を支配する闇の中、特に足元を気にする様子もなく
内藤とジョルジュは山中を縫うように走っている。
それが不規則な軌道をしている理由は木々の障害のみならず、
VIP谷へ向かう山道が侵入者を捕獲あるいは抹殺する罠に
満ち溢れているからであろう。
  _
( ゚∀゚)「ときに殿。
    俺たちはいったいどこへ向かっておるのですか」

 走るペースを落とすことなくジョルジュが訊いた。
先導している内藤がチラリと後ろを振り返り、
なおも足を進めながら口を開く。

( ^ω^)「ジョルジュ、お前、
      先ほどわしが皆を集めたとき何を聞いておったのだお」
  _
( ゚∀゚)「あいや、正直何も聞いておりませんでした。
    殿やモナーの言うことを聞けばいつもどうにかなりますゆえ」

( ^ω^)「お前は、実にたわけておるお」
 _
(;゚∀゚)「おそれいります」

 して、どこに、とジョルジュは訊く。
我らが藩主荒巻様のところだお、と内藤は答えた。




6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 16:42 ID:F8UpIt0M0
 日が昇ると共に内藤たちが姿を現すと、
ニュー速藩主荒巻の館を守る門番たちはにわかにざわついた。

(-_-;)「これは内藤殿。
    荒巻様よりの文が着いたのは昨日のことではありませぬか?」

 あるいは予想より早く文が着いたのか、と唸っている。
彼らの常識の範囲では、こことVIP谷を結ぶ道のりは少なくとも3日、
昼夜を通して走ったとしても丸2日はかかるものである。

 それを、内藤たちは半日とかからずに走り抜けたのだ。

( ^ω^)「確かに文は昨日届いてござるお。
     なに、我ら忍者の足にかかればこのような距離、
     ものの数ではありませぬお」

(-_-;)「それにしても早すぎる。
    疑うわけではありませぬが、
    文を検めさせていただきたい」

 内藤がジョルジュに目配せすると、彼は懐から和紙を取り出した。

(-_-;)「確かに。あいや気を害されたなら面目ありませぬ。
    すぐに中へ通しますゆえしばし待たれよ」

 和紙は当時において貴重であり、
藩主の文に使われるものとなるとそう易々と偽造されるものではない。
それでもこの門番は、長槍を抱え、
いつまでも信じられないような表情を浮かべていた。




7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 16:45 ID:F8UpIt0M0
/ ,' 3「苦しゅうない」

 荒巻に対して内藤とジョルジュは平伏して対面している。
面をあげよ、と言われると、2人はようやく顔を上げた。

( ^ω^)「荒巻様、お久しゅうござりますお。
     ご健勝そうで何よりですお」

/ ,' 3「うむ。
   今回そちを呼んだのは他でもない、ツンのことじゃ」

 はて、と内藤は首を傾げる。

( ^ω^)「この内藤、忍法のみに精進せし身なれば、
      ツン様のお役に立てるとは思いませぬお」

/ ,' 3「その忍法が必要なのじゃ」

( ^ω^)「と、言われますと」

 ラウンジ、と皺に包まれた新巻の口が動いた。
その言葉に内藤はピクと反応する。

/ ,' 3「ラウンジ渓の者どもがツンを狙うとの噂が立っておる」




8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 16:48 ID:F8UpIt0M0
( ^ω^)「ラウンジが、ツン様を……?」

/ ,' 3「いかにも。
   あくまで噂であるとはいえ、
   相手が恐るべき忍者たちとあっては
   そちらに頼りたくもなるもの」

 受けてくれるか、と荒巻は訊く。

( ^ω^)「謹んで承りますお。
      この身荒巻様のために果てられるなら、
      拙者にそれ以上の幸福はありませぬお」

 うむ、と荒巻は頷いた。
皺に隠れたその表情は、誰にも読み取れないものである。

/ ,' 3「しからば、そちの必要と判断した数人をもって
   ツンの身辺を保護すべし。
   ただちにその支度にかかれ」

( ^ω^)「しかしながら荒巻様、
      ひとつだけ無礼を働いてもよろしゅうございますか」

/ ,' 3「何じゃ。何でも申せ」




 


11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 16:52 ID:F8UpIt0M0
 恐れながら、と内藤は言った。

( ^ω^)「この館におかれましては、ツン様の保護、
      必ずしも成功ばかりとは限りませぬお」

 何、と声を上げたのは、荒巻の両脇に座る男の片方だった。

( ´_ゝ`)「貴様、我らの働きを愚弄するか」

( ^ω^)「そうではありませぬお。
      このような開け広げられた館では、
      忍者の侵入を防ぐこと相成らぬ、と」

(´く_` )「それが愚弄と言うておるのだ」

 もう片方の男が言った。
もともと自分たちだけで十分だと思っているのだろう。
彼らの憤りに嘘偽りは露として感じられない。

/ ,' 3「やめよ、アニジャ、オトジャ。
   ……内藤、こやつらは忍法の恐ろしさを知らぬのよ。
   そして他も知る者ばかりではない」

 どうじゃ、と荒巻は言った。
今この場において、
こやつらに忍者の脅威を知らしめてくれぬか、と。




12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 16:56 ID:F8UpIt0M0
( ^ω^)「されば、しばしの無礼をお許しくだされお」

 内藤がそう言いジョルジュに視線を送ると、
ジョルジュはニヤリ笑って頷いた。
  _
( ゚∀゚)「VIP谷が長岡ジョルジュ、
    僭越ながら忍法ご覧ぜつかまつる」

 ジョルジュは立ち上がり、ゆっくり荒巻に向かって歩きだした。
ただちにその行く手が家中の5・6人によって塞がれる。

 よい、ゆるせ――荒巻がそう言おうとしたときだった。

 ジョルジュの異様な太さをした右腕がブンと空に振られ、
そこから生じた不可解なものが家中たちをなぎ倒した!

 なんという振りの速さだろうか。
その動きを目に止められたものは内藤をおいて他におらず、
生じたものは空気の歪みによる衝撃波に他ならない。

( ´_ゝ`)「む!」

(´く_` )「く!」

 一斉に崩れ落ちる家中を目の当たりにし、
思わず腰の刀に手をやった二人が見たものは、
ただそこに座り笑みを浮かべる内藤の姿のみである。




13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 16:59 ID:F8UpIt0M0
(;´_ゝ`)「彼奴はどこへ消えた!」

 アニジャが内藤に向かって声をあげた。
理解不能なものに対する恐れがその声色に表れている。

 恐れながら、と内藤は言った。

( ^ω^)「後ろにてございまするお」

 荒巻、アニジャ、オトジャの3人が振り向くと、
はたしてそこには長槍抱えて座するジョルジュの姿があった。

(´く_`;)「貴様!」

 刀を抜こうとするオトジャの喉元に、
ジョルジュの持つ長槍がピタと向けられる。

/ ,' 3「ほう。――それは、我が館のものではないか」

 荒巻がポツリとそう呟くと、
長槍を横たえジョルジュが平伏しなおした。
  _
( ゚∀゚)「許されたとはいえ無礼が過ぎました。
    これは今しがた門番より掠め取ったものにございます」




 


15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:02 ID:F8UpIt0M0
(;´_ゝ`)「今しがた、だと」

 それでは家中が倒され我らが目を離した一瞬で門まで行き、
長槍を奪い、ここまで戻った挙句に
気づかれることなく背後をとったというのか。

 アニジャが畏怖の目をもってジョルジュを見やると、
ジョルジュは平伏したままだった。
短い袖からこぼれる両腕が異様な太さをしている。

 アニジャは自身に持っている、
忍びの者は小柄で非力であるとの認識を修正せざるを得なかった。
この腕で殴られることがあったならと考えると、
背中を嫌な汗が伝わる。

/ ,' 3「皆の者、異論はあるまいな」

 どこからも声はあがらない。
内藤は静かに笑みを浮かべていた。




 


17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:04 ID:F8UpIt0M0
/ ,' 3「そちに何か考えがあるのか」

 改めて内藤に視線を送ると、荒巻はそう訊いた。
恐れながら、と内藤が答える。

( ^ω^)「危機去るまでひとまず
      VIP谷にて保護せしめるのが最上かと思われますお」

/ ,' 3「ふむ……」

 どうしたものか、と荒巻が呟くと、
ひとつの人影が彼らの話している部屋に飛び込んできた。

ξ゚⊿゚)ξ「お父様、ツンはVIP谷に行きとうございます!」

 太陽のような明るさをもった少女だった。
上等な着物もさることながら、
爛々と輝く黒瞳、さくら色の頬、朱がさしたような唇と、
まさに青春の美の集大成のようである。

/ ,' 3「これツンよ、奥で待っておれと言うたであろう」

 そうたしなめる荒巻の口調には、どこか喜びの色が含まれていた。




 


19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:06 ID:F8UpIt0M0
ξ゚⊿゚)ξ「しかしお父様、それでは時ばかりが経つことになりましょう。
      私、ラウンジの者どもに襲われるのは嫌にございます」

 ああ恐ろしい、とわざとらしく両手でその身を抱いている。
ジョルジュがこらえられずに小さく吹き出した。
  _
( ゚∀゚)「あいや失礼。
    しかしながら荒巻様、ツン様におかれましてもご覧の様子。
    VIP谷は粗野なれど、精一杯のもてなしをしますゆえ、
    ここはひとつ我らを信頼してくださりませぬか」

( ^ω^)「ジョルジュ、口を慎めお」

/ ,' 3「よい。許す」

 そうじゃな、と荒巻はあたりを見渡した。
内藤、ジョルジュ、ツンと順に眺めた後、皺に包まれた口を再度開く。

/ ,' 3「ひとまずはVIP谷に預けよう。
   内藤、責任はそちにあるぞ」

( ^ω^)「は。この内藤、
      一身に替えても守り抜きますお」

 ツンの表情がパッと華やぐ。
内藤と目が合うと、照れ隠しなのだろう。

ξ///)ξ「と、特別そちに守られとう思うたわけではあらぬ!」

 そう叫ぶや顔を真っ赤にし、荷物をまとめるため奥へと消え入った。




 


21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:09 ID:F8UpIt0M0
 内藤がツンとはじめて会ったのは、10年ほど前のことである。

 父が息を引き取り、家督を継ぐことになった内藤は、
改めて藩主荒巻の館を訪れた。

/ ,' 3「どれ。新しい芽吹きがいかほどのものか、
   この末の子にも見せられよ」

 ツンは荒巻の老いてから生まれた子であり、溺愛されていた。
内藤はツンに喜ばれそうな手品のような技からはじまり、
荒巻を納得させるような体術までを披露した。

ξ゚⊿゚)ξ「素晴らしい!
      お父様、ツンはこの者が欲しゅうございます」

/ ,' 3「ツンよ、内藤は本日よりVIP谷が長なのじゃ。
   わがままを言うでない」

ξ゚⊿゚)ξ「嫌じゃ! 欲しい!
      内藤、うぬはどうなのじゃ。ツンにもらわれたかろう」

(;^ω^)「ありがたきお言葉なれど、
     拙者にはもったいのうございますお」

ξ゚⊿゚)ξ「なんじゃ内藤も。
      もうよい。ツンは不愉快じゃ」




22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:13 ID:F8UpIt0M0
 帰れ帰れと手を振ったものの、実際内藤が岐路につくと、
ツンは侍女を払ってひとりになり、大粒の涙をこぼした。

 それからというもの、季節ごとの報告などに内藤が出仕する度
ツンは何かと内藤に構われたがり、
内藤が帰る段になると涙を浮かべてぐずるのだった。

(;^ω^)「ツン様、お泣きになってはなりませぬお」

ξ;⊿;)ξ「誰が泣いておるか!
      うぬの目がそんな節穴なのでは
      VIPの者どもも浮かばれぬというもの!
      いっそこの場で腹を切り、
      五臓六腑をさらけ出せばどうなのじゃ!」

(;^ω^)「ツン様、あまり無茶をお言いになりませぬように」

 それにVIP谷の者どもは死んでおりませぬお、と内藤は言う。
ツンはなんとか涙を止めると、内藤に髪飾りを手渡した。

( ^ω^)「ツン様、これは……?」

ξ゚⊿゚)ξ「これはツンの宝物じゃ。
      うぬに預けるゆえ、可能な限り早く返すように」

 かしこまってございますお、と内藤が懐に髪飾りを入れると、
ツンはようやく笑顔を見せた。

 何度内藤が返そうとしたところで、ツンはそれを受け取らなかった。
髪飾りは歳月経った今でさえも、絶えず内藤の懐に入れられている。




26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:18 ID:F8UpIt0M0
  _
( ゚∀゚)「ラウンジといえば、現在力ある忍者は6人ですな」

 俺たちよりも1人多い、とジョルジュは言った。
ラウンジとVIPは不倶戴天の間柄、
いつ襲われるとも知れぬ関係である以上、
常にその情勢は調べておかねばならなかった。

( ^ω^)「うむ。
      確かその名はモララー、プギャー、ギコ、ロマネスク、
      そして須名姉妹。
      その忍法はわしらの知るところにないお」

 忍者たちはおよそ人間業とは思えぬ忍法を繰り広げるが、
それゆえその域まで辿りつく人数は限られていた。
VIP谷、ラウンジ渓、共に最も多い時期であっても10名前後が
関の山である。
VIP5人、ラウンジ6人というのは平均的な人数だった。

 しばらく3人歩を進め、太陽が真上に差し掛かった頃だろうか。

ξ゚⊿゚)ξ「内藤、疲れた。おんぶいたせ」

 足をぶらつかせながらツンが言った。

( ^ω^)「たまのこと、外を歩きたいゆえ籠はいらぬと
     のたまわれたのはツン様にありますお」

ξ゚⊿゚)ξ「それはそのときそう思うたのじゃ。
      今は疲れれておる。おんぶいたせ」




 


28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:21 ID:F8UpIt0M0
 内藤はジョルジュと目を見合わせる。
  _
( ゚∀゚)「ツン様、俺が――」

ξ゚⊿゚)ξ「内藤。おんぶいたせ」

(;^ω^)「御意ですお」

 内藤はツンを背に担ぎ、再び街道を歩きはじめた。
内藤の背に揺られるツンは、とても満足そうだった。

 しばらく歩く速さで進んでいたのだが、
ほどなくツンが退屈だと言いはじめた。

ξ゚⊿゚)ξ「内藤、遅いぞ。楽しゅうない。
      このまま走るのじゃ」
  _
( ゚∀゚)「ツン様、危険にございます」

ξ゚⊿゚)ξ「うるさいわ。私は内藤に言っておるのじゃ。
      それとも内藤は、そんなことはできぬと申すのかえ」




 


30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:24 ID:F8UpIt0M0
(;^ω^)「御意ですお。
     ジョルジュ、落し物があってはならぬ。
     わしの後ろをついてまいれ」
  _
( ゚∀゚)「はっ」

 内藤はツンを背に乗せたまま、横走りにはしった。
危険でない速度ということだろう。
行きの道中よりはずいぶん抑え目な走りではあるけれど、
ほとんど籠の移動しかしたことのないツンにとって、
常人が走る速度よりはるかに速い内藤の背から見える景色は
爽快なものである。

ξ゚⊿゚)ξ「あはは! 速い! 面白いぞ内藤!」

 ほれ、もっと速よう、とツンは高い声をあげる。
  _
( ゚∀゚)「やれやれ。苦労することになりそうじゃ」

 ツンから落ちるものを見逃さぬよう目を凝らしながら、
ジョルジュはひとり呟いた。




31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:27 ID:F8UpIt0M0
 内藤とジョルジュは不意に足を止めていた。

ξ゚⊿゚)ξ「なんじゃ。どうした――」

 なおも文句を並べようとするツンは、
2人のただならぬ雰囲気に言葉をつづけることができなかった。
  _
( ゚∀゚)「殿」

( ^ω^)「うむ」

 ジョルジュはツンに持たされていた荷物をひとたび地に落ち着け、
内藤は断りを入れてツンを背から降ろした。

( ^ω^)「ジョルジュ、
      お前は荷物とツン様を担いでVIP谷まで走れ。
      ツン様、しばしの別れにございますお」

ξ゚⊿゚)ξ「嫌じゃ。何があったのじゃ」

 ジョルジュはツンがちょうど座って乗られるような形に荷物を抱え、
ツンをそこに乗せ上げた。
  _
( ゚∀゚)「ツン様、おそらくはラウンジ渓の者にござりまする。
    VIP谷まで走りますゆえどこかへ掴まっていてくだされ」




 


33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:29 ID:F8UpIt0M0
 ラウンジ。
その名を聞くや、ツンはジョルジュの肩をしかと掴んだ。
  _
( ゚∀゚)「ちと揺れますぞ。
    では殿、また後ほど」

( ^ω^)「行け」

 一礼するや、ジョルジュは風の速さで駆け出した。
ほどなく豆粒ほどの大きさまで遠ざかる。

( ^ω^)「……さて。相手をしようかの」

 出てくるが良いお、と内藤が空に向かって呟くと、
ひとつの人影がどこからともなく現れた。

( ^Д^)「VIPの長は流石じゃな。
     自らが捨て石になるとは殊勝な心がけ」

( ^ω^)「なに。わざわざあれが遠ざかるまで待ってくれた
     うぬほどのたわけさは持ち合わせておらぬお」

( ^Д^)「それは、わしの忍法が1対1に適しておるからよ」

 男はそう言うと、人差し指を立て内藤に向けた。

( ^Д^)「邪気眼使いの内藤。
     貴様のことは良く知っておる」




 


36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:32 ID:F8UpIt0M0
( ^Д^)「このプギャーが忍法は催眠術なり。
     そう知ったことにより、貴様はもはや
     この指から目を離すことあたわぬ」

 そして、この指の赴くまま行動せざるを得ないのじゃ。
プギャーはそう言い、指を内藤に向けたままゆらゆらと動かした。

 プギャーの指を見つめた者は
その揺れに従い脳の制御が不可能になる。
やがて自分が何を考えているのか、何をしているのか、
何を話しているのかさえ覚束なくなるのだ。
それがプギャーの催眠術である。

 内藤は眉間に皺を寄せ、しかし指から目を離せなかった。

( ^Д^)「まず内藤、貴様について話してもらおうかの。
     邪気眼使いとは知っておるが、
     それが実際どのような瞳術なのかは謎である。
     そしてVIP谷、他4人の忍法は。
     順を追って話しやれ」

( ^ω^)「……この内藤が、かような忍法にかかると思ったか」

( ^Д^)「実際かかっておる。
     貴様はわしの指の動きに準じて話すより他にない」




37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage]:07/10/21 17:33 ID:ifQYceEx0
邪鬼眼じゃなかったっけ?




42>>37なんかググったらどっちもあるぞ[]:07/10/21 17:36 ID:F8UpIt0M0
( ^ω^)「では教えてやるお。
     この内藤が忍法、邪気眼がいかなるものであるか――」

 おかしいとは思わぬかお、と内藤は言った。

 忍者にとって、己の忍法を知られることは
死に直結する危険性を秘めている。
そのため、忍者はその忍法を、仲間はもとより兄弟、親子、
その他親族に至るまで軽々しくは明かさないのが常である。

 それが、何故内藤は邪気眼使いとして知れているのか。

( ^ω^)「うぬが如き阿呆どもが釣れるからじゃ!」

 内藤は叫ぶや両目をカッと見開いた。

 それと同時にプギャーに走り寄ると、
腰の刀を抜き走りに斬りつける。

( ^Д^)「ぬ!」

 不意をつかれたとはいえプギャーも忍者の俊敏さを持っている。
間一髪避けるや後方へと飛んだが、
催眠術をかけるべく伸ばしていた右手の手首から先が宙を舞っていた。




 


45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:40 ID:F8UpIt0M0
(;^Д^)「何故動ける!
     貴様には我が忍法が――」

( ^ω^)「この邪気眼はあらゆる忍法を超越するお。
     わしには忍法効かぬのよ。
     うぬが如き忍法馬鹿には一番じゃ」

(;^Д^)「くっ!」

 その場から逃れるべく飛ばんとするプギャーの足に、
内藤の手から放たれた小刀が深々と突き立っていた。

( ^ω^)「阿呆め。逃げられると思うたか」

 内藤は音もなくプギャーに走り寄る。
プギャーは左手で刀を抜くことあたわず、
肩から腰にかけて袈裟切りに斬られていた。

( ^ω^)「さて。ツン様のご機嫌を取らねばな」

 内藤はそう呟くと、プギャーの死体には目もくれず、
VIP谷へ続く道のりを風より速く駆けだした。




 


40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:35 ID:UYNIe7oZO
なんというバジリスク
これは間違いなく甲賀忍法帳




47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:42 ID:F8UpIt0M0
本日の投下は以上です。

>>40の通り元ネタは山風忍法帖シリーズ。
ずっと山風バトルはやってみたかったんだ




 


50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:07/10/21 17:44 ID:iKlJmL4rO



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[ 2008/10/21 00:00 ] ξ゚⊿゚)ξ | TB(0) | CM(0)
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